同じ場所で午後再び撮影していたら、今度は60歳前後?の女性がやってきて、私の周りで撮影を始めました。
三脚を立てて撮影する私に対し、手持ちでアングルをあれこれ変えて、熱心に写しまくる彼女。
そのうちお話するようになって、お聞きしたら、私と同じ撮影機材(EOS5D3+純正24-70/F4ズーム)
ではないですか! それから変なプレッシャーがかかってさあ。機材が同じということは、あとは
技術と感性の勝負じゃあないですか! いいわけできないですからね。
撮影中何度か彼女に電話が入って、どうも用事で帰らねばならぬようです。営業か何か外回りの
仕事をされているのを、途中「サボって?」撮影に来ていたようなのです。私に「いつまで粘るの?」と
聞くので、「夕日で噴煙が赤く染まるのを期待して待ってみる」と答えると、少し名残惜しそうに立ち去りました。
それからしばらくして、日は西に大きく傾き、私の期待通り、噴煙が少し赤く染まり始めました。ただし、
この日はピーカンすぎるのか、残念ながらそれほど劇的な色にはならなかったのですが。
写している最中、また女性が近づいてきたなと思ったら、先ほどの方じゃないですか! 今度は
三脚まで携えて。最後の私の一言が気になって離れられず、近くの駐車場で待機して様子を伺っていたら、
噴煙に変化の兆しが見えたのであわてて戻ってきたらしいのです。用事はどうなったんだろう…
野暮なことは聞かなかったけど、車に三脚まで忍ばせていたのにはさすがに驚きましたよ。
そしてまた去り際にいつまで写すのかと聞かれたので、「いったん車で休憩して、星が瞬きだしたら
撮影して、それから帰ります」と答えました。夜から天気が崩れだすのを知っていて、明朝の
撮影はあきらめていたので、今日はもうちょっとがんばろうと思っていたんですね。さすがに
「そこまでは付き合えない」と彼女は今度こそ本当にお帰りになりました。
それから少し時間をおいて星を写していたら、今度は二人組とソロの計三名(男性)が近くで撮り始めました。
地元の方々が、仕事を終えてからやってきたといった感じです。彼らの狙いは、やはり赤熱現象みたいで、
その頃活動は小康状態でしたが、それでも一度激しく光り、二人組はうまく写せたのか、満足して
立ち去り、雲が多くなってきたのを見計らい、私もここが潮時と帰路に着きました。もうお一方は、まだまだ
撮影を続ける気配でした。
(もっと長編になりそうなので省略していますが、このほかにも数名の方が私にカランできました。
三脚を立て、ほとんど同じ場所を動かず、じっと突っ立ってただけなのに、面白いねえ。こちらから
一生懸命追っかけても逃げていくもの、逆に呼び寄せたつもりはないのに集まる人々。人生ままならず。
ひとつだけはっきり言えるのは、すべての世界、宇宙が、私を中心に回っているということ。おとん天動説。)
まあこのあたりの気軽さというか、仕事の前・中・後の短時間でも準備して撮影に挑めるのも、
デジタルならではの利便性向上の賜物ではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。
この日も未明や日が暮れてからの撮影は夜間撮影となり、フィルム時代はある程度の技術力と
機材がなければ写しづらい条件で、それがない方は写そうとも思わなかったはずです。
もちろん私もデジタルの恩恵にこうむっているひとりで、技術はまったくないのに、カメラの性能
だけを頼りに、アナログではしなかった夜間撮影を楽しむことができているんですからね。
フィルム時代は、お金も手間も時間もかかる、ある種特権階級だけの「高尚な趣味」であった
写真が、垣根が低くなり、プロとアマチュアとの境が曖昧になったのかもしれません。
誰でもハイレベルな撮影ができ、同じものが記録媒体に定着するのだとしたら、これからはむしろ、
現像技術、レタッチ力が作品のよしあしの差となるのかもしれません。悲しいかな、パソコン音痴の
私などは、現像に手こずり、その点苦労が絶えません。
こういう時代に風景写真と真正面から向き合うのは容易でないと覚悟して、写真はブレても
立ち位置はブレることなく、しばらく撮影旅行を続けてみます。
(さんざ引っ張って、最後はこんな予定調和なオチしか用意できなかったのかよ。毎度ボヤキ話に
長々お付き合いありがとうございました。ところがどっこい、さらに番外編につづく)
昨日この時期としてはかなりまとまった雨量となった和歌山市、天気が回復した今日は、
一転真冬の寒さが戻り、北寄りの冷たい風が強く吹きました。午後には時雨れ、雪も舞いました。
この冬最後のなごりの雪なのか…
先日蒔いておいたラディシュが発芽し始めました。同時に今日、二つのカゴにコマツナの種を
蒔きました。
ヒヤシンスが咲き始めました。元々三つだった株が六つに増えているようです。
冬から春にかけて次々に咲き続ける椿。野外のものは風雨に打たれ花の痛みが目立つけど、
この花は比較的きれいな姿を保っていました。
花数を増やすスイセン。うつむきかげんに咲くので、強い雨が当たりにくいのか、
花粉もきれいに残っています。