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未破裂動脈瘤の治療法選択ー血管内手術(応用編)

2008年04月01日 | 動脈瘤
次は血管内手術の応用編です。
脳動脈瘤のネックが広い場合には、そのままコイルを入れると正常な血管にコイルがはみ出てしまいます。
このため血管の中にもう一本、バルーンカテーテルという風船付きの管を入れてはみ出しをおさえます。
単純なテクニックですが、これが意外に有効です。

     

例えば、上の図の動脈瘤は、クリッピングの難しい脳底動脈瘤です。
先端部にブレブ(小さな出っ張りで、破裂しやすいポイント)が見えます。
こういった形の動脈瘤に普通にコイルを入れるとコイルがはみ出てきますが(左図)、バルーンで押さえることによって塞栓が可能になります(右図)。
英語でネックプラスティ(neckplasty:ネックを作る)と呼ばれています。
最近はこのテクニックを使って塞栓することがずいぶんあります。
風船にも色々な種類があって、上の図のように非常に柔らかくて血管に沿って広がるタイプのものが出てきました。
以前は極めて治療が難しいと言われていた動脈瘤が、わずかな時間で治療できるようになってきました。
医学の進歩はすごいですね。(^^)

コメント (3)
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