雀の手箱

折々の記録と墨彩画

唐三彩

2010年02月05日 | 雀の足跡
 表装のための買い物があって、小倉の材料店まで出かけたついでに、門司の出光美術館で開催中の「唐三彩」を見に行ってきました。


館内は平日の3時過ぎとあって、人影は全くなく、死者とともに副葬された由来を思うと、むしろ薄気味わるいくらいのひっそりでした。


 唐三彩といえば、馬か駱駝、それに陶俑の婦人立像くらいに思っていましたが、多種多様の陶製品は、素朴な中に、あるいはおおらかに、また力強く、躍動感に満ちて並んでいました

 5~6世紀に作られた陶俑は、動物、家屋、家具調度、什器や家畜の模型まで、中には生前可愛がっていたと思われる愛犬まで、中国の人々の死後の世界への考え方を示してユニークです。
 シルクロードを通した交流の面影を見せて、彫りの深い顔立ちの俑も見られました。
 今では色も飛んでいますが、楽器を手に佇む女性の灰陶加彩の6人の楽人俑は気品さえ感じさせました。
 お馴染みの白、緑、褐色の釉薬を掛けた三彩のほか、深い藍色のみの官人立像や、脚で顔を掻く愛らしい獅子、鋸歯文の切れの鋭いモダンな万年壺など目にとまりました。

 画像はチラシや、絵葉書からです。クリックで縦画像3枚、横画像2枚です。


<<>


 首を長く表現して、飼い主を見上げる犬。後漢時代。褐釉 

 2枚目は官人。どこか百済観音を思わせる八頭身は高さが70cmもある。北魏時代の加彩 
 3枚目はチラシの駱駝に乗る商人の顔をUPしたもの。
このように焼いたあと、着彩するのが灰陶加彩とよばれる技法。


<
灰陶加彩騎馬人物 前漢時代 素朴で力強い。
 2枚目楽人俑 唐時代 6人の女人はそれぞれ手に楽器をもっている。