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片頭痛と脳卒中

2011年10月26日 | その他
片頭痛と脳卒中についての質問がありましたのでお答えします。

片頭痛に悩まされている方は意外に多く、成人の最大20%とする報告もあるほどです。このうち75%が女性であることが知られています。
片頭痛というのはしばしば吐き気を伴い、脈拍に合わせるような拍動性の頭痛、光や音に対して過敏になるという特徴を持っています。そして、名前の通り頭の片方に起きることが多いのが特徴です。

片頭痛患者の約3人に1人が、頭痛の直前に、「キラキラ」「ギザギザ」とした奇妙な光が見えたり、「目の前がぼやけて見にくくなる」といった前兆を経験されます(「閃輝性(せんきせい)暗点」と呼ばれる症状です)。人によっては「嫌なにおいがする」とか「頭がぼーっとする」という症状や、片方の手足がしびれるといった症状も出ることがあります。
こういった前兆を伴う片頭痛は脳卒中のリスクになることが報告されています。過去の研究結果をまとめたところ、前兆を伴う片頭痛は虚血性脳卒中(脳梗塞)のリスクを倍増させるという結果になり、特に女性、45歳以下、喫煙者で高くなることもわかりました。

一方で、こういった前兆を伴わないタイプの片頭痛患者の脳卒中のリスクは普通の人と変わらないという報告もあります。

医師に片頭痛と診断された方で、痛みが重度の方や発作の頻度が多い方は、一度脳卒中の予防について専門医に相談されることをお勧めします。
コメント (1)
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