続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)枢舁く。

2020-08-31 07:12:57 | 飯島晴子

   枢舁く男らの背よかの虹へ

 枢(要)を担ぐ男たちよ、祭りである。神輿を担ぐ男らよ、君たちが目指しているかの虹へ、きっといつの日か・・・。(舁は両手を挙げて二人以上でかつぐ、の意)
 かの虹、Somewhere over the rainbow どこか虹の彼方へ、きっと幸福を運んで行く。

 枢舁くはスウ・ヨと読んで、数、予。
 男らの背よ(男等背)はダン・トウ・ハイと読んで、談、套、配。
 かの虹へ(彼虹)はカ・コウと読んで、加、講。
☆数(図りごと)は予(あらかじめ)談(話)に套(隠して)配(置いている)。
 加えている講(話)がある。

 枢舁くはスウ・カクと読んで、数、画。
 男らの背よはナン・トウ・ハイと読んで、難、問う、背。
 かの虹へ(彼虹)はカ・コウと読んで、過、交。
☆数(巡り合わせ)を画(書き)、難(苦しみ)を問う。
 背(そむいた)過(あやまち)の交(交際)がある。


『飯島晴子』(私的解釈)青葡萄。

2020-08-31 06:56:06 | 飯島晴子

   青葡萄ときには枢抜け殻に

 青葡萄つまり未熟者、ときには枢(肝心・重要なところ)が抜けている。

 青葡萄はショウ・ホ・トウと読んで、衝、捕、透。
 ときには(時)はジと読んで、弐。
 枢抜け殻に(枢抜殻)はスウ・バツ・カクと読んで、数、抜、書く。
☆衝(重要なところ)を捕(とらえると)透(すけて見えてくる)。
 弐(二つ)を数え、抜(選び出して)書く。

 青葡萄はショウ・ホ・ドウと読んで、章、捕、同。
 ときには(時)はジと読んで、字。
 枢抜け殻に(枢抜殻)はスウ・バツ・カクと読んで、数、抜・較。
☆章(文章)を捕(とらえ)、同じ字の数(巡り合わせ)を抜(選び出し)較(比べること)である。


R.M『不穏な天気』③

2020-08-31 06:28:52 | 美術ノート

 この三体のある位置は、月・星・太陽の通り道である。それほどに大きな力、支配力を有した提示・暗示である。
 一見、白く淡く軽く美しくさえあるこの三体。よく見れば、硬質であり意味を所有している事物であり、地上の人々は尊敬の念をもって崇めているゆえに高く掲げられているとも言える。
 引きずり下ろすことの無礼は犯罪に値し、罰せられるかもしれない。
 人々が崇敬をもってこの三体を崇める景色は平和だろうか。草木のない荒地は光に満ちているとは言い難い。地上の薄暗さに比して三体は光輝いている。この光では地上の照度は満たしきれない。

 マグリットはこの三体に何を重ねたのだろう。
『不穏な天気』とタイトルしている。未来への不安であり、明日への危惧である。
 雲の千変万化、いずれ流れて消えて行く宿命としての三体、疑似人間・増幅される命令・大いなる地位・・・これらがもたらす近未来への不安。不安は現実ではなく、あくまで予想する未来である。しかし、《不穏》と形容している予想図は打ち消し難く鑑賞者の胸を刺すのである。


 写真は『マグリット』展・図録より


『注文の多い料理店』24.

2020-08-31 06:17:07 | 宮沢賢治

「なかなかはやつてるんだ。こんな山の中で。」
「しれはさうだ。見たまへ、東京の大きな料理屋だつて大通りにはすくないだらう」


☆算(見当をつけて)注(書き記す)と現れる。問う教(神仏のおしえ)は、他意である。
 霊(死者の魂)の裏(内側)也。他意と二つある。


『城』3488。

2020-08-31 06:07:58 | カフカ覚書

あなたは、いったい、しがない客室女中だってあなたとちょっと長く話をしていたら世間からうしろ指をさされるということをご存じないのですか。そして、こういう特別な要求をもっていらっしゃるくせに、あなたは、いきなり最初の晩に、あられもない罠にまんまとひっかかってしまったのです。


☆テーマである作り話でさえも、長ければ水を差されることを知らないのですか。あなたは特別な要求を持っていたのに、最初の晩に大きな災難に陥ってしまったのです。


『飯島晴子』(私的解釈)杜国の墓。

2020-08-30 07:00:59 | 飯島晴子

   杜国の墓賽銭を置く寒さかな

 潮音寺に坪井杜国の墓を訪ねたが、その寂しい感にお賽銭をという思いが走った。敬意に対する緊張が寒さを増幅させたかもしれない。

 杜国の墓はト・コク・ボと読んで、妬、国、慕。
 賽銭はサイ・センと読んで、再、宣。
 置く寒さはチ・カンと読んで、質、換。
☆妬むほど国(杜国)を慕うのは、再(繰り返し)宣(述べる)質(内容)が換(入れ替わる)からである。

