秋田をはじめ全国各地で中心市街地の衰退を招いた大きな原因の1つが、店舗の郊外移転。
秋田市では、この20年ほどで大型総合スーパーや家電量販店が秋田駅周辺から、遠くの御所野地区や幹線道路沿いなどへ移転してしまった。
他の都市は分からないが、秋田市では「お菓子屋さんの郊外移転」もみられる。特にケーキ店。
※以下、店舗名はアルファベットのイニシャルで表記します。
例えば、1970年創業で、中通、山王、千秋など秋田市中央部を中心に店があった、パンとケーキの店「J」。
2006年に、広面地区のコンセプトの違う店「T&Y」を除く全店舗を閉店・統合して、御所野地区へ移転してしまった。【2023年5月25日追記・「T&Y」、もう書いてしまうが「多恵&要蔵」は1998年オープン。】
僕が物心ついた頃には、既に市民に認知されて人気のあった店であり、家だけでなく小学校の行事でここのケーキを食べたこともあった。ここの店名をそのまま名乗るケーキ(黄桃を挟んだイチゴショートをクリームでコーティングしたようなの?)があり、それが好きだった。
閉店・移転時には、慣れ親しんだ店がなくなってしまって残念だったのと同時に、それは「秋田市中央部からの撤退」を意味することでもあり、見切りをつけられたようにも感じ、複雑な心境だった。
それから5年以上経つが、僕はこのお店のケーキはたぶん1度も食べていない。(嫌って食べないのではなく、買ったりもらったりする機会がなくて)
それから、現在は秋田市中央部北端の住宅地、泉菅野付近(所在地は泉北かな)にある「BのM」。
当初は、大町の赤れんが郷土館のはす向かいにあった。おそらく昭和の末頃には既にあったかと思うが、「本場で修行してきたパティシエ(という言葉は当時なかったが)が開いた、ちょっと高級なケーキ店」の走りだったと思う。
泉へ移転したのは10年以上前だろうか。「郊外」というほど遠くはないが、やはり食べる機会は激減した。
JさんにしてもBのMさんにしても、それぞれのお考えがあって移転したのであり、それを責めるつもりはない。
市中央部の店舗では、駐車場の確保、家賃や地代、そもそもお客が少ないなど条件が厳しいこともあるだろうし、郊外だからできることもある。車社会の秋田では郊外に移転してもお客は来てくれるし、それだけの実力があるお店でもある。
その一方で、ケーキは食べたいけれど、わざわざ車に乗って買いに行くほどでもないという人もいる(僕がそうです)。そんな人には、気に入った店が遠くに行ってしまうのは寂しい。
そして間もなく、ケーキ屋さんがまた1つ、秋田市中央部から移転する。
保戸野みその通りにある「K(英訳するとP)」。5月14日で創業15周年だそうだ。
そのお店が5月末で閉店し、数か月後に河辺地区(旧河辺町)にオープンするという。(コカ・コーラの工場の辺り?)
