NHK朝7時のニューストップでNYダウが前日比299ドル安で6,763ドルで取引されたと伝えていたのを近くの喫茶店で見た。客のほとんどは関心を示さない。NYダウが下げても、日本ではマスコミが騒ぐほど身近な問題でないことがよくわかる。
ところが、高速道路代金が今月末から全国どこまで乗っても1000円という話はさすが話題になった。土曜日曜休日限定でETF限りということや都市圏通過は除くなど条件付きだが、片道1000円なら久しぶりで先祖のお墓参りでもしょうという気を起こす人も出てくるだろう。
石油や天然ガスの国際相場が高値の1/3まで暴落している。それが昨年夏以降という短期間に起こった。これは大事件である。にもかかわらず、日本人は、さして大変な事件だと受け止めない不思議な国民である。小麦の国際相場も1/3なった。しかし、パンなどに使われる小麦は4月から20%下げるとやっと国が決めた。生活に身近な電気代もガス代値下げもマスコミの話題にならない。日本とはそういう国である。
振り込め詐欺もお金がなければ払いたくても払えない。手練手管の巧妙な手口にだまされるなといっても息子が交通事故を起こした。まとまったお金がいると電話口で叫ばれたら、恐怖感が先に立ち、傍で注意してくれた警官の制止をふりきって振り込んでしまった。人間の脳は衝撃をうけると制御不能に陥りコントロールが効かなくなると先日NHKの「ためしてガッテン」でやっていた。
今朝のNY株式市場もある種恐怖の産物であろう。NHK・BS「おはよう世界」で、ブルームバーグニュースを見ていたら、「S&P500が700を割った瞬間、唸り声が響いた。昨年9月はリーマン・ショック、今日の相場はAIG・ショックだと言うひとがいます。」とアナウンサーが叫んでいた。
AIGは世界に冠たる保険会社である。日本でもアリコジャパンの親会社ということでもよく知られている。先の喫茶店で戦後、AIGの前身AIUに勤め、今78歳のTさんが「アメリカはAIGはつぶせない。AIGが潰れたら日本でも困る人が大勢いる。」と解説していた。
今朝のCNNテレビは、AIGは昨年10~12月期決算で620億ドルの赤字を出したと報じていた。1ドル97円で計算すれば6兆円である。英BBCは英HSBCは、125億ポンドの増資と6,100人解雇を決めた。ただ、65億ポンドの利益は計上した。しかし、HSBCがこれほどの巨額の増資に追い込まれたことは同社が深刻な金融危機に直面しているためだととらえ、英国の株式指数も5.3%値下がりしたと報道した。
「アメリカが隠し続ける金融危機の真実」(ベンジャミン・フルフォード著)(青春出販社)を先日読んだ。アメリカが、リーマンブラザーズをつぶし、AIGをなぜ救うのかが詳しく書かれている。FRB(米連邦制度理事会)は日本では日銀と同じ政府の銀行と思い違いしているがFRBは民間会社であるというくだりも極めて興味深い。
FRBはAIGに、今回の300億ドルの追加融資を入れて、過去4回公的資金を投入している。にもかかわらず一向に成果が出ない。つい先日もAIG傘下のアリコを平気でFRBの信託下に移した。FRBが民間の金融機関だと思えば抵抗なく頭に入る。
この日NY市場では、株は激しく売られた。しかし、債券は安全資産として買われた。NY外国為替市場では、ドルが安全資産として買われ、1ユーロ=1.26ドル台、1ドル=97.90円で取引された。円は対ユーロで、1ユーロ=122円台前半で取引された。
NY原油(WTI)先物相場は、NYダウの7000ドル割れと米景気の先行きを占うISM指数が13ヶ月連続で下げ、35.8へ低下したことを嫌気、バレル40ドル割れ直前まで値下がりした。NY金先物相場も換金売りからオンス920ドル台まで値下がりした。
ロシアでは暴動が頻発している。プーチンの面目丸潰れである。これも原油・天然ガスが1/3の値段に下がった結果である。お隣りの韓国の通貨ウオンが11年来の安値の一時1ドル=1600ウオンを突破した。株も5%以上暴落した。
ロシア、韓国に限らない。東欧もそうだが、国家存亡の危機に見舞われている国は多い。日本は本当に恵まれた国である。余りにも恵まれすぎているために、子供から大人まで多くの日本人があり難さを感じられなくなった。感謝の気持ちを素直に表せない人が増えたいま日本が実に悲しい。(了)
