雀の手箱

折々の記録と墨彩画

夜更けての月見

2010年09月24日 | 日々好日
 22日の十五夜は午後からの雨が夜に入っても断続的に降り続いていました。遂に前日の澄んだ空高くに眺めた月を慰めに、「月は隈なきをのみ見るものかは」「雨に向かひて月を恋う」のも一興と諦めて寝てしまいました。

 昨日も時雨のような雨が降り続いていて、月齢では「望」である十六夜の月も今年は無月か、雨月で拝めないと思っていました。
 夜更け、外があまりに明るいようなので、カーテンを開けてみると、満月が大きなオレンジ色のグラテーションの傘を差して、雲をバックに中天にかかっていました。
 雲の流れも速く、月を隠すことなくより高くさまざまに形を変えながら通り過ぎていきました。1時半から2時過ぎまで一人で夜更けのショウを眺めていました。
 お中日で、ご先祖の仏様にお参りした功徳でしょうか、見事な顔にお目にかかれました。




 お彼岸にはなぜか大津絵の「鬼の念仏」を思い出します。わが心の内なる仏と鬼に思いを馳せるからでしょうか。1枚目は古い大津絵から。2枚目はふくら雀流の「鬼の念仏」です。

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慈悲もなく情もなふて念仏をとなふる人の姿とやせん

誠なき姿ばかりは墨染の心の鬼があらはれにけり