広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

救急車のサイレン

2011-07-12 23:59:59 | 秋田のいろいろ
※パソコンの調子が悪いので、画像なしの記事です。

秋田市中心部を歩いていると、救急車のサイレンが聞こえてきた。
「ピーポーピーポー」というおなじみの音だけど、聞き慣れたものとは微妙に違う。なんというか音が割れているというかこもっているというか、「作った音」みたいな感じ(←作ってないサイレンってナンダ?)。
また、交差点進入時は「ウー」というサイレンと「交差点に進入します。ご注意ください」とかいう自動音声も流れていた。

これは秋田市消防本部の救急車ではないなと思ったら、案の定、やって来たのは男鹿地区消防一部事務組合(男鹿市、大潟村、潟上市のうち旧天王町地区が管轄)の救急車だった。


各自治体の方針や装置のメーカーによって、同じ「ピーポー」でも音が微妙に違うのだろう。
昭和の頃から、秋田市外から秋田市内にやってくる救急車はサイレンの音が違っており、うちの婆さまも「あれ。田舎の救急車でねが?」と聞き分けができていた。

交差点などで鳴らす音や音声もいろいろで、秋田市の場合、ここ十数年ほどの間に、
隊員の肉声によるアナウンス → 「ウー」 → 自動音声の「救急車が通ります。進路を譲ってください」「右/左を走行します」 などと変遷があった。
現在は、交差点でも音声は流さずに「ひゅんひゅんひゅん」という、アメリカのパトカー(?)みたいなサイレンが鳴る車両もあるが、これは救急車側の意志が周囲の車両や人に伝わりにくい気がする。救急車がどちらへ進もうとしていて、周りの車(や人)にどうしてほしいのか、はっきり伝達した方がいいのではないかと、僕は思う。
【9月11日追記】現在の秋田市の救急車でも、「ウー」音が鳴る車両(「救急車が通ります。進路を~」の音声も流れる)があった。また、「ひゅんひゅんひゅん」の車両でも、同時に自動音声も流れていたが、音声の音量が低い気がする。
緊急車両最優先なのは言うまでもないが、ぼーっとしている運転者や緊急車両通過時の対応を知らない運転者も少なくないのが実情なのだから。男鹿の救急車も大きな交差点で右折する際、数台の車によって“妨害”されていた。

救急隊員は安全運転や患者の処置が最優先だろうから、複雑な放送機器の操作やアナウンスまでさせたくないという考えなのかもしれないが、例えば、肉声で「市役所側から山王十字路を右折します」「白い車、右へ寄ってください。歩行者の方もその場でお待ちください」とか、具体的に意思表示や指示をしてくれれば、より安全により確実によりスムーズに救急搬送できるようにも思う。



ところで、秋田市では、救急車を呼んだのに消防車が来ることがある
通報した人にしてみれば、何かの間違いじゃないかとあわてるし、近所の人にしてみれば、消防車が来たのだから火事ではないかとあわてさせられる。

これは秋田市では、119番通報段階で患者の意識がない場合、同時に消防車も出動することになっているため。
救急車よりも消防車の台数が多いため、消防車のみが配置されている消防署(出張所)も少なくない。
一刻を争う意識のない患者の場合、救急車出動と同時に、現場により近い出張所などに配置されている、蘇生措置などができる消防隊員が消防車に乗って駆けつけるという仕組み。(「救急隊応援事案」と言うらしい。「救急隊応援救助事案」だったかな)消防車だから「ウー」というサイレンを鳴らしてやって来る。
何度かそうした出動を見たことがあるが、たしかに救急車より消防車が先に到着するケースが多く、実際にそのおかげで助かった人もいるから、効果はあると言えよう。

ただ、やって来るのは消防車だから、大きな車(ポンプ車が多いようで、さすがにはしご車などは出動しないようだ)。狭い道などでは通行の妨げになってしまう場合もあるかもしれない。
万一、救急隊応援の出動中に、後から火災での出動指令があった場合に備えて、車両と隊員を効率的に動かすためなのだろうが、ちょっと非効率的に思えなくもない。

そしてやはり、火事なのではないかと、びっくりさせられてしまう。(やはり人命最優先ではあるが)
実は、この点は、音で区別することができる。
秋田市では火災で出動する場合は「ウー」というサイレンと「カランカラン」という鐘の音(がスピーカーから)が流れ、それ以外で出動する場合は「ウー」のみとしている。
※昔(20年以上前?)は、火事が消えて消防車が帰ってくる際、「カランカラン」という音だけを流していたが、その音を流用していると思われる。

意識のない患者がいる場合は「ウー」というサイレンでやって来るわけで、火事と違って何台も出動することもないので、それらの点によってある程度区別することができる。
ただし、交通事故の救助、河川での災害や事故、強風で屋根が飛ばされたなどの場合も「ウー」のサイレンで出動しているようなので、完璧に識別できるわけではない。

秋田市以外の消防でも、同様に音で出動目的を区別している所があるようだ。秋田市消防本部では、このことを「火災出動は『ウーウーカンカン』です」として、いちおう告知しているが、市民にはあまり浸透していない。


【10月31日追記】毎日新聞(ウェブ)で、この「消防車が救急出動すること」について全国的な状況が記事になった。
まず、このような態勢を「PA連携」と呼ぶそうだ。ポンプ車(Pumper)、救急車(Ambulance)の頭文字から。
東京消防庁のサイトによれば、東京都では「ファイヤ・クイック・エイド」という愛称がある。

毎日の記事によれば、「PA連携は95年の阪神大震災後、神戸市が試行したのが始まり。」「各地の自治体に広がり、09年時点で約6割の消防本部が実施している。」
ただし、一部の県では、実施できていないという。火事の時に緊急走行する消防車が、救急出動において緊急走行するのは「消防車の目的外使用で道路交通法違反」と公安委員会に指摘されるそうだ。松山市や高知市では、実施したいが公安委員会に反対され見送った経緯があるとのこと。
警察庁は「許されると解している。」との見解だという。ずいぶん頭の固い県警(公安委員会)もあるものだ。
コメント (2)
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