続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)北限の。

2021-07-31 07:30:07 | 飯島晴子

   北限の竹にいためる袷かな

 北限はホク・ゲンと読んで、北、厳。
 竹にいためる(竹傷)はチク・ショウと読んで、逐、奨。
 袷はコウと読んで、耕。
☆北の厳しさに逐(したがい)、奨(励まして)耕(働いて生計を立てている)。

 北限はホク・ゲンと読んで、北、限。
 竹にいためる(竹傷)はチク・ショウと読んで、地区、衝。
 袷はコウと読んで、鉱。
☆北限の地区には衝(重要な)鉱(鉱山)がある。

 北限はホク・ゲンと読んで、北、厳。
 竹にいためる(竹傷)はチク・ショウと読んで、地区、将。
 袷はキョウと読んで、強。
☆北の厳しい地区の将(統率者)は、強い。


『飯島晴子』(私的解釈)杉を見て。

2021-07-31 07:09:53 | 飯島晴子

   杉を見てまたまぼろしの水を打つ

 杉を見てはサン・ケンと読んで、三、兼。
 またまぼろしの(又幻)はユウ・ゲンと読んで、幽、言。
 水を打つはスイ・チョウと読んで、推、調。
☆三つを兼ねることが幽(潜んでいる)。
 言(言葉)を推しはかり調べる。

 杉を見てはサン・ケンと読んで、散、験。
 またまぼろしの(又幻)はユウ・ゲンと読んで、融、言。
 水を打つはスイ・ダと読んで、推、兌。
☆散(バラバラにして)験(調べる)と、融(流通する)言(言葉)がある。
 推しはかり、兌(取り替える)。

 杉を見てはサン・ケンと読んで、賛、謙。
 またまぼろしの(又幻)はユウ・ゲンと読んで、友、言。
 水を打つはスイ・ダと読んで、誰、妥。
☆賛(称えるべき)謙(態度を控えめにしてへりくだる)友がいる。
 言(ことば)は誰にも妥(おだやか)である。

 杉を見てはサン・ケンと読んで、三、権。
 またまぼろしの(又幻)はユウ・ゲンと読んで、有、厳。
 水を打つはスイ・チョウと読んで、遂、調。
☆三権(国の統治権の立法権、司法権、行政権)が有る。
 厳しく遂(やりとげ)調える。


『飯島晴子』(私的解釈)晩春の。

2021-07-30 07:04:44 | 飯島晴子

   晩春の湖上を歩む人ありき

 晩春はバン・シュンと読んで、万、蠢。
 湖上はコ・ジョウと読んで、古、城。
 歩む人ありき(歩人有)はフ・ジン・ユウと読んで、腐、尽、憂。
☆万(多数)の蠢(虫がうごめく)古い城がある。
 腐って尽(すべて無くなること)を憂(心配してる)。

 晩春はバン・シュンと読んで、判、悛。
 湖上はコ・ジョウと読んで、子、情。
 歩む人ありき(歩人有)はフ・ニン・ユウと読んで、怖、認、宥。
☆判(可否を定め)悛(過ちをただす)子の情(気持ち)。
 怖(こわがること)を認(見分け)宥(なだめている)。

 晩春はバン・シュンと読んで、蕃、瞬。
 湖上はコ・ジョウと読んで、枯、常。
 歩む人ありき(歩人有)はブ・ジン・ユウと読んで、蕪、甚、憂。
☆蕃(草木が茂る)のは瞬(またたく間)である。
 枯れるまで常に蕪(雑草が生い茂る)甚(はなはだしい)憂(心配)がある。

 湖上はコジョウと読んで、古城。
☆晩春の古城を歩む人ありき。


D『3つの停止原基』

2021-07-30 06:33:17 | 美術ノート

   『3つの停止原基』

 収めるための箱の設え、装飾は皆無にして技術の高さ、そして安易さ。また厳重なことこの上ない質素な容器…相当な年代物、月日を経た雰囲気を醸している。

 この3つの停止原基は秘められたものであるに違いない、厳重な保管状態から現出し並べられた3つの停止原基なるものは、偶然の産物、偶然できた曲線としか思えない線状であり、この3つの停止原基に一致するものは無いと確信するほどである。

 この3つは似ており、流動的な線は、水や風の流れに似て留まるものではないという暗黙のメッセージが隠されている。
 空の雲、海川の流れ、地中の変動・・・これらはすべて刻々と形を変化させており、二度と再び回帰はあり得ない無二のものである。

 決して同じ形にならない、瞬時の動きを固定させた記念碑的な線状。歴史の一端を切り取った沈黙の証しである。
 名づけられぬもの、無名、時間の中の一刹那。3つということさえ任意に過ぎない。

 この刻まれた時空の一刹那は、世界の歴史の時空における一刹那に等しい。この線状が時空の《停止原基》である。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより


『国道の子供たち』33。

2021-07-30 06:17:10 | カフカ覚書

ぼくはみんなから見えなくなった最初の十字路を曲り、野道をまた森へと駆けて行った。ぼくは南の都会を目指していたのだった、その都会についてぼくたちの村ではこんなことを言っていた。


☆全く見ることができなかった最初の十字路を曲がり、そして星座の運行で、再び厚い壁を抜け、(めざす)場へと走った。わたしは絶え間なく南へと向かった。そこは、わたしたちにとっての来世という意味である。


