見かけない老婦人が散歩をしている。
(はて、誰かしら)と思う間もなく、NGさんが現われ
「お母さん、杖を持たなきゃダメじゃないか」と杖を持って渡そうとしたら、彼女は軽く首を振ったように見えた。NGさんの家はすぐそこ、至近距離である。
ところが、NG氏「お母さんは良くても、何かありゃ、周りが迷惑するんだよ!」と言い放って無理やり杖を持たせて角の道に消えてしまった。お母さんと呼ばれた老婦人は一瞬息を呑んで立ちすくんだけれど、何もなかったようにやはり角を曲がって姿を消した。どうやらNGさんの奥さんの母親らしい。
遊びに来ているのだろうか、ここ数日何回も見かける。NGさんの家は隣りのブロック、そのブロックをぐるぐる歩行練習している。
年をとると、悲しい。返す言葉も冗談も言えない気詰まりな雰囲気。何も抵抗する術がない・・・。
いつかわたしも息子たちに冷たい言葉で指図されるのだろうか。
もしそういう時にも、にっこり笑って「ハイ、ありがとう」と元気よく答えられるわたしでいられるだろうか。
夕刻になって、Kさん(90才)がチャイムを押した。新聞屋さんの支払いで気になることがあるという。
「息子は生活費を渡してくれないんだよ、みんな自分がやるから心配いらないって言うけど、集金の人に何回も足を運ばせちゃ悪いから、払ったんだけど・・・」という。
「わたしがしっかりしないと、あのお姉さんが家に入ってくるからね。あのお姉さんもきついし、怖いんだよ」
「・・・」言葉もなく、ただ聞いている。
いつかわたしも行く道なのだろうか・・・。
(はて、誰かしら)と思う間もなく、NGさんが現われ
「お母さん、杖を持たなきゃダメじゃないか」と杖を持って渡そうとしたら、彼女は軽く首を振ったように見えた。NGさんの家はすぐそこ、至近距離である。
ところが、NG氏「お母さんは良くても、何かありゃ、周りが迷惑するんだよ!」と言い放って無理やり杖を持たせて角の道に消えてしまった。お母さんと呼ばれた老婦人は一瞬息を呑んで立ちすくんだけれど、何もなかったようにやはり角を曲がって姿を消した。どうやらNGさんの奥さんの母親らしい。
遊びに来ているのだろうか、ここ数日何回も見かける。NGさんの家は隣りのブロック、そのブロックをぐるぐる歩行練習している。
年をとると、悲しい。返す言葉も冗談も言えない気詰まりな雰囲気。何も抵抗する術がない・・・。
いつかわたしも息子たちに冷たい言葉で指図されるのだろうか。
もしそういう時にも、にっこり笑って「ハイ、ありがとう」と元気よく答えられるわたしでいられるだろうか。
夕刻になって、Kさん(90才)がチャイムを押した。新聞屋さんの支払いで気になることがあるという。
「息子は生活費を渡してくれないんだよ、みんな自分がやるから心配いらないって言うけど、集金の人に何回も足を運ばせちゃ悪いから、払ったんだけど・・・」という。
「わたしがしっかりしないと、あのお姉さんが家に入ってくるからね。あのお姉さんもきついし、怖いんだよ」
「・・・」言葉もなく、ただ聞いている。
いつかわたしも行く道なのだろうか・・・。