脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
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質問に対する答え

2009年03月24日 | 脳梗塞
MENSさんからのコメントに対する答えです。
「最初はtPAに間に合えばほとんどの人が良くなると思っていました。この治療に間に合うようにわたしたちの病院でも練習をしました。今まで何人か治療して良くなった患者さんもいたけど、あんまり変わらない患者さんがいて何でかなと思ったんだけど、謎がとけました。でもどうして効かないのですか?」

そうですね。どうしてtPAを点滴しても良くならない人がいるのでしょうか?
まず一つめは、詰まった血管が開通しないためです。脳梗塞で血管が詰まる場合には多かれ少なかれ、血管の中に血液の固まりが出来るのです。その固まりの主体成分であるフィブリンが多いか少ないか、これがtPAで溶けて開通するかどうかの分かれ目といわれています。
二つめは、tPAのために出血を起こす人がいるためです。その確率はそれほど高くありません。完成した脳梗塞の中ににじみ出た無症状の出血を含めても5%程度です。症状を強く出す人は1-2%といわれています。頭ではなく体の別の部分に出血することもあります。

実際に患者さんを治療中に検査を行うと、血管が通らないために良くならない人がほとんどです。
ですから救済療法がクローズアップされているのです。



コメント
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