5月20日の党首討論で共産党の志位和夫委員長は、宣言が日本による世界征服の野心に言及していることに触れた。これに対して、安倍首相が、“「つまびらかに読んでおらず、承知していないので論評を差し控えたい」などとコメントを避けた。
6. 日本の人々をだまし、間違った方向に導き、世界征服に誘った影響勢力や権威・権力は、排除されなければならない。無責任な軍国主義が世界からなくなるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能である。
「ポツダム宣言」の受諾は戦後日本の出発点だ。「ポツダム宣言」を受諾して戦争を終わらせ、1952年年4月28日東京裁判等の結果を受け入れサンフランシスコ講和条約の締結により、日本は国際社会に復帰できた。安倍晋三をこの日を「主権回復の日」と呼んでいる。にもかかわらず、この「戦後の枠組み」から脱却しょうというのだ。しかも、この「ポツダム宣言」を詳しく知らないという。シッチャカメッチャカな話だ。
条約の第十一条にはこう書かれている。
本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている物を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。
安倍晋三がいう脱却すべき「戦後レジーム」には、この第11条も含まれている。
もし本当にやろうとするなら、安倍内閣であの戦争を自ら総括し直すべきだ。
その総括の内容は、日本国民はもとより、世界各国の理解を得る必要がある。