広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

マロニエ?

2012-05-18 20:58:53 | 動物・植物
冒頭の写真、何の花でしょう?
秋田を含む日本の林に自生(千秋公園にもあります)する「トチノキ」に葉や花の形がそっくり。(トチノキよりも葉の淵のギザギザが若干目立つ感じがする)
でも、花の色はトチノキは白なのに、これは鮮やかなピンク。

僕は見かけた時、トチノキの近縁種で日本に自生しない「セイヨウトチノキ」、フランス語で言うところの「マロニエ」かと思った。
しかし、調べたらセイヨウトチノキの花は、白いそうだ。

トチノキの仲間で赤系統の色の花が咲く種には、アメリカ原産の「アカバナトチノキ」がある。これはサルビアの花のような真っ赤な花が咲く。
それから、セイヨウトチノキとアカバナトチノキとをかけ合わせて(正確にはもうちょっと複雑に交配されたらしい)できた「ベニバナトチノキ」という種もあった。ベニバナトチノキは花の色はピンクで、日本で街路樹として植えられることがあり、「マロニエ」と通称されることもあるそうだ。
したがって、冒頭の写真の木は「ベニバナトチノキ」だと考えられる。
※「アカバナトチノキ」と「ベニバナトチノキ」を混同している場合もあるようだし、実際のところ花の色を見ないと区別できないと思う。
【19日補足】マロニエ(marronnier)はセイヨウトチノキのフランスでの呼び名。フランス(やヨーロッパ諸国)にはアカバナトチノキは自生しないはずだし、ベニバナトチノキはそれを元にした園芸品種。したがって、アカバナトチノキやベニバナトチノキを指して「マロニエ」と呼ぶのは厳密には適切ではないと思われる。


僕はベニバナトチノキの花を初めて見たわけだが、これが意外に身近な場所に植えられていたのだった。
それは、秋田市大町のかつての秋田魁新報社本社跡地にできた商業施設「サン・パティオ大町」。
再掲)秋のサンパティオ大