久しぶりに本論です(いきなり...)。
6時間以降には点滴による治療が中心となることを説明しました。
しかし、それでも進行する症例がある。
そんな場合に行われる方法は各施設で違います。
1)そのまま治療を続ける。
2)麻酔をかけて脳を保護する
3)高圧酸素療法
などが主なものです。
3)に関しては私はその効果を疑問視しています。
明らかに有効とするエビデンスもありませんし、実際の経験でもあまり効果を実感していないのです。
しかしエビデンスや教科書にとらわれていると良い治療ができない場合もあります。
その一例を紹介します。
私自身は以前は1)または2)で治療してきましたが、ある時、知り合いの患者さんが入院してきました。
強力な内科的治療を行いましたが、徐々に悪化するのです。
その患者さんは歩いて入院してきたのですが、数日後には言葉もあまりでなくなり、ベッド上で動けなくなってきていました。
何日かして、自分の知り合いである息子さんから言われました。
「親父は俺たちの目から見ても見ても毎日悪くなっている。危険は承知しているし、先生のことも信頼している。だから、先生が良いと思う方法でやってくれ!」
そこで私は緊急バイパス術に踏み切りました。
ホームページに紹介している低侵襲のバイパス術です。
結果、患者さんは翌日から劇的な改善を見せたのです。
徐々に麻痺した手が動くようになり、言葉も増えました。
出血するのではないかと不安でしたが、それも起こりませんでした。
患者さんは他院で集中リハビリを受け、3ヶ月後、私の外来に元気な姿で現れました。
たまたま知り合いだったからできた、それが真実です。
しかしその時、私は「教科書的な常識やエビデンスにとらわれてばかりではいけない」と、患者さんに教えられたのです。
もちろん、その時ひたすら患者さんに寄り添い、家族の人と一緒に悩んだからこそできた決断でした。
その後は少し勇気を出して、同じような患者さんにこの治療を行い、これまでのところ良い結果が出ています。
ただ「この患者さんは良くなりそうだ」という私の勘だけでは非科学的すぎます。
ですから最近ではCT灌流画像を使って脳血流を測定し、判断材料としています。
これまでの症例の蓄積で、ある程度のデータが出たので、そろそろ論文にしようと考えています。
緊急バイパス自体はかなり昔には試みられていたようです。
しかし現在の新しい検査法と組み合わせれば、また新しい局面が開けるのではないか?
そう感じています。
6時間以降には点滴による治療が中心となることを説明しました。
しかし、それでも進行する症例がある。
そんな場合に行われる方法は各施設で違います。
1)そのまま治療を続ける。
2)麻酔をかけて脳を保護する
3)高圧酸素療法
などが主なものです。
3)に関しては私はその効果を疑問視しています。
明らかに有効とするエビデンスもありませんし、実際の経験でもあまり効果を実感していないのです。
しかしエビデンスや教科書にとらわれていると良い治療ができない場合もあります。
その一例を紹介します。
私自身は以前は1)または2)で治療してきましたが、ある時、知り合いの患者さんが入院してきました。
強力な内科的治療を行いましたが、徐々に悪化するのです。
その患者さんは歩いて入院してきたのですが、数日後には言葉もあまりでなくなり、ベッド上で動けなくなってきていました。
何日かして、自分の知り合いである息子さんから言われました。
「親父は俺たちの目から見ても見ても毎日悪くなっている。危険は承知しているし、先生のことも信頼している。だから、先生が良いと思う方法でやってくれ!」
そこで私は緊急バイパス術に踏み切りました。
ホームページに紹介している低侵襲のバイパス術です。
結果、患者さんは翌日から劇的な改善を見せたのです。
徐々に麻痺した手が動くようになり、言葉も増えました。
出血するのではないかと不安でしたが、それも起こりませんでした。
患者さんは他院で集中リハビリを受け、3ヶ月後、私の外来に元気な姿で現れました。
たまたま知り合いだったからできた、それが真実です。
しかしその時、私は「教科書的な常識やエビデンスにとらわれてばかりではいけない」と、患者さんに教えられたのです。
もちろん、その時ひたすら患者さんに寄り添い、家族の人と一緒に悩んだからこそできた決断でした。
その後は少し勇気を出して、同じような患者さんにこの治療を行い、これまでのところ良い結果が出ています。
ただ「この患者さんは良くなりそうだ」という私の勘だけでは非科学的すぎます。
ですから最近ではCT灌流画像を使って脳血流を測定し、判断材料としています。
これまでの症例の蓄積で、ある程度のデータが出たので、そろそろ論文にしようと考えています。
緊急バイパス自体はかなり昔には試みられていたようです。
しかし現在の新しい検査法と組み合わせれば、また新しい局面が開けるのではないか?
そう感じています。