 杜国の墓はト・コク・ボと読んで、図、告、模。
 賽銭はさサイ・センとよんで、砕、選。
 置く寒さはチ・カンと読んで、千、鑑。
☆図りごとを告げる。模(手探り)で砕(細かくし)、選んでいくと千(沢山)の鑑(照らし合わせるもの)がある。


『飯島晴子』(私的解釈)太く短く。

2020-08-29 07:10:55 | 飯島晴子

   太く短くわが墓のなめくじりかな

 太く短く、なめくじは細く長く這っていく。塩をかければ消えてしまうが、太く短い印象はない。太く短くわが墓のなめくじり…異端である。わが一生は異端であるが、それすら気づかれぬままであろうか・・・。

 太く短くはタイ・タンとよんで、泰、胆。
 わが墓の(我墓)はガ・ボと読んで、雅、暮。
 なめくじり(蛞蝓)ハカツ・ユと読んで、濶、愉。
☆泰(ゆったりしている)胆(気持ち)は、雅、(風流)である。
 暮らしは濶(心が広々としており)愉(楽しんでいる)。

 太く短くはタイ・タンと読んで、他意、探。
 わが墓の(我墓)はガ・ボと読んで、画、簿。
 なめくじり(蛞蝓)はカツ・ユと読んで、活、遊。
☆他意を探し、画く簿(ノート)で、活(さかんに)遊んでいる。


ホッパー『早朝の日曜日』

2020-08-28 10:21:38 | 美術ノート

   『早朝の日曜日』

 二階建て、長屋形式の店舗兼住宅の光景である。視覚的に遠近法は用いられておらず、全くの並列であり、建屋の左右が描かれていないので、延々連続しているイメージがある。
 帯状に並んだ店舗兼住宅は早朝の光のなかに在り、東からの光の影により、この建屋が南向きであることが知れる。きわめて明るすぎる陽光の立地である。
 各種の店舗は早朝故に暗く閉ざしているが、窓のカーテン、床屋のシンボルなどが求心的に明るく光っている。水道の引込み管や道路への照射、床屋のシンボルなどがあたかも活性化され、この画の舞台の中で華やぎを見せている。

 つまり、人の住む街の、人の眠り(不在)によって、人以外の事物が輝きだす時空を切り取っている。平板な家並みの中の事物の活性は不思議な空間を提示する。
 街が動き出す雑踏の中では意識から外されるであろう赤い壁と緑の壁面の競合は、息を吹き込まれたような主張を展開している。ほんのひと時、早朝の人が動き出す前の沈黙の活性、建屋やカーテン、道やそこに配置された物の黙した主張が展開する早朝の商店街である。
 事物が光りによって活性を見せる時間帯の事物の主張を垣間見せている。


 写真は『HOPPER』岩波・世界の巨匠より


『飯島晴子』(私的解釈)57+

2020-08-28 07:06:35 | 飯島晴子

   青淵を幽かにもどる男の雛は

 神官がお祓いをした後、形代を海(川)に流す儀式である。
 女の祭り、女の静かなる勢威に男の雛はすごすご退いたのだろうか。女の見えざる日ごろの鬱憤の強さかもしれない。

 青淵はショウ・エンと読んで、傷、掩。
 幽かにもどる(幽戻)はユウ・レイと読んで、友、霊。
 男の雛はダン・スウと読んで、壇、崇。
☆傷(悲しみ)を掩(隠して)、友は霊(死者の魂)を壇に崇める。

 青淵はショウ・エンと読んで、妾、艶。
 幽かにもどる(幽戻)はユウ・レイと読んで、誘、励。
 男の雛はナン・スウと読んで、軟、数。
☆妾は艶(色っぽい)で誘(惑わすこと)に励む。
 軟(やわらかい)数(図りごと)である。


R.M『不穏な天気』②

2020-08-28 06:36:32 | 美術ノート

 穏やかな海と空の景色である、しかし不穏な天気だという。異なる点は白い雲の形が、人間の叡智により創りされた構築物が三体並んで空中に浮上していることである。自然には決して現れ得ない形態である。
 人間の想念の中でしか形成し得ない景色は地上を圧している。純白であり、軽く見えるという雲の条件を満たしたこれらに堅牢なイメージはない。もちろん永遠不滅の形態でもない。

 いずれ流れていく宿命の雲に形を借用した、これらメッセージが不穏だというのである。
 増幅され強く大きく鳴り響くラッパ(チューバ)は告知であり、指令である。
 何よりも高い位置にある椅子(地位)、座るべき今は不明の人間(トルソ)が、次第に色を成し地上に降りてくる。即ち征服は民の自由を剥奪しかねない。

 よく見ると、陸地は草木の見えない岩石の沿線である。緑がない景色は死を連想させる。穏やかに良く晴れた白い雲(?)の浮かぶ景色は《危機》を孕んでいる。
『不穏な天気』は、現実には見えない《負の予感》である。


 写真は『マグリット』展・図録より