僕は時々、ここのケーキをもらうことがあって、おいしいと感じていたが、もう食べることはなくなるだろう。
車を持たない一人暮らしの70代のとある女性も、店がなくなるのを惜しみ、最後のKのケーキを買って食べたそうだ。
現地周辺は、通町に出ればいくつも老舗のお菓子屋さんがあり、それぞれ得意のおいしい商品があるが、ケーキ(洋菓子)専業店となると他にはない。
大した問題ではないけれど、「買い物難民」ならぬ「ケーキ難民」といったところでしょうか。
そういえば、ちょうど今日の秋田魁新報の秋田市地域面「どっこいマチナカ人技心」に新国道の中央郵便局向かいのお菓子屋さん「デュプレいしい」が出ていた。クリームを使ったお菓子がおいしいイメージ。
1900年創業で、現在地に移転したのは1970年代後半だという。昔は和菓子もやっていたとか。
それ以前は、大町(星辻神社の通り?)に「石井パン屋」の名前で店を構えており、年配の人は今でもそう呼ぶ人がいる。
大町から新国道は1キロくらいしか離れておらず、今ならどうってことない距離。
でも、1970年代当時に新国道に店を移すというのは、今の時代なら御所野とか河辺に移転するような覚悟が必要だったのかもしれない。
新聞記事によれば代替わりや商品構成を変えるなどの努力があったそうだが、結果的には、移転して成功だったのかもしれない。
(デュプレいしいさんの今の店は、駐車場があまり大きくなく、新国道がややカーブしているバス停の前にある。そのため、車での出入りには若干注意を要し、休日などはわざわざ誘導員を配置しているのが、大変そう。)
秋田市郊外へ移転した/するケーキ屋さんたちの今後はいかに。
【2013年1月16日追記】河辺へ移転した「K」跡は、若干改装の上、2012年10月に新たなケーキ屋がオープンした。
秋田県産食材を使ったカフェや惣菜店と同じ経営者による(ズバリ言えば「米カフェ」系列)店。
【2015年2月15日追記】↑この米カフェ系ケーキ屋「パティスリーマリアージュミユキ」は、2015年2月22日で閉店。
3月中旬から、米カフェ(この間に向かい側に移転して「レストランルセット」)の中で「オーダーデコレーションケーキ&カフェとしてリニューアルオープン」するとのこと。(2月15日折込チラシより)
米カフェ系の統廃合が慌ただしいと思うととともに、わずか2年で再び空き店舗が生じることになる。
【2018年11月24日追記】上記「K」は移転後も順調なようで、2018年11月24日付の秋田魁新報で紹介された。
店主は角館出身、東京で修行後、1997年にKを開店。その名は、東京時代に「店長として働いていた自由が丘のケーキ店から引き継いだ」とのこと。「引き継いだ」ってことは、(雇われ店長で)自由が丘の店からのれん分けしたのでなく、(店長兼オーナーで)自由が丘をやめて秋田へ実質移転したということ?
秋田市では、この20年ほどで大型総合スーパーや家電量販店が秋田駅周辺から、遠くの御所野地区や幹線道路沿いなどへ移転してしまった。
他の都市は分からないが、秋田市では「お菓子屋さんの郊外移転」もみられる。特にケーキ店。
※以下、店舗名はアルファベットのイニシャルで表記します。
例えば、1970年創業で、中通、山王、千秋など秋田市中央部を中心に店があった、パンとケーキの店「J」。
2006年に、広面地区のコンセプトの違う店「T&Y」を除く全店舗を閉店・統合して、御所野地区へ移転してしまった。【2023年5月25日追記・「T&Y」、もう書いてしまうが「多恵&要蔵」は1998年オープン。】
僕が物心ついた頃には、既に市民に認知されて人気のあった店であり、家だけでなく小学校の行事でここのケーキを食べたこともあった。ここの店名をそのまま名乗るケーキ(黄桃を挟んだイチゴショートをクリームでコーティングしたようなの?)があり、それが好きだった。
閉店・移転時には、慣れ親しんだ店がなくなってしまって残念だったのと同時に、それは「秋田市中央部からの撤退」を意味することでもあり、見切りをつけられたようにも感じ、複雑な心境だった。
それから5年以上経つが、僕はこのお店のケーキはたぶん1度も食べていない。(嫌って食べないのではなく、買ったりもらったりする機会がなくて)
それから、現在は秋田市中央部北端の住宅地、泉菅野付近(所在地は泉北かな)にある「BのM」。
当初は、大町の赤れんが郷土館のはす向かいにあった。おそらく昭和の末頃には既にあったかと思うが、「本場で修行してきたパティシエ(という言葉は当時なかったが)が開いた、ちょっと高級なケーキ店」の走りだったと思う。
泉へ移転したのは10年以上前だろうか。「郊外」というほど遠くはないが、やはり食べる機会は激減した。
JさんにしてもBのMさんにしても、それぞれのお考えがあって移転したのであり、それを責めるつもりはない。
市中央部の店舗では、駐車場の確保、家賃や地代、そもそもお客が少ないなど条件が厳しいこともあるだろうし、郊外だからできることもある。車社会の秋田では郊外に移転してもお客は来てくれるし、それだけの実力があるお店でもある。
その一方で、ケーキは食べたいけれど、わざわざ車に乗って買いに行くほどでもないという人もいる(僕がそうです)。そんな人には、気に入った店が遠くに行ってしまうのは寂しい。
そして間もなく、ケーキ屋さんがまた1つ、秋田市中央部から移転する。
保戸野みその通りにある「K(英訳するとP)」。5月14日で創業15周年だそうだ。
そのお店が5月末で閉店し、数か月後に河辺地区(旧河辺町)にオープンするという。(コカ・コーラの工場の辺り?)
