脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

専門医試験:パート2

2008年03月09日 | 閑話休題
今週、もう一つうれしいことがありました。
以前お伝えした脳血管内治療の専門医試験、自分がこれまで指導した3名、全員合格しました!!!
合格率60%未満という難しい試験ですが、見事全員一発で合格してくれました。
これは本当にうれしかったですね。みんな、すごいぞ!おめでとう!!

私は昨年、200例ほどの脳血管内治療に携わりました。クリッピング術やバイパス術などの外科的手術もよくやりますので、結構忙しい毎日です。
しかもここ岐阜県は結構な広さがあり、例えば岐阜市から高山市内まで行こうとすると高速道路、電車、いずれも2時間以上かかってしまいます。
当病院は4年前に移転新築され、屋上にヘリポートを備えていますので、治療が難しいケースはヘリ搬送してもらっています。ヘリは速いです。片道30分で送られてきます。
でも悪天候の時や夜間はヘリ搬送できません。半日以上待ってもらったり、こちらが出張することになります。数年前までは全例、車で出張して治療をしていました。できるだけ連絡をもらったその日に治療に駆けつけるようにしてはいましたが、どうしても治療に行けなくて待ってもらうこともありました。待ってもらっているうちに患者さんが悪くなったこともあります。それで無理をして雪の中を高山に向かって、途中豪雪に遭い、動けなくなってしまったこともありました。
でも今はそんなことはなくなりました。なぜなら高山には後輩の専門医がいるからです!
人間一人で出来ることなんてせいぜい限界があります。でも仲間が増えれば...可能性は無限に広がります。
これまでの経験からすると、今回合格した3人が普通に診療をするだけで、治療の数は増えます。その分だけ患者さんたちがこの治療の恩恵を被ることになるのです。また彼らが専門知識をもって診断・診療すること自体が、その病院とその地区の脳卒中診療の質を上げます。
「1+3」は4でなく、すぐに5にも6にもなるのです。すばらしいと思いませんか?
日本ではまだコイルによる動脈瘤治療が低調です。いろいろと理由はありますが、その一つが専門医不足とされています。
専門医が増えて体にやさしいこの治療法がもっと普及するといいですねー (^-^)
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 未破裂脳動脈瘤の治療法選択... | トップ | 未破裂脳動脈瘤の治療法選択-... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おめでとうございます (roko-chan)
2008-03-10 11:41:00
合格おめでとうございます!これで岐阜の脳血管内治療は安泰ですね。1+3は4ではなく、5にも6にもなるというお話は本当にそうですね。人は一人では本当に小さなものだけど力を合わせたときのパワーは無限大ですね。
返信する
おめでとうございます (hisa,ya)
2008-03-14 22:58:13
全員の合格 おめでとうございます。岐阜の脳血管治療だけでなく 5にも6にも近畿にもよろしく~。
私たち素人には 脳の病気は怖いものとしか認識がないので このブログを見て少しでも 知識を深めたいと思いました。 (ひまわりと共に楽しみが増えました)  
返信する
ブログコメ はじめまして! (hira /i)
2008-05-15 22:14:57
本当に先生は勉強家ですよね。だから、下につく人たちも頑張るんですね。
看護婦さんの間でも、先生を尊敬する声ばかりでしたもん!

実は私も先生のファンですが、合格なされた方は私も入院中お世話になった方かしら?

私は一月、三月もやもや病で手術執刀していただいた患者です。

これからものぞきに来ます。よろしくお願いします。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

閑話休題」カテゴリの最新記事