続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)七月を。

2021-01-31 07:08:45 | 飯島晴子

   七月を鴉の水の細く行く

 七月はシツ・ガツ、悉、合。鴉の水はア・スイ、吾、遂。細く行くはサイ・コウ、再考。
☆悉(すべて)合わせる吾(わたくし)。
 遂(やりとげて下さい)再考を。

 七月はシツ・ガツと読んで、室、合。
 鴉の水はガ・スイと読んで、画、出。
 細く行くはサイ・コウと読んで、再、構。
☆室(部屋)を合わせ、画(区切る)。
 出(外へ出したもの)は、再び構(組み合わせる)。

 七月はシツ・ゴウと読んで、質、合。
 鴉の水はゲ・スイと読んで、礙、遂。
 細く行くはサイ・コウと読んで、再、光。
☆質(問いただす)合(太陽と恒星が同一方向にある状態)。
 礙(遮ること)が遂(とげられると)、再(重なる)光がある。


『飯島晴子』(私的解釈)新しき。

2021-01-31 06:46:55 | 飯島晴子

   新しき流木夏の夕餉どき

 新しき流木はシン・リュウ・モク、芯、流、目。夏の夕餉どき(夏夕餉時)はカ・セキ・ショウジ、下、責、小事。
☆芯(中心)から流(外れてしまった)。
 目下の責(なすべき務め)は、小事(些細な事、さほど重要ではない)。

 新しき流木はシン・リュウ・ボクと読んで、侵、留、撲。
 夏の夕餉どき(夏夕餉時)はゲ・ユウ・ショウ・ジと読んで、外、優、称、自。
☆侵(他人の領分に入りこみ)留まることを撲(たたく)。
 外(うわべ)は優しく称(対応する)自(わたくし)である。

 新しき流木はシン・ル・ボクと読んで、辛、縷、撲。
 夏の夕餉時(夏夕餉時)はカ・セキ・ショウ・シと読んで、過、責、償、思。
☆辛(苦しみ)が縷(細く長く続く)。
 撲(わたくし)には過(あやまち)の責(なすべき務め)、償いの思いがある。


『飯島晴子』(私的解釈)歯をこまかく。

2021-01-31 06:22:55 | 飯島晴子

   歯をこまかく土龍死ぬわれ夏帽子

 歯(ハ)は、死。こまかく(細/サイ)は再。土龍(ド・リュウ)は、度、流。われ(我/ガ)は、俄。夏帽子(カ・ボウシ)は、苛、暴死。
☆死を再度流(彷徨い)死んでしまった。
 俄かな苛(惨い)暴死(急死)だった。

 歯をこまかく(歯細)はシ・サイと読んで、資、才。
 土龍はト・リュウと読んで、妬、隆。
 死ぬわれ(死我)はシ・ガと読んで、旨、画。
 夏帽子はカ・ボウシと読んで、嘉、某氏。
☆資(生まれつき)の才(才能)を妬む。
 隆(さかん)に、旨(考え)を画く嘉(優れた)某氏である。

 歯をこまかく(歯細)はシ・サイと読んで、師、際。
 土龍はド・リュウと読んで、度、理由。
 死ぬわれ(死我)はシ・ガと読んで、指、雅。
 夏帽子はカ・ボウ・シと読んで、化、忙、姿。
☆師との際(出会い)は、度(人物の大きさ)が理由である。
 指(さし示し)雅(正しく)化(教え導く)忙しい姿があった。


『飯島晴子』(私的解釈)螢籠。

2021-01-30 06:22:32 | 飯島晴子

   螢籠兄の肉声聞き忘れし

 螢籠はケイ・ロウと読んで、計、朧。
 兄はアニと読んで、豈。
 肉声はニク・ショウと読んで、肉、章。
 聞き忘れしはモン・ボウと読んで、問う、防。
☆計(もくろみ)は瀧(ぼんやり霞んでいる/よく見えない/隠している)。
 豈(どうして、何故)、肉(内容のふくらみ)の章を問(問いただすこと)を妨ぐか。

 螢籠はケイ・ロウと読んで、傾、楼。
 兄はキョウと読んで、怯。
 肉声はニク・ショウと読んで、肉、小。
 聞き忘れしはモン・ボウと読んで、悶、防。
☆傾く楼(二階以上の高い建物)の肉(物の厚みや体の太さ)が小(貧弱)である。
 悶(思い悩み)、防(あらかじめ用心している)。

 螢籠はケイ・ロウと読んで、経、弄。
 兄はキョウと読んで、胸。
 肉声はノニク・ショウと読んで、憎、照。
 聞き忘れしはモン・ボウと読んで、問、謀。
☆経(つね)に弄(おもむくまま)に胸(心の中)の憎(懲らしめてやりたいほど相手を疎ましく思う、または、癪に障るほど見事である)を、照(てらし合わせ)問(といつめる)謀(図りごと)である。


『飯島晴子』(私的解釈)口中の。

2021-01-30 06:07:31 | 飯島晴子

   口中のくらきおもひの更衣。

 苦衷(苦しい心の中)の、暗い想いの桐壷更衣でした。

 口中はク・チュウと読んで、句、註。
 くらきおもひ(暗思)はアン・シと読んで、案、視。
 更衣はコウ・イと読んで、交、異。
☆句の註(意味を書き記すこと)を案(調べ)、視(気を付けて見ると)、交わる異(別のもの)がある。

