広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

勝平神社地口絵灯籠祭

2012-05-13 21:24:33 | 秋田の季節・風景
秋田市中心部の保戸野鉄砲町(ほどのてっぽうまち)に「勝平神社(かつひらじんじゃ)」がある。
当ブログの最近の記事でおなじみの秋田市西部「勝平」地区とはやや距離があるが、元はその勝平地区の勝平山にあった神社らしい。起源は大同年間(806~810年)までさかのぼり、勝平山→川尻→八橋と場所を転々とし、1887(明治20)年に現在地へ落ち着いたとのこと。(参考:三皇熊野神社ホームページ)
現在は、茨島と牛島にある三皇熊野神社の「奉仕神社」の1つという扱いになっているのだが、要は三皇神社が“管理運営を受託している”ってことなんだろうか?
なお、今も勝平山や新屋地区にも「勝平神社」が存在する。

勝平神社といえば、5月12日から13日に行われる「地口絵灯籠祭(じぐちえどうろうまつり)」が有名。
風刺を利かせた駄洒落のような言葉遊びを絵灯籠にして、展示するのがメインイベント。
2月に静岡県三島市の商店街でも行われていたように、各地に同種の祭りがあるようだが、秋田では他には知らない。

星辻神社のだるま祭りではないが、ここも例年雨に当たることが多いような気がする。今年も12日は雨だったが、今日13日は晴れのち曇り。そんなわけで、初めて見に行ってみた。
神社は、保戸野地区の南西端に位置し、新国道や秋田中央郵便局のそば。
秋田中央郵便局前
上の写真のように、郵便局の前にしめ縄が張られていた。
ほかにも、郵便局裏の秋田市保戸野保育所、さらにはお寺の前(昔路面電車の停留所があった付近)にまでしめ縄があり、町内あげてのお祭りという感じ。

勝平神社は大きな神社ではない。
参道は途中で公道によって分断されている。中央郵便局側などからは参道を通らずに公道から社殿・社務所前にたどり着くことができる。
鳥居が立つ参道の入口は、通町~旧国道の道(路線バス将軍野線の通り)に面しているものの、見落としてしまうかもしれない。
参道は狭く、両隣に住宅が並ぶ

鳥居をくぐって振り返る。昔話の一場面の絵灯籠は毎年設置されるのだろうか
宵祭が12日18時から、例大祭が13日16時からで、「神楽浦安の舞その他」が行われるようだ。12日の夜は出店も出るんだっけ?
訪れた時はなぜか十文字の道の駅がテントで出張販売していたほかは、絵灯籠の展示のみ。それでも何人もの人が灯籠を眺めていた。
【5月30日補足】道の駅十文字では、県内各地や仙台、東京で産直の出張販売を行なっているとのこと。秋田市の三皇熊野神社里宮(牛島東の新屋敷小路のほう)では頻繁に行われているそうだ。三皇熊野神社と勝平神社は上記のように関連があるので、そのつながりで来ていたのだろう。

絵灯籠は約300個とのことだが、一部は境内以外の町内各所にも設置されているので、全部を見るのは難しい。遠いところでは、上り山王二丁目バス停(昔サークルKがあったところ)そばにも1個発見。
夜は明かりが入って雰囲気が違うと思うけれど、昼間に見ても大丈夫。雨対策でビニール袋が被せられているのは見にくいけど仕方ない。

「保鉄子供会地口絵灯ろう」として、地元の小中学生が作ったものもあった。でも「バレー部がんばるぞ」とかそんなのだった。そういえば「保鉄」こと保戸野鉄砲町は竿燈まつりの参加町内としても有名。


社会風刺の地口絵灯籠は、町内の76歳の男性が1人で考案して作っている。
テーマは秋田の話題から国際情勢まで幅広く、それをさまざまな視点から限られた文字数と絵で表現するのは、とてもご苦労なことと思う。
勝手ながら、いくつか紹介します。
 まずは町内ネタ
「蓮住寺小路」とはこのすぐそばのお寺が並ぶ通り(かつての電車通り)からバス通りへ抜ける短くて狭い道のこと。写真では分かりにくいが、奥に元祖コンビニ「のとや」が正確に描かれている。
「ガソリンの~新国道」の中央郵便局の建物もリアル。

「百円の年寄り効果バスはやり」
70歳以上が100円で路線バスに乗れるようになり、バスが賑わっているということのようだ。
バスの行き先は「秋田駅前(新国道経由)」となっていて、大昔の市営バスみたいな書き方。バス停は「土崎」。
「鉄砲町」というバス停があるのは将軍野線だが、今は毎時1本に減らされたし、町内の東側を通る泉ハイタウン線は運行開始20年ほどしか経っていない路線。鉄砲町の人がバスを利用するとすれば、やっぱり新国道経由ということだろうか。
それにしても、僕から言わせてもらえば「減便で待たされたあげくぎゅうぎゅう詰め」「系統番号はいいけれど行き先が分かりにくい(←語呂が悪い)」「市営バスを引き受けたのならもっとちゃんとやれ(←単なる文句)」。やっぱり難しい。

「猪突猛進秋田出現」
秋田県では生息が未確認だったイノシシが、先日湯沢市で見つかったことを受けたもの。
 ホヅミ秋田市長とサタケ秋田県知事。作業服の色が違っていたり(たぶん実物に忠実)芸が細かい。何より顔がよく似てる
※「LED~町明り」は、今年度秋田市が各町内の防犯用街路灯をすべてLED化することがテーマ。全部LED化しても、電気代を考えると安上がりとのこと。【13日23時追記】考えてみれば、市長が作業服を着てヘルメットまでかぶる必要はないんじゃ…
 ハシモトさんと「永遠の総書記」&アナウンサー
他には「なでしこジャパン」、「さおり(由紀さん)」など。
見落としたのかもしれないが、ノダさんはじめ、国会議員の方々はお見かけしなかった。
公道の向こうにもう1つ鳥居。そして狛犬さんと社殿(手前上の5人はSMAP?。裏面は七福神)
※公道は時々車が通るので、ご注意を!

神社では、おそらく普段は売っていないおみくじなどが売られていた。
灯籠を見ただけでお参りもせずに帰ってしまう大人もいたのに、小学生の女の子3人組がやってきて、ちゃんとお参りしていたのに感心した。
灯籠制作者の方のご尽力で持っているようなお祭りであり、将来的にはどうなっていくのか気がかりだけど、楽しめた。


【6月2日追記】秋田市広報広聴課制作のテレビの市政広報番組で、灯籠制作者が紹介されていた。
制作するようになって今年で44年目。1月3日から祭り当日まで準備を行い、睡眠時間3時間で制作に当たる時もある。地元の他の住民たちとともに後継者の育成をしていて、必ず次世代へ伝えていくことができると確信している。
といったことが伝えられていた。

【2014年10月30日追記】2014年10月には「国民文化祭」に連動して、秋にも長期間開催された。
10月22日付秋田魁新報 秋田市地域面によれば、
280年の歴史があり、「一時途絶えたこともあるが、1965年ごろ、もともと絵を描くのが好きだった神尾さんが自宅軒先に1個だけ絵灯籠をつるしたところ、近所の評判に。以来再び盛んに」なった。
コメント (2)
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