旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

ラベンダー紀行 さっぽろ→南平岸

2004-08-19 21:31:55 | ラベンダー紀行
札幌市交通局 南北線 南平岸駅 (札幌市豊平区)

北海道に上陸してから何も口にしていない。駅の立ち食いそば店を捜す。早朝で開店前のところが多いが、函館行の特急スーパー北斗2号が発車する3・4番ホームの店が開いていた。網走からの特急オホーツク10号が隣のホームに到着しており、気動車のエンジン音がうるさい。店員は慣れているのか、注文を聞き違える事もなく、天玉そば(420円)が出てきた。札幌のそばのおつゆは関東風である。発車を待つ特急の客もそばを啜っている。

改札を出て地下鉄の駅へ向かう。すぐに地下にもぐらずに地上を歩く。駅舎から出て、振りかえるとJRタワーがそびえている。ホテル、百貨店、映画館、オフィスや多くの商業施設が入っている。展望室もあり、名古屋駅のJRセントラルタワーズを思い出す。2年前には工事中だったから、完成後に初めて見た事になる。整然とした札幌の街に相応しいと思うが、初めて札幌に来た時の駅舎が無いのはさみしい。

フェリーの中で寝冷えして風邪をひきかけている。これから楽しい北海道の旅、むろん風邪なぞひいている場合ではない。地下鉄駅まで来て、薬を飲むために飲料水を買おうと思ったが、キヨスクが開いていない。ちなみに地下鉄の売店も北海道キヨスクである。JR駅に戻り、購入した。ここもキヨスクの経営で小さなコンビニエンスストアといった感がある。レジでは客に「おにぎりあたためますか」と聞いている。

切符を買い、改札に入り、ホームで電車を待つ。地下鉄といってもレールは敷かれていない。車輪の替わりにゴムタイヤで走る車両なのだ。乗り心地は大きく異なる。停車するためブレーキをかけるが、摩擦でゴムタイヤの匂いがする。入線してきた電車に乗りこむ。札幌の地下鉄には冷房は無くて車内には風鈴があったが、今日乗った車両は送風とも冷房ともわからない風が出ている。風鈴も健在だった。地下区間から地上区間に出る。冬の積雪に備えて、地上区間はシェルターに覆われている。除雪の必要はないが、車窓は楽しめない。南平岸で下車。

南平岸に来た理由を書けば長くなるので割愛する。あの有名な公園などを撮影してくる。満足して駅に戻る。札幌の市電、地下鉄、バス(3社)で利用できるプリペイドカード「共通ウィズユーカード」があるが、南平岸訪問記念に1,000円のを1枚買う。直接、自動改札機に通して利用できる。旅先でこの手のカードを買うのは控えているのだが、何度も訪れる札幌ならいいだろう。 (つづく)
札幌市交通局 http://www.city.sapporo.jp/st/


ラベンダー紀行 小樽→札幌

2004-08-13 05:15:18 | ラベンダー紀行
函館本線 普通 121M列車 (小樽)

今日は帯広まで行くつもりである。小樽から帯広までは254キロ、運賃は4,620円だが、特別企画乗車券「一日散歩きっぷ」(2,040円)を購入してみる。この切符は帯広の手前の新得までが有効だが、新得-帯広の乗車券(810円)を別に購入しても安い。途中で立ち寄るつもりの夕張へも有効なので都合がよい。

自動改札機に切符を通して、プラットフォームにむかう。今回の旅は鉄道の旅でもある。出発を待つ札幌行の列車は711系。ボックス席で窓も開く、国鉄時代からの電車で、扇風機のカバーにはJNRのマークも見られる。北海道で最初に乗る列車として相応しい。街頭の寒暖計が摂氏17度であったので、窓は控えめに開けた。

5時41分に小樽を発車。南小樽、小樽築港と小樽の街を走って行く。港には「ゆうかり」が見える。小樽築港を出て、トンネルの抜けると、列車は海岸沿いに敷かれた線路の上を走る。複線だが列車の走っている下り線は、本当に海(石狩湾)に寄り添っている。小樽-札幌の都市間でこの景色が堪能できるのだ。瀬戸内海と違い、砂浜ではなく、石がゴロゴロしている。早朝で曇り空なので寂しい風景でもある。写真を撮りたいが、列車は走っているし、充分な明るさではないので、撮影は諦める。銭函まで海沿いの車窓は続いた。

