お隣の国、韓国の自動車部品メーカーのShinchang Electorics社が、810人の従業員に賃金を20%下げるが雇用は守ると提案、労働組が8日後この提案を受け入れた。現在韓国は世界的な金融危機に直面している。韓国では異例の取引であるが、今回の動きは銀行から造船とあらゆる分野に広がるだろうと今朝のWSJ紙は経済コーナーで紹介していた。
今朝のNHK・BS「おはよう世界」の番組で、米経済専門テレビ局のブルームバーグが、オバマ米大統領が「現在の株価は長期的観点からみれば買えるかもしれない」と発言したと紹介していた。オバマ大統領は、他にいろいろなことを話したに違いないが、大統領の一言にスポットを当てて米メディアが飛びついたのかもしれない。
ブルームバーグは、米上院でFRBバ―ナンキ議長が「AIGの今までとってきた態度に憤慨している。しかし、放置すれば金融システム全てが崩壊する恐れがあったので救済に動いた。しかし、金融システムの将来はまだ不透明である」と証言したと紹介していた。
NY株式市場は、前日NYダウが12年来の安値となる7000ドルを割り込んだ。オバマ発言もこれを意識してスタッフが助言したのだろう。NYダウははじめ前日比100ドル以上反発する場面があったが、様子見気分が強く、結局、前日比37ドル安の安値圏での6,726ドルで取引を終了した。
NY外国為替市場では、ドル堅調が続いている。1ユーロ=1.25ドル台、1ドル=97円台後半で取引された。AIG救済というが、所詮は輪転機をフル回転してドル札を世界にまき散らしているのである。素直に考えてとてもついていけない。しかし、専門家に言わせると、ドルが安全資産として評価されているからだと解説している。
ドルの反面教師として見られている金相場が7日連続で売られた。NY金先物市場で、トロイオンス916ドルで取引を終了した。NY金が1000ドルを超えたあと目標達成したとして売り転換した。日本でも金ブームと言われている。しかし世界で一番臆病な生き物がお金である。水鳥と同じで、お金は決して無理をしないからわかりやすい。
経済とからだの健康は共通点が多い。なぜ人は病気になるか。分不相応に無理をするからだ。特に食べ過ぎがいけない。若いからと言って暴飲暴食をしているとあとで必ずとがめが出る。管が詰まり血液の流れが悪くなると病気になる。お通じが滞ると病気になる。経済でも流通(パイプライン)が詰まると在庫が増える。
今回の金融危機は米国で借金を返せないとわかっていて金を貸したことからはじまった。返済できないので家を手放す。手放された家が大量の在庫になっている。米国の住宅市場は、いまだ腹いっぱいの状態だ。食欲がわかない。腹が空けば必ず食べたくなる。腹が空くまで一定の時間が必要だろう。
からだでいえば米国の住宅は腸のようなものだ。腸が動き出すと病気が治る良い兆候だととらえることが出来る。今の米国は腸(住宅)が動いていない状態だと受け止めておいた方が腹もたたない。腸が動き出せば景気は必ず良くなる。その一点に絞って景気の先行きを見ることが大切だろう。
原油相場も同じである。値段が高値の1/3まで下がっても需要は増えない。食べたくないからだ。NY原油(WTI)先物相場は、OPECが減産幅を拡大するとして、前日の10%下げた反動で小幅反発したに過ぎない。バレル41ドル台で取引された。景気が良くなれば腹が空く。腹が空けば相場は動く。原油相場は目先は、一進一退を続けそうだ。
韓国の話に戻す。いま韓国経済は非常事態に直面している。ウオン相場は一時1ドル1600ウオンを突破した。韓国の輸出は年1兆ドルのGDPの2/3を占める。ウオン安は輸出を助けるはずが、世界不況で通貨安でも輸出は増えない。韓国のGDPは昨年10~12月期に21%減少した。韓国の国内出荷は1月の32.8%減に続いて2月も17%落ちた。
Chinchang Electlicsの自動車向け販売は1億3,200万ドルへ32%減少した。一方コスト650万ドル下げた。コストダウンの半分は人件費削減の結果である。CEOのLeeChul氏は給与を40%、他の役員は30%カットした。その結果労働組合は20%カットを受け入れた。雇用を失えば全てを失うとの判断が働いた。韓国の動きを日本社会はどのように受け止めるのであろうか。