ところが、高速道路代金が今月末から全国どこまで乗っても1000円という話はさすが話題になった。土曜日曜休日限定でETF限りということや都市圏通過は除くなど条件付きだが、片道1000円なら久しぶりで先祖のお墓参りでもしょうという気を起こす人も出てくるだろう。
石油や天然ガスの国際相場が高値の1/3まで暴落している。それが昨年夏以降という短期間に起こった。これは大事件である。にもかかわらず、日本人は、さして大変な事件だと受け止めない不思議な国民である。小麦の国際相場も1/3なった。しかし、パンなどに使われる小麦は4月から20%下げるとやっと国が決めた。生活に身近な電気代もガス代値下げもマスコミの話題にならない。日本とはそういう国である。
振り込め詐欺もお金がなければ払いたくても払えない。手練手管の巧妙な手口にだまされるなといっても息子が交通事故を起こした。まとまったお金がいると電話口で叫ばれたら、恐怖感が先に立ち、傍で注意してくれた警官の制止をふりきって振り込んでしまった。人間の脳は衝撃をうけると制御不能に陥りコントロールが効かなくなると先日NHKの「ためしてガッテン」でやっていた。
今朝のNY株式市場もある種恐怖の産物であろう。NHK・BS「おはよう世界」で、ブルームバーグニュースを見ていたら、「S&P500が700を割った瞬間、唸り声が響いた。昨年9月はリーマン・ショック、今日の相場はAIG・ショックだと言うひとがいます。」とアナウンサーが叫んでいた。
AIGは世界に冠たる保険会社である。日本でもアリコジャパンの親会社ということでもよく知られている。先の喫茶店で戦後、AIGの前身AIUに勤め、今78歳のTさんが「アメリカはAIGはつぶせない。AIGが潰れたら日本でも困る人が大勢いる。」と解説していた。
今朝のCNNテレビは、AIGは昨年10~12月期決算で620億ドルの赤字を出したと報じていた。1ドル97円で計算すれば6兆円である。英BBCは英HSBCは、125億ポンドの増資と6,100人解雇を決めた。ただ、65億ポンドの利益は計上した。しかし、HSBCがこれほどの巨額の増資に追い込まれたことは同社が深刻な金融危機に直面しているためだととらえ、英国の株式指数も5.3%値下がりしたと報道した。
「アメリカが隠し続ける金融危機の真実」(ベンジャミン・フルフォード著)(青春出販社)を先日読んだ。アメリカが、リーマンブラザーズをつぶし、AIGをなぜ救うのかが詳しく書かれている。FRB(米連邦制度理事会)は日本では日銀と同じ政府の銀行と思い違いしているがFRBは民間会社であるというくだりも極めて興味深い。
FRBはAIGに、今回の300億ドルの追加融資を入れて、過去4回公的資金を投入している。にもかかわらず一向に成果が出ない。つい先日もAIG傘下のアリコを平気でFRBの信託下に移した。FRBが民間の金融機関だと思えば抵抗なく頭に入る。
この日NY市場では、株は激しく売られた。しかし、債券は安全資産として買われた。NY外国為替市場では、ドルが安全資産として買われ、1ユーロ=1.26ドル台、1ドル=97.90円で取引された。円は対ユーロで、1ユーロ=122円台前半で取引された。
NY原油(WTI)先物相場は、NYダウの7000ドル割れと米景気の先行きを占うISM指数が13ヶ月連続で下げ、35.8へ低下したことを嫌気、バレル40ドル割れ直前まで値下がりした。NY金先物相場も換金売りからオンス920ドル台まで値下がりした。
ロシアでは暴動が頻発している。プーチンの面目丸潰れである。これも原油・天然ガスが1/3の値段に下がった結果である。お隣りの韓国の通貨ウオンが11年来の安値の一時1ドル=1600ウオンを突破した。株も5%以上暴落した。
ロシア、韓国に限らない。東欧もそうだが、国家存亡の危機に見舞われている国は多い。日本は本当に恵まれた国である。余りにも恵まれすぎているために、子供から大人まで多くの日本人があり難さを感じられなくなった。感謝の気持ちを素直に表せない人が増えたいま日本が実に悲しい。(了)