札幌市内に入り、乗客も増えてきた。窓も開けてはいられない。新興住宅地も見える。札幌運転所のある稲穂を過ぎる。そして札幌に到着した夜行列車の回送が上り線を次々とすれ違っていく。これらの列車で道東や道北に出掛けたくなる。左手に札沼線と札幌競馬場を見て桑園を過ぎれば、JRタワーのある札幌駅に6時28分到着した。 (つづく)
北海道旅客鉄道(JR北海道) http://www.jrhokkaido.co.jp/


ラベンダー紀行 「ゆうかり」→小樽

2004-08-12 12:50:56 | ラベンダー紀行
早朝の小樽運河 (北海道小樽市)

新潟からの新日本海フェリー「ゆうかり」から下船し、北海道に上陸する。以前はターミナルに近い位置に新潟航路が、遠い位置に舞鶴航路が着けられていたはずだが、今日は「ゆうかり」がターミナルから遠い位置に着けられており、近い位置は使われていない。貨物の都合だろうと思うが、徒歩で下船する旅客は随分と歩かされる。ターミナルから出るとタクシーが客待ちしているのが見える。駅までは距離があるので利用してもいいが、札幌行の発車まで随分時間がある。徒歩で小樽駅へ向かい、途中で運河でも見ようと思う。

歩き出すと、雨が降ってきた。タクシーに乗ればよかったと思ったが、しばらくすると止んでしまった。途中の公園で、乗ってきた「ゆうかり」を撮影。港のまわりは殺風景である。停泊しているロシア船も見える。そういえば港湾施設の注意書きに露文も見られる。地理的な近さを感じる。しばらくして小樽運河に着いた。まだ早朝5時だというのに先客がいる。ライダーだがフェリーに乗っていたのだろうか。運河沿いを歩き、撮影をする。しばらくして元の位置に戻ると、ライダーが増えている。お互い情報を交換している。ライダーはいいなと思うが、私は二輪車の免許を持っていない。

旧日本銀行小樽支店の建物などを見ながら、小樽駅に向かう。途中、手宮線の踏切を通る。旧手宮線の踏切跡というべきか。小樽の街を横切る旧手宮線は北海道最初の鉄道として物資を道内各地へ運び、石炭を小樽へ運んでいた。南小樽駅で函館本線から分岐しているが、こちらが元々の路線である。レールもそのままだし列車がやって来そうである。

小樽駅に到着。フェリーターミナルから徒歩で鉄道の駅を目指すのなら、この他に南小樽、小樽築港の各駅があるが、平坦なコースの小樽築港がよいだろう。駅の雰囲気では南小樽もよい。ここは距離が近いが、上り坂がある。むろん市の中心駅である小樽駅もいい雰囲気である。どこにしろフェリーが小樽に着いて札幌への一番列車が発車するまで、時間に余裕があるので好きな駅を目指せばよい。駅前の歩道を若者が清掃している。青年会か町内会か知らないが、朝一番に街を掃き清めているのを見るのは気持ちがよい。駅舎を撮影して久しぶりの小樽駅に入った。 (つづく)


ラベンダー紀行 「ゆうかり」(後編)

2004-08-11 12:51:10 | ラベンダー紀行
新日本海フェリー「ゆうかり」 (小樽港)

午後4時頃、フェリーの寝台で昼寝から目覚める。このフェリーには大浴場がある。一風呂浴びてこようと思う。売店で手ぬぐいを買いたかったが、あいにく閉まっている。同じ乗員が売店やレストランなど複数の場所のスタッフとなるのだろう。営業時間には注意を要する。ここは持参した手ぬぐいを使う。貴重品は案内所で預けることになる。

大浴場には随分と人がいる。中途半端な時間なので、芋を洗うほど混んではいない。湯船から外を見る。まだ天気はよくない。それにしても乗り物の中に大浴場が設けられるのは船くらいなものだろう。湯船のある列車もあるが一般的ではない。

風呂から出て自分の寝台に戻る途中、自動販売機に飲み物を補充しているところに出くわす。夕食の時においしくビールを飲むために我慢するべきだったが、「冷えてます」というので1本買ってしまう。湯上りに冷えたビールが不味い訳が無い。夕食まで再び昼寝。外に出られないので寝るばかりである。

気持ちよく寝て、このまま寝ていたいが、レストランの営業時間がある。食べ損なうと後が困るので出掛ける。入口で列が出来ている。料理を選ぶところで時間がかかるため10数名ずつ案内しているのだ。しばらくして入れた。青椒肉糸(700円)、ライス(200円)、味噌汁(120円)、イカの塩辛(200円)、ビール・中瓶(480円)を選ぶ。昼は塩気が足らなくなったが、今度は塩辛で多すぎる。隣のテーブルから女性の2人客の会話が聞こえてくる。東京から北海道へバイクツーリングを楽しみに行くらしい。私の今回の旅行では鉄道に乗るばかりで、北海道の道路を走る事は無い。羨ましいが、カーフェリーなのだから、ほとんどが北海道で運転しようという人ばかりなのである。