 口中はク・チュウと読んで、苦、衷。
 くらきおもひ(暗思)はアン・シと読んで、闇、死。
 更衣はコウ・イと読んで、考、畏。
☆苦しい衷(心の中)、闇(秘か)に死を考える畏(怯え)がある。


『飯島晴子』(私的解釈)躑躅山。

2021-01-29 07:31:04 | 飯島晴子

   躑躅山眺むるうちに父衰へ

 足踏みし、ためらいながら、行ったり来たりしているうちに、・・・とうとう父は無念にも衰弱を余儀なくされてしまった。

 躑躅山はテキ・ドク・サンと読んで、擢、読、算。
 眺むすうちに(眺内)はチョウ・ナイと読んで、調、内。
 父衰へはフ・スイと読んで、普、推。
☆擢(多くの物から抜き出して)読み、算(見当をつけ)調べると、内(秘密)がある。
 普く推しはかることである。

 躑躅山テイ・ドク・サンと読んで、的、独、算。
 眺むるうちに(眺内)はチョウ・ダイと読んで、帳、代。
 父衰へはフ・スイと読んで、二、遂。
☆的(ねらい)は独(ひとりよがり)の散(自由気ままな)帳(ノート)にある。
 代(入れ替わるもの)二つを遂(やりとげる)。


『飯島晴子』(私的解釈)古びゆく。

2021-01-29 07:18:07 | 飯島晴子

   古びゆく紐の音する柿の花

 昔のことだけど…紐(ヒモ/男)が隠れているような気配がする姉(年上の女性の敬称)の家だった。

 古びゆく(古行)はコ・アンと読んで、怙、案。
 紐の音はチュウ・インと読んで、注、隠。
 柿の花はシ・カと読んで、詞、化。
☆怙(頼りにする)案(下書き)を注(書き記す)。
 隠した詞(言葉)は化(形、性質を変えて別のものになる)。

 古びゆく(古行)はコ・コウと読んで、顧、講。
 紐の音はジュウ・オンと読んで、重、音。
 柿の花はシ・カと読んで、至、果。
☆顧(かえりみる)講(話)は、重なる音で至(行き着く)果(結末)がある。


R.M『青春の泉』

2021-01-29 06:33:07 | 美術ノート

   『青春の泉』

 鷲だろうか、鳩だろうか。鳥の頭部が乗っている石碑にはROSEAU(葦)を意味する文字があり、右には一葉の形を模した樹(内実は根)、左には馬の鈴(伝説・口伝・風評・声)が岩石のゴロゴロした荒地の上に在る。空は茜色だが、地平線ではなく上空に行くにしたがって色濃くなっている。

 このちぐはぐな関連は、この時空がすでに現今信じている時空ではないということかも知れない。過去となり果てた超未来の景色を想定している。
 つまり今在る世界が、遠い未来の果てで石化し解読不明の遺跡になっているということである。

 鳥の頭部を鳩として見れば、オリーブの葉を持ってきた鳩、大家族の始まりであり、刻まれたROSEAUは〈人間は考える葦である〉といった知の始まりである。
 一葉の葉の樹形は不条理の要約であり、馬の鈴(口伝)は、歴史そのものかもしれない。

 空の茜がはるか上空であるのは、逆さを暗示し、今の地球そのものが過去の範疇に収められていることの暗示ではないか。すべてが転倒していても、人間の叡智だけは《永遠不滅》であると《石》が語っている、語らせている。
 すべてを永遠の彼方に葬り、墓標と化している。しかし、消滅し得ないものとしてこの三体をわが地球の『青春の泉』としたのではないか。

『青春の泉』、根源であり永続を暗示しつつも、決して永遠ではなく墓標となり果てる日の残存である。大いなる否定の後の強い肯定(意思)である。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3582。

2021-01-29 06:20:31 | カフカ覚書

女中部屋ではたしかに美しいさ。しかし、ここじゃ、こっそりにせよ、あからさまにせよ、みなの笑いぐさになっているのだよ。ええっと、それから、なんの話だったっけ。そう、ぼくは、悪用され、だまされたと言うんだね。そうじゃないよ、ペーピ。ぼくは、きみとおなじく、利用されもしなければ、だまされもしなかった。


☆作り話の中ではたしかに美しい。でも、ここでは秘密、あるいは解放されているにせよ、みんなの笑いぐさである。話は、それでなければ、誤解され、裏切られたというわけだ。いや、違うよ。少しの誤解も裏切りもなかったんだよ。


『飯島晴子』(私的解釈)夏の禽。

2021-01-28 06:55:38 | 飯島晴子

   夏の禽位牌の金の乱れ立ち

 瑕瑾(わずかな傷、欠点、短所)である違背(命令、規則、約束などに背くこと)・・・禁(タブー)の乱立がある。日常は、金(禁)に縛られているかもしれない。

 夏の禽はカ・キンと読んで、加、襟。
 位牌はイ・ハイと読んで、異、俳。
 金の乱れ立ちはコン・ラン・リュウと読んで、渾、覧、粒。
☆加(その上にくわえる)襟(胸の内)。
 異(他)の俳(俳句)の渾(すべて)を覧(見ると)、粒(小さく見える)。

 夏の禽はカ・キンと読んで、過、謹。
 位牌はイ・ハイと読んで、意、輩。
 金の乱れ立ちはコン・ラン・リツと読んで、混、濫、慄。
☆過(ゆきすぎ)を謹(慎む)意(心の中)。
 輩(仲間)に混じると、濫(むやみ)に慄(恐れおののく)。