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脳梗塞の治療 超急性期(3時間以内)

2009年03月06日 | 脳梗塞
まず超急性期治療です。
2005年10月に新たな脳梗塞の治療薬が日本で認可されました。
正確には、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tissue plasminogen activator: tPA)と呼ばれる薬です。
このtPAは点滴するだけで脳血管の詰まったところを溶かす素晴らしい薬です。

それまでの脳梗塞の治療薬は、詰まったところを溶かすのではなく
1)脳を保護する
2)血液をさらさらにして脳梗塞再発を予防する
3)動脈硬化の伸展を抑制する
などの効果をもつだけで、超急性期には効きません。
だからこれは画期的な新薬なのです。

日本でやっと認められたtPA。
実際に上の症例のように点滴するだけで詰まった太い血管が再開通するのです。
すばらしい!

ただしこのtPAが使えるのは発症後3時間。
これを少しでもすぎると、有効性がなくなるといわれています。
ですから脳卒中の患者さんを素早く見分けてtPA治療をしている病院に運ぶこと!
これが現在の脳梗塞超急性期治療のポイントです。

しかし全例に再開通が起きるのでしょうか?
有効率は何パーセントぐらい?
合併症は?
いろいろ気になることがあります。
順に説明して行きましょう。
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