僕は時々、ここのケーキをもらうことがあって、おいしいと感じていたが、もう食べることはなくなるだろう。
車を持たない一人暮らしの70代のとある女性も、店がなくなるのを惜しみ、最後のKのケーキを買って食べたそうだ。
現地周辺は、通町に出ればいくつも老舗のお菓子屋さんがあり、それぞれ得意のおいしい商品があるが、ケーキ(洋菓子)専業店となると他にはない。
大した問題ではないけれど、「買い物難民」ならぬ「ケーキ難民」といったところでしょうか。
そういえば、ちょうど今日の秋田魁新報の秋田市地域面「どっこいマチナカ人技心」に新国道の中央郵便局向かいのお菓子屋さん「デュプレいしい」が出ていた。クリームを使ったお菓子がおいしいイメージ。
1900年創業で、現在地に移転したのは1970年代後半だという。昔は和菓子もやっていたとか。
それ以前は、大町(星辻神社の通り?)に「石井パン屋」の名前で店を構えており、年配の人は今でもそう呼ぶ人がいる。
大町から新国道は1キロくらいしか離れておらず、今ならどうってことない距離。
でも、1970年代当時に新国道に店を移すというのは、今の時代なら御所野とか河辺に移転するような覚悟が必要だったのかもしれない。
新聞記事によれば代替わりや商品構成を変えるなどの努力があったそうだが、結果的には、移転して成功だったのかもしれない。
(デュプレいしいさんの今の店は、駐車場があまり大きくなく、新国道がややカーブしているバス停の前にある。そのため、車での出入りには若干注意を要し、休日などはわざわざ誘導員を配置しているのが、大変そう。)
秋田市郊外へ移転した/するケーキ屋さんたちの今後はいかに。
【2013年1月16日追記】河辺へ移転した「K」跡は、若干改装の上、2012年10月に新たなケーキ屋がオープンした。
秋田県産食材を使ったカフェや惣菜店と同じ経営者による(ズバリ言えば「米カフェ」系列)店。
【2015年2月15日追記】↑この米カフェ系ケーキ屋「パティスリーマリアージュミユキ」は、2015年2月22日で閉店。
3月中旬から、米カフェ(この間に向かい側に移転して「レストランルセット」)の中で「オーダーデコレーションケーキ&カフェとしてリニューアルオープン」するとのこと。(2月15日折込チラシより)
米カフェ系の統廃合が慌ただしいと思うととともに、わずか2年で再び空き店舗が生じることになる。
【2018年11月24日追記】上記「K」は移転後も順調なようで、2018年11月24日付の秋田魁新報で紹介された。
店主は角館出身、東京で修行後、1997年にKを開店。その名は、東京時代に「店長として働いていた自由が丘のケーキ店から引き継いだ」とのこと。「引き継いだ」ってことは、(雇われ店長で)自由が丘の店からのれん分けしたのでなく、(店長兼オーナーで)自由が丘をやめて秋田へ実質移転したということ?