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米雇用21万1千人増、NYダウ56ドル高、為替1ドル84円、原油一時108ドル

2011-04-02 11:06:49 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



米労働省は4月1日、3月の米雇用数(非農業部門)が、21万1,000人増加、失業率は2月の8.9%が8.8%へ低下したと発表した。大方の予測は19.5万増だった。特に民間部門の雇用が13万増加した。これを受けてNYダウは米景気は確実に回復していると歓迎、前日比56ドル高、12,376ドルと2008年6月6日来の高値を記録したと1日付けのWSJ紙は紹介していた。

NY外国為替市場では、対円でのドル買いの動きが継続し、1ドル=84円台とドル高・円安で取引された。一方、対ユーロでは、一時、ドルは3月の好調な米雇用データを受けて反発したが、ECBが週明けにも利上げに踏み切るとの思惑からユーロ買いの動きに流れが変わり、1ユーロ=1.4235ドルと前日比変わらずで取引を終えたとWSJ紙は紹介していた。

NY原油(WTI)先物相場は、米雇用統計とリビア情勢を材料に買い優勢の流れから、一時バレル108ドル台を付け、107.94ドルで取引を終了した。原油相場の高止まりに加えて1日付けのWSJ紙は、トウモロシの供給不足を米農務省が発表したことから、値上がりが予測されると書いていた。トウモロコシは日本でも家畜飼料だけでなく多くの食材に使われており,トウモロコシの値上がり家計を圧迫しそうだ。

原油相場がドルベースでの先高気配にあることに加え、このところのドル高・円安の流れで既にリッター150円を超えて来た日本国内のスタンド売りガソリン値段の引き上げをリードしそうだ。米国景気の回復は結構なことだが、日本は東日本大震災、先が見えない原発問題をかかえ、資源の99%を輸入に依存していることから、ドル高・円安がさらに進めば、コストプッシュという観点から、家計含めて日本経済全体に一層厳しいハードルを突き付けられたことを意味している。

米国景気改善を裏付ける一つの指標として、悪夢の金融危機を引き起こしたサブプライムローン担保証券買い戻しをAIGが米FRBに提案、これを受けて米FRBが売却を開始した。額面1ドルの値段がリーマンショックの後は30セントだった。それが現在60セントまで回復していると1日付けのWSJ紙日本版が紹介していた。

最近、WSJ紙を読んでいると、米FRBが6月で6000億ドルの債券購入を終了するとの観測をしきりに流している。米地区連銀の枢要の総裁がタカ派、ハト派相譲らず論争を繰り返していることも米景気回復に確かな手ごたえを感じさせる一つの重要な徴候であろう。いつまでもゼロ金利のままドル垂れ流しをアメリカは続けることは出来ない。

問題は日本である。イソップ物語にネズミがネコにスズを付ける話がある。やらねばならないことは皆、分かっている。自らの命惜しさに特に政治家はリスクをとろうとしない。今朝のNHKテレビで住民が独自で瓦礫を撤去して車を通して事なきを得た話を流していた。これこそ日本がご先祖さんから受け継いだ互助の成果の一例であろう。大いに元気をいただいた。こういうニュ-スをマスコミはもっと茶の間に流して欲しい。(了)

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