スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

帝王賞&誤謬からの脱却

2007-06-27 22:12:30 | 地方競馬
 日が沈んでも蒸し暑さの残る大井で行われた今晩の帝王賞
 先手を奪ったのはトーセンジョウオー。前半の1000メートルは61秒5で,これはミドルペースだと思います。
 直線まで先頭で頑張りましたが,4番手のインでレースを進めていたシーキングザダイヤがまず先頭に。しかしこれも直線の半ばでは脚が止まり,後方に近い中団から漸進してきたブルーコンコルドが外から交わして先頭に。そこへ6番手のインに控え,直線もシーキングザダイヤの内に入ったボンネビルレコードが追い上げてきて叩き合いに。結局,ボンネビルレコードがこれを制して優勝しました。ブルーコンコルドが2着で,発走で遅れ,後方3番手からの競馬になったサンライズバッカスは3着まで。
 優勝したボンネビルレコードは2月の金盃以来の勝利で大レースは初優勝。このレースを最後にJRAに移籍しています。的場文男騎手は1997年にこのレースを勝っていますが,中央と地方のレースの格が統一された1999年以降という意味で,大レースは初優勝。堀井雅広調教師は2004年の朝日杯フューチュリティステークス以来の大レース制覇。この馬はかなり後方からレースを進めて,よく伸びたが届かずというレースを続けていただけに,今日はわりと前についていくことができたのが勝因でしょう。こういったレースができるのであれば,もっと活躍できるのではないかと思います。JRAへの移籍も成功したといえるのでしょう。
 ブルーコンコルドはペースを考えると少し位置が後ろ過ぎたという気もしないではありませんが,最後になってやや伸びを欠いたのは,やはり本質的には距離が長いからではないかと思います。また,過去の戦績から考えると,この馬は寒い時期の方が体調を上げやすいのかもしれません。

 人間の精神を構成している多くの観念は,混乱した観念であると考えられます。そして第四部定理一により,人間の精神のうちにXの真の観念があるというだけでは,人間がXを表象するということ,つまり,人間がXの混乱した観念を有するということから逃れることはできません。しかし,これは人間が誤謬を免れ得ないという意味ではないのです。なぜなら,第二部定理三五により,そのことばの厳密な意味においては,虚偽と誤謬とは異なるものだからです。
 混乱した観念が混乱した観念であるという認識,混乱した観念が十全な観念ではないという認識が欠如している場合にのみ,虚偽は誤謬であるということができます。第二部定理三三により,人間は混乱した観念に注目するというだけではそれが混乱した観念であるということも,また真理というのがどういう性質であるのかということも知ることはできません。しかし僕たちの精神のうちにたったひとつの真の観念があることによって,僕たちは真理一般の性質を認識することができます。そしてこれによって,混乱した観念が十全な観念ではないということを知ることができるのです。そのたったひとつの真の観念の認識というのは現に人間の精神のうちにあるといえるものです。人間が虚偽からは逃れられ得ないにも関わらず,誤謬からは脱却することができるのは,このことに依拠しているといえるのではないかと思います。
コメント (2)
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