スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

竜王戦展望&虚偽と誤謬

2007-06-15 20:57:30 | 将棋トピック
 竜王戦は各組の優勝者および本選出場者がすべて決定し,渡辺明竜王への挑戦者を決めるトーナメント表もできあがりました。そこで今日はこれを展望してみたいと思います。
 まず左の山。中原誠永世十段が,1組では2回戦で佐藤康光二冠に敗れたものの,その後,郷田真隆九段,丸山忠久九段を連破して4位で本選入りを果たしました。長年続けてきた理事の激務から解放され,将棋一本に打ちこめる現状で,どの程度までやってくれるかはひとつの見所といえるでしょう。しかしやはり本命は谷川浩司九段で,1組優勝者は挑戦者になれないというジンクスこそあるものの,木村一基八段が対抗といったところでしょうか。若い戸辺誠四段や片上大輔五段が,勢いに乗ってどこまで旋風を巻き起こせるかも注目です。
 一方の右の山は超激戦区,もちろん実績的には羽生善治三冠と佐藤康光二冠が上ですが,深浦康市八段と久保利明八段も実力者ですから予断は許しません。昨年からシステムが変わって,1組に手厚くなりました。その昨年もそうだったのですが,この右の山から挑戦者が出るのではないかというのが僕の予想です。
 いずれにしろだれが挑戦者となってもタイトル戦は楽しみですし,渡辺竜王にとって楽な戦いとはならないことは必至でしょう。

 明日から高松記念が始まります。当地三連覇をかける伏見俊昭選手に注目です。

 不足している認識の内容がどういうものであるかということについては問題が残りますが,第二部定理三五でいわれていること自体についてはさほどの難しい点はないだろうと思います。しかしここで注意しておかなければならないのは,混乱した観念自体が虚偽あるいは誤謬であるのではなくて,混乱した観念のうちにさらにある何らかの認識の不足が認められる場合に,それが虚偽とか誤謬といわれるのであるとスピノザがいっている点です。すなわち,人間はある混乱した観念を有している限りで誤っているというわけではなく,その混乱した観念について,さらにある何らかの認識の不足がある場合にのみ,誤っているといい得るのです。
 僕はこれまで,虚偽あるいは誤謬といういい方で,虚偽と誤謬を同一視してきました。これは,この定理三五からして,スピノザの場合も同様でしょう。しかし,虚偽に反対の意味で対応するのは真理であり,第一部公理六,また第二部定義四から,人間の精神が真理を認識するというのは,人間の精神のうちにその事物の真の観念,十全な観念があるということです。そして混乱した観念はこの十全な観念に反対の意味で対応します。そこで僕は今後はこれを生かす意味で,混乱した観念についてそれを虚偽といいます。したがって,今後の僕のことばの意味の上では,虚偽はそれ自体で誤謬を構成しません。虚偽にさらにある認識の不足が含まれているときに,それを誤謬であるということにします。つまり,虚偽と誤謬をはっきりと異なった意味で用いるということです。『エチカ』の意味からは少し離れますのでご注意ください。
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