というようなこともあって、ますますわがままになる私には、相部屋での旅行はやはり
きついかなと思ったことが多かったのです。ところが、こんな時期ですし、基本的に
どこの宿も空いていて、そんな大勢と泊まり合わせたわけではなかったのに、
同部屋、あるいは同宿者の方々には全般に恵まれて、ちょっと憂鬱な私の心持とは裏腹に、
有意義に過ごせたのです。
ぬかびらユースで、広い「えぞしかの間」で二人きりだった方とはずいぶん話が弾みました。
東京の47歳の独身男性で、IT関連会社の凄腕?エンジニアみたいでした。
私と考え方が似ている部分が多くてね。つまり、いまさら家族を養うこともないだろうから、
これからはアクセルを緩めて好き勝手生きようとしているようで、会社を辞め、北海道へ
移住しようとして、実際札幌で内定をもらったそうです。ところがその会社は、東京への
出張が週に4日もあるとかで、どこで暮らしているのかわからないからと辞退、結局また
東京で再就職して、ちょうどその間に旅行へ出たようです。あと5年勤めたら辞めて、
北海道へ渡るとか。私はその5年が我慢できず、それが彼との大きな違いでした。
別の日にぬかびらで一緒だった女性はやはり東京出身の40歳前後?(このところすっかり
自信をなくしています…)。現在派遣で層雲峡の某ホテルの売店でお仕事されていて、
休みを利用してワカサギ釣りを楽しもうとここへ泊まったようでした。基本東京をベースに
派遣で経理の仕事を短期間して、季節には各地のホテルで仕事をし、その帰りなどに旅行を
楽しんでいるんだそうで、夏には知床にいたとか言ってました。なんかとてもいいリズムで
人生を楽しんでいる香りがたちこめていて、マイウェイ人生送っているのをヒシヒシ感じました。
派遣の仕事のこととか、もうちょっと突っ込んで聞きたいこともあったんだけど、彼女
ワカサギ釣りにハマったようだから、また縁があったら会うこともあるでしょう。
(この日のツアーでは、初陣の彼女が一番の釣果だったそうです) 元々正社員で経理の仕事を
8年経験、しかもカナダで3年住んだことがあり英語もそこそこ喋れるなど彼女にはスキルが
あって、私には同じことはできそうもないんだけど、なんだかその生き方、興味があるんですよね。
以上のお二人が特に印象が強かったのですが、その他同室の方が皆さんいい方ばかりで、
気持ちよく過ごせました。先に述べたように、一番逸脱していたのは、むしろ私でしたよね。
あと、ぬかびらではこんなこともありました。出戻った日、えぞしか(5人部屋)にはすでに
連泊者が二人いて、「どんな人なんだろう」とちょっと緊張していたら、帰ってきたのが
名古屋出身(現在は横手在住)のプロ並みマッサージ師Oさん、続いて戻って来たのが
ひとりウイスキー・ニヒル男(それほど深い付き合いはないけど、古い建物時代から知っている人)と
両方とも顔見知り。翌日もう一人加わるようで、「どんな人が来るんだろう」と思っていたら、これが
東京のさすらいのJRer Aさん! なんだ、全員知り合いじゃん! ミニ合宿みたいなノリになって、
Oさんにはいつものようにマッサージをしてもらい、ニヒル男には高級なウイスキーをたかり、
Aさんには日本酒のご相伴にあずかりました。
まあ、これは少々極端な例でしたけど、ユースなどの相部屋の宿に泊まるということは、
こんな出会い、再会がしょっちゅうあるということなのです。この先、まだまだ不確定な部分は
多々ありますが、低予算重視の車中泊を基本としつつ、時にはなじみの宿などで栄養補給を兼ね、
人との出会いやふれあいを楽しみに泊まりつつ旅を続ける… 落としどころを見極めて
自分なりの新しいスタイルを模索したいと思うのです。つまり私の場合は「完全車中泊」ではなく、
一週間に一度程度は宿に入って、洗濯や電気機器の充電などをし、これまで通りにほかの
旅行者ともコミュニケーションをとりつつ、微妙なバランスを保ちながら、旅を続けられたらと思うのです。
(結局今のところ、真冬の北日本の旅はこれからどう対応するのか答えの出ないまま、
この長~いムダ話をこれにてひとまず終了します)