スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京プリンセス賞&最も単純な個物

2008-05-15 21:50:18 | 地方競馬
 南関東牝馬クラシックの2冠目にあたる東京プリンセス賞
 先行争いの激化が予想されたレースでしたが,隊列が決まるのはわりと早く,フィリアレギスの逃げ。ブルーザミントが2番手で,3番手の外にトミノプラネット,その内にニジノムコウ。最初の800メートルは50秒3。しかしこれでもレベル的にペースは速かったようです。
 前半はしんがりを追走していたブライズメイトが向正面で一気に進出。前の4頭でこの動きに対応できたのはトミノプラネットだけで,フィリアレギスは4コーナーを前に早々と失速。トミノプラネットが先頭,先行4頭の後ろにいたミッシェルラブが2番手,ブライズメイトが3番手で直線へ。
 トミノプラネットも粘りましたがブライズメイトが直線半ばで抜け出し,外からインカローズ,内からハタノギャランの追込み。伸び脚が鋭かったのはハタノギャランの方で,トミノプラネットを交わし,ブライズメイトにも迫りましたが届かず。優勝はブライズメイト。2着にハタノギャランで3着はトミノプラネット。
 優勝したブライズメイトは北海道デビューで2勝。南関東ではこれが初勝利ですので南関東重賞は初制覇。控えて末脚を生かすタイプの馬ですので,大井コースが最もよいようです。今日は船橋の山田信大騎手の思い切った騎乗も印象的。山田騎手は昨年の東京湾カップ以来の南関東重賞制覇。船橋の山浦武調教師ともども,東京プリンセス賞は初優勝です。

 きわめて複雑な個物があるのであれば最も単純な個物もあるのではないかと類推することはごく自然なことだと思います。そして物体とは,第二部定義一にあるように延長の属性の個物にほかなりません。よって,最も単純な個物があると類推することは,最も単純な物体があると類推することにほかなりません。またスピノザ自身が,第二部自然学②補助定理七の備考において,岩波文庫版の116ページの1行目に「最も単純な諸物体からのみ組織されている個体」という表現をしています。これは最も単純であるいくつかの物体が合成することによって成立している物体,というように理解できると思いますから,やはりこうしたことから考えても,スピノザが,少なくとも最も単純な物体が実在を認めていると結論してもいいのではないかと思います。
 そこで問題となってくるのは,最も単純な個物,あるいはこの場合に限っていうなら最も単純な物体というものは,それ以上分割することができるようなあるものであるのかどうかということです。もしもそれがそれ以上は分割することができないような物体なら,これはアトムが実在するということを証明するように思われるからです。
 正直なところ,この部分をどう結論するべきか僕には分かりません。ただ,もしもあるものがそれよりさらに分割され得るなら,分割されたものは分割されるものよりさらに単純である筈だから,最も単純な物体が分割されるというのは不条理であり,よって最も単純な物体はそれ以上は分割できないであろうということは,論理的には結論できるようには思えます。
コメント
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