将棋ではうっかりミスのことをポカといいます。相手玉や自玉の詰みを見落とすなど,ポカにはいろいろあるのですが,プロの将棋では滅多に現れないのが駒をただ取られてしまうという類のポカ。今期の名人戦第三局は,打った駒がすぐに取られてしまうという,この類のポカが出たことで話題に上りました。
将棋の模様は1日目ダイジェストと2日目ダイジェストで。相掛りから先手がうまく指し,圧倒的に優勢になったものの,その後で疑問手を連発。まだ残していそうなものの,かなり難しくなって迎えたのが第1図。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/30/1e86b801ebfd3c508c7b0e145d28fab9.png)
△8三歩の叩きに▲同成桂と応じたところですがここで△7四桂の王手。この桂が後のポカに関係してきます。先手は入玉を目指していますので▲8五玉。後手は△8二歩と叩き▲同成桂に△8六金の王手飛車。▲8四玉に△7七金▲同金と飛車を取って△8九飛の王手。先手は▲8八銀打と防ぎ後手が△7八歩と打ったのが第2図。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/cf/d88e7648ad6f725c06a92a9ee6e2a6dc.png)
ここで▲9八銀と打ったのがポカ。部分的には後手の飛車が死んでいますが△8六桂が空き王手。▲8三玉は仕方ありませんが,△9八桂成と打ったばかりの銀をただ取られてしまいました。第2図では▲6九金と打つか,▲7四歩と取るほかありませんでした。
この将棋は逆転で後手が勝ちました。ただし最終的な敗着はこのポカだったかもしれませんが,実際の問題は第1図以前にあったものと思います。
プロでは珍しいポカなのですが,この打ったばかりの駒が取られるポカは,僕が知る限りで名人戦という舞台でも過去に2回はあります。それもいずれ紹介することとします。
明日からはびわ湖競輪場で高松宮記念杯。明日は初日恒例の青龍賞と白虎賞。並びですが青龍賞は北日本は折り合えず,山崎-伏見の後ろに岡部と有坂。平原-神山-手島の関東。新田-渡辺の静岡。山崎選手が一枚上ではないでしょうか。白虎賞は小嶋に村上で中部近畿。渡部-小倉-三宅-豊田の四国中国。井上-荒井-加倉の九州。力は小嶋選手ですが荒井選手を狙ってみたいです。
物体がAからBに移動するという運動をするならば,その運動の間にその物体がAとBの間にあるということは自明です。さすがにゼノンもこのことを否定することはできないでしょう。問題はこれをさらに細かく分けて考えることができるのかどうかということですが,これに対するスピノザの解答は,『デカルトの哲学原理』の該当部分に示されています。
もしもゼノンが,物体がAからBに移動する間に,AB間にXを置き,この物体はXにあったかどうかを尋ねるなら,スピノザは「ある」という意味をふたつに分けてこう答えます。もしもこれがその物体の実在を意味するなら,この物体は運動している間はずっと実在していた。しかしもしもこれが物体の静止を意味するなら,この物体は運動している間はずっと静止していなかった。
分かったような分からぬような解答ですので,ゼノンは引き続きこのように問うことができます。それではこの物体は運動している間はどこにあったのかと。これに対するスピノザの解答は次のようになります。あるということが,どんな場所を占有していたかという意味なら,この物体はどの場所も占有しなかった。しかしあるということがどんな場所を変えたのかという意味であるなら,この物体はAB間にあるあらゆる場所を変えた。
これがスピノザの哲学における,あるいはデカルトの哲学における,運動の基本的な考え方になると思います。
将棋の模様は1日目ダイジェストと2日目ダイジェストで。相掛りから先手がうまく指し,圧倒的に優勢になったものの,その後で疑問手を連発。まだ残していそうなものの,かなり難しくなって迎えたのが第1図。
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△8三歩の叩きに▲同成桂と応じたところですがここで△7四桂の王手。この桂が後のポカに関係してきます。先手は入玉を目指していますので▲8五玉。後手は△8二歩と叩き▲同成桂に△8六金の王手飛車。▲8四玉に△7七金▲同金と飛車を取って△8九飛の王手。先手は▲8八銀打と防ぎ後手が△7八歩と打ったのが第2図。
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ここで▲9八銀と打ったのがポカ。部分的には後手の飛車が死んでいますが△8六桂が空き王手。▲8三玉は仕方ありませんが,△9八桂成と打ったばかりの銀をただ取られてしまいました。第2図では▲6九金と打つか,▲7四歩と取るほかありませんでした。
この将棋は逆転で後手が勝ちました。ただし最終的な敗着はこのポカだったかもしれませんが,実際の問題は第1図以前にあったものと思います。
プロでは珍しいポカなのですが,この打ったばかりの駒が取られるポカは,僕が知る限りで名人戦という舞台でも過去に2回はあります。それもいずれ紹介することとします。
明日からはびわ湖競輪場で高松宮記念杯。明日は初日恒例の青龍賞と白虎賞。並びですが青龍賞は北日本は折り合えず,山崎-伏見の後ろに岡部と有坂。平原-神山-手島の関東。新田-渡辺の静岡。山崎選手が一枚上ではないでしょうか。白虎賞は小嶋に村上で中部近畿。渡部-小倉-三宅-豊田の四国中国。井上-荒井-加倉の九州。力は小嶋選手ですが荒井選手を狙ってみたいです。
物体がAからBに移動するという運動をするならば,その運動の間にその物体がAとBの間にあるということは自明です。さすがにゼノンもこのことを否定することはできないでしょう。問題はこれをさらに細かく分けて考えることができるのかどうかということですが,これに対するスピノザの解答は,『デカルトの哲学原理』の該当部分に示されています。
もしもゼノンが,物体がAからBに移動する間に,AB間にXを置き,この物体はXにあったかどうかを尋ねるなら,スピノザは「ある」という意味をふたつに分けてこう答えます。もしもこれがその物体の実在を意味するなら,この物体は運動している間はずっと実在していた。しかしもしもこれが物体の静止を意味するなら,この物体は運動している間はずっと静止していなかった。
分かったような分からぬような解答ですので,ゼノンは引き続きこのように問うことができます。それではこの物体は運動している間はどこにあったのかと。これに対するスピノザの解答は次のようになります。あるということが,どんな場所を占有していたかという意味なら,この物体はどの場所も占有しなかった。しかしあるということがどんな場所を変えたのかという意味であるなら,この物体はAB間にあるあらゆる場所を変えた。
これがスピノザの哲学における,あるいはデカルトの哲学における,運動の基本的な考え方になると思います。