日本ではただ不況だ、不況だと騒ぐ人が多い。自らの経営の判断ミスを為替のせいにして平然としている経営者も多い。政治家も似たようなものだ。100年に一度の危機というならリーダー自らが襟を正してこそ国民も付いていく。お隣り韓国の動きを是非とも他山の石として欲しい。(了)
今朝のNHK・BS「おはよう世界」の番組で、米経済専門テレビ局のブルームバーグが、オバマ米大統領が「現在の株価は長期的観点からみれば買えるかもしれない」と発言したと紹介していた。オバマ大統領は、他にいろいろなことを話したに違いないが、大統領の一言にスポットを当てて米メディアが飛びついたのかもしれない。
ブルームバーグは、米上院でFRBバ―ナンキ議長が「AIGの今までとってきた態度に憤慨している。しかし、放置すれば金融システム全てが崩壊する恐れがあったので救済に動いた。しかし、金融システムの将来はまだ不透明である」と証言したと紹介していた。
NY株式市場は、前日NYダウが12年来の安値となる7000ドルを割り込んだ。オバマ発言もこれを意識してスタッフが助言したのだろう。NYダウははじめ前日比100ドル以上反発する場面があったが、様子見気分が強く、結局、前日比37ドル安の安値圏での6,726ドルで取引を終了した。
NY外国為替市場では、ドル堅調が続いている。1ユーロ=1.25ドル台、1ドル=97円台後半で取引された。AIG救済というが、所詮は輪転機をフル回転してドル札を世界にまき散らしているのである。素直に考えてとてもついていけない。しかし、専門家に言わせると、ドルが安全資産として評価されているからだと解説している。
ドルの反面教師として見られている金相場が7日連続で売られた。NY金先物市場で、トロイオンス916ドルで取引を終了した。NY金が1000ドルを超えたあと目標達成したとして売り転換した。日本でも金ブームと言われている。しかし世界で一番臆病な生き物がお金である。水鳥と同じで、お金は決して無理をしないからわかりやすい。
経済とからだの健康は共通点が多い。なぜ人は病気になるか。分不相応に無理をするからだ。特に食べ過ぎがいけない。若いからと言って暴飲暴食をしているとあとで必ずとがめが出る。管が詰まり血液の流れが悪くなると病気になる。お通じが滞ると病気になる。経済でも流通(パイプライン)が詰まると在庫が増える。
今回の金融危機は米国で借金を返せないとわかっていて金を貸したことからはじまった。返済できないので家を手放す。手放された家が大量の在庫になっている。米国の住宅市場は、いまだ腹いっぱいの状態だ。食欲がわかない。腹が空けば必ず食べたくなる。腹が空くまで一定の時間が必要だろう。
からだでいえば米国の住宅は腸のようなものだ。腸が動き出すと病気が治る良い兆候だととらえることが出来る。今の米国は腸(住宅)が動いていない状態だと受け止めておいた方が腹もたたない。腸が動き出せば景気は必ず良くなる。その一点に絞って景気の先行きを見ることが大切だろう。
原油相場も同じである。値段が高値の1/3まで下がっても需要は増えない。食べたくないからだ。NY原油(WTI)先物相場は、OPECが減産幅を拡大するとして、前日の10%下げた反動で小幅反発したに過ぎない。バレル41ドル台で取引された。景気が良くなれば腹が空く。腹が空けば相場は動く。原油相場は目先は、一進一退を続けそうだ。
韓国の話に戻す。いま韓国経済は非常事態に直面している。ウオン相場は一時1ドル1600ウオンを突破した。韓国の輸出は年1兆ドルのGDPの2/3を占める。ウオン安は輸出を助けるはずが、世界不況で通貨安でも輸出は増えない。韓国のGDPは昨年10~12月期に21%減少した。韓国の国内出荷は1月の32.8%減に続いて2月も17%落ちた。
Chinchang Electlicsの自動車向け販売は1億3,200万ドルへ32%減少した。一方コスト650万ドル下げた。コストダウンの半分は人件費削減の結果である。CEOのLeeChul氏は給与を40%、他の役員は30%カットした。その結果労働組合は20%カットを受け入れた。雇用を失えば全てを失うとの判断が働いた。韓国の動きを日本社会はどのように受け止めるのであろうか。
日本ではただ不況だ、不況だと騒ぐ人が多い。自らの経営の判断ミスを為替のせいにして平然としている経営者も多い。政治家も似たようなものだ。100年に一度の危機というならリーダー自らが襟を正してこそ国民も付いていく。お隣り韓国の動きを是非とも他山の石として欲しい。(了)