小樽到着が早朝4時10分なので早く寝ようと思う。今度こそ本式に寝たいが、細切れに寝ているので深い眠りに落ちない。隣のイビキもうるさい。日付変わって平成16年7月18日日曜日。まだ3時前で起きるには早い。手洗いに立つと、ロビーには起きている人が随分いる。2等の客なのか。カーペットの上に寝る2等は、枕と布団は用意されているが、なかなか眠れるものではなかった。しかも私は舞鶴-小樽航路で2泊した。後日、2等寝台に寝て、こんなに快適なのかと感心した。それから2等寝台派である。

寝台に戻ってしばらくして、船内に放送が流れる。目覚ましを用意しなくも、間違い無く起こされる。もうすぐ小樽に入港するのだが、北海道に来ているという実感が無い。外部甲板に出られるので、北海道の外気に触れてみると、少々寒い。それに船内の冷房で風邪をひきかけている。小樽の街の灯りが目の前に見える。もうロビーは下船を待つ人で溢れているが、その脇を歯ブラシを持って洗面所へ行く。私もようやく下船の用意をして上陸する。1年1ヶ月ぶりの北海道。

以前、小樽港には今回利用した新潟航路のほかに、以前利用した舞鶴航路の船が、同じ頃に到着し、2隻が縦に並んだ姿が見られた。本州からの車やバイクが次々と北海道に上陸していったが、今は新潟航路のみである。舞鶴航路に新造船が就航し、所要時間が大幅に短縮され、早朝の到着から夜8時30分の到着となった。廃止ではないが、早朝の風景は寂しくなった。 (つづく)
新日本海フェリー http://www.snf.co.jp/


ラベンダー紀行 「ゆうかり」(前編)

2004-08-10 11:47:03 | ラベンダー紀行
新日本海フェリー「ゆうかり」S寝台(本当はドライバー室)

新潟港を11時30分に出港した「ゆうかり」は信濃川河口にある港から日本海へと出て行く。陸上では大雨の為に鉄道の不通区間もあったくらいなので、海上は荒れている。強風のため、外部甲板に出られない。まあ、出たところで雨に濡れるだけだが。

朝食は大宮で買った、卵の殻の入ったベーコンエッグサンドだった。昼時なのでレストランに出掛けてる。自分の寝台のある上の階へ階段を上がる。大浴場・サウナ(女)、ショップ(売店)、カフェ(軽食堂)、プロムナード(大海原が展望できる)。多くの乗客が寛いでいる。プロムナードに置かれた椅子はすべて先客で埋まっている。今日は乗船率がよいのだろう。

レストランに着いたが営業時間までは少し時間がある。列を作って営業開始を待つ。やはり海は荒れており、立っているのに多少のバランス感覚を要する。準備が出来たのか、時間前にレストランが開いた。お盆を持って欲しい料理を載せてゆき、最後に勘定を済ませて、席まで持ってゆかねばならない。これをレストランというのはどうかと思うが、カフェテリア方式ですと断っているから仕方が無い。十勝豚丼(800円)を頼む。ビール・中瓶(480円)もお盆に載せる。海の見えるテーブルに陣取り、ビールをグラスに注ぐ。今日は新幹線の中でビールを我慢していたので、この1杯は旨い。豚丼は思っていたのとは違う味付けだが、まあ旨かった。肉が少ないと感じたのはビールのアテにしていたからだろう。小鉢でも一品もらえばよかった。

新幹線の食堂車は廃止されたが、乗り物の食堂で食事をするというのは楽しい。機内食はタダ飯、タダ酒という事に関しては素晴らしいが、(エコノミークラスだから)窮屈でよくない。景色を見ては、瓶ビールからグラス(もちろんガラス)に注ぐなぞ嬉しいではないか。フェリーでは列車ほどのスピード感は無いが、ゆったりとしていてよい。

満足して寝台に戻る。食べてすぐ寝るのはどうかと思うが、昼寝する。ところが近くの寝台から物凄いイビキが聞こえる。どうも隣の寝台かららしい。どこか体が悪いのではないかと思う。しかし疲れているので、即席の耳栓をすると、あまり気にならなくなり眠ってしまった。 (つづく)
新日本海フェリー http://www.snf.co.jp/