簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

箱根の雲助(東海道歩き旅・伊豆の国)

2019-04-08 | Weblog


 箱根の関所を無事通り抜け、少しばかりの「山祝い」を楽しんでみる。
町中で見かけた「雲助だんご」と書かれた看板に引かれ、その店を訪ね名物
だと言う団子を食べてみた。



 新潟産こしひかりを炊き、餅につき上げた白玉団子に、北海道産小豆の餡
をたっぷりと乗せた団子で、さっぱりとした甘さが歯ごたえの良い団子に絡
んで美味しかった。他にもゴマや黄な粉を塗したものが有るらしく、箱根の
雲助たちが愛した団子の味が店の売りだと言う。

 当時の雲助がこんな美味しいものを常食していたかどうかは知らないが、
健康維持、体力増強に猪や兎などの肉を日頃から食していたと言う説もある
らしく、案外美食家だったのかもしれない。



 それよりも箱根の雲助と聞くと、テレビや映画などの影響か、どうしても
強盗や追剥を働く無法者を連想しがちだが(中には一部いたらしい)、その
実態はどうもそうではなかったようだ。



 元々雲助と言われるのは小田原の問屋場に登録され、そこで働く人足の事で、
この仕事に就くには厳しい三つの関門をパスしないとなれなかったと言う。
一つは力が非常に強いことで、これは絶対条件であった。二つ目は荷造りの技
にたけていること、三つ目は唄が上手いことで、これらが揃っていないと一流
とは言われなかったそうだ。



 こうして荷物を扱う人足の他にも、馬を引く馬子や、籠を担ぐ駕籠かきなど
の雲助がこの地に住み着いて、道案内をし、街道を上り下りする旅人の手助け
をしていたのだそうだ。

 今日はこれから、雲助の力を借りることなく一人で、箱根西坂と言われる三
里(凡そ12Km)以上も続く長い下り坂を下っていく。(続)





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