『飯島晴子』(私的解釈)韮一本。

2021-07-29 07:13:53 | 飯島晴子

   韮一本われの眼を扇ぐなり

 韮一本はキュウ・イツ・ホンと読んで、朽、一、翻。
 われの眼を扇ぐ(我眼扇)はガ・ガン・センと読んで、瓦、顔、選。
☆朽(古くなりだめになったので)一(さいしょ)から翻(作り変える)。
 瓦は顔(いろどり)で選ぶ。
(または眼をゲンと読んで、玄。瓦は玄(赤黒い色)を選ぶ。)

 韮一本はキュウ・イツ・ホンと読んで、究、逸、奔。
 われの眼を扇ぐ(我眼扇)はガ・ガン・センと読んで、我、眼、宣。
☆究(突き詰めて)逸(俗から抜け出し)奔(思うままにする)我(独りよがり)の眼(かなめ)を宣(はっきり述べる)。

 韮一本はキュウ・イツ・ホンと読んで、旧、溢、本。
 われの眼を扇ぐ(我眼扇)はガ・ゲン・センと読んで、雅、現、撰。
☆旧(古いものが)が溢れている本。
 雅(風流・優雅・みやび)が現れる撰(編集)である。

 韮一本はキュウ・イッポンと読んで、球、一本。
 われの眼を扇ぐ(我眼扇)はガ・ガン・あおぐと読んで、我、眼、仰。
☆球一本、我(わたくし)は眼を仰いだ。ホームラン?


『飯島晴子』(私的解釈)韮採りにくる。

2021-07-29 06:55:43 | 飯島晴子

   韮採りにくる神々の深靴よ

 韮採りにくる(韮採来)はキュウ・サイ・ライと読んで、休、載、来。
 神々はシン・ジンと読んで、新、人。
 深靴はシン・カと読んで、進、可。
☆休載を来たし、新人が進(前へ出ること)が可(出来る)。

 韮採りにくる(韮採来)はキュウ・サイ・ライと読んで、救、済、頼。
 神々はジン・シンと読んで、人、心。
 深靴はシン・カと読んで、震、禍。
☆救済に頼る人心(民衆の心)、震(ふるえ慄く)禍(災難)である。

 韮採りにくる(韮採来)はキュウ・サイ・ライと読んで、杞憂、砕、磊。
 神々はシン・シンと読んで、心、身。
 深靴はシン・カと読んで、新、化。
☆杞憂(無用の心配)を砕き、磊(小さなことにこだわらない)。
 心身を新たにするように化(教え導く)。


D『チョコレート粉砕機』(No.2)2。

2021-07-29 06:25:02 | 美術ノート

 なぜ、チョコレート粉砕機だったのだろう。たかが小粒のカカオ豆をつぶすのに設えられた機械、ローラーは豆に比して相当大きい。豆からするととんでもない大きな圧力である。
 並べて同じ姿形のカカオ豆の集積を圧して粉状に粉砕していく景色であり、その後はすでに豆ですらなくなる。豆(個)は豆である主張を消されてしまい、他のものへと質を変えていく。

 この強力な圧力には感動すら覚えるが、デュシャンは皮肉にもこの光景を無に解放している。ローラーは動かず圧する角度をも外し、機械全体は華奢で崩壊は目に見えている。支える台の足が猫足であるのも失笑をかう。

 この機器を社会と捉えなおすことも可能である。それらしい様相は呈している、しかし、危うい。
 危機を孕んでいるのが見えないか! そう問いかけて、いえ、つぶやく声が聞こえるのである。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより


『国道の子供たち』32。

2021-07-29 06:12:53 | カフカ覚書

 もう時間だった。ぼくは傍らに立っている子にキスをし、近くにいた三人と気のない握手をして、道を引き返して走り始めた、誰もぼくを呼ばなかった。


☆すでに時間だった。わたしは傍に立っているこのにキスをし、すぐ近くにいた三人とはただ無造作に、そして後方へ走り始めた、小舟を呼ぶことはなかった。


『飯島晴子』(私的解釈)窓ひとつ。

2021-07-28 07:24:19 | 飯島晴子

   窓ひとついつも粗食の鶴がゐし

 窓ひとつ(窓一)はソウ・イツと読んで、草、溢。
 いつも粗食(何時粗食)はカ・ジ・ソ・ショクと読んで、家、除、礎、触。
 鶴がゐし(鶴居)はカク・キョと読んで、確、墟。
☆草が溢れた家、除(取り除く)と、礎(土台石)があり、触って確かめる墟(旧跡)がある。

 窓ひとつ(窓一)はソウ・イツと読んで、総、逸。
 いつも粗食(何時粗食)はカ・ジ・ソ・ショクと読んで、化、辞、蘇、殖。
 鶴がゐし(鶴居)はカク・キョと読んで、各、挙。
☆総て逸(隠れている)。
 化(形、性質を変えて別のものになる)辞(言葉)で蘇(よみがえり)殖える各(それぞれ)の挙(企て)がある。

 窓ひとつ(窓一)はソウ・イチと読んで、捜、位置。
 いつも粗食(何時粗食)はカ・ジ・ソ・ショクと読んで、架、治、組、飾。
 鶴がゐし(鶴居)はカク・キョと読んで、格、据。
☆捜す(探し求める)位置に架け、治める組(くみ会わせ)の飾(かざり)は、格(きまり)に据える。

 窓ひとつ(窓一)はソウ・イチと読んで、双、一。
 いつも粗食(何時粗食)はカ・ジ・ソ・ショクと読んで、靴、示、祖、色。
 鶴がゐし(鶴居)はカク・キョと読んで、確、拠。
☆双(二つ)で一つの靴だと示(教える)祖(祖父母)。
 色を確かめることが拠(より所)である。