岩手山
そらの散乱反射のなかに
古ぼけて黒くゑぐるもの
ひかりの微塵系列の底に
きたなくしろく澱むもの
これが宮沢賢治の基本理念である。有るかと思うと無い、存在するものは空であり、空は有(存在)である。
高原
海だがべど おら おもたれば
やつぱり光る山だたぢやい
ホウ
髪毛 風吹けば
鹿踊りだぢやい
髪毛はハツ・モウと読んで、発、亡。
風吹けばはフ・スイと読んで、普、推。
鹿踊りはカ・ヨウと読んで、化、様。
☆発(外に現れる)のは亡(滅び、無くなったもの)である。
化(形、性質を変えて別のものになる)の様(ありさま)がある。
(『春と修羅』より)
ものはみな
さかだちをせよ
そらはかく
曇りてわれの脳はいためる
この世界
空気の代わりに水よみて
人もゆらゆら泡をはくべく
(『歌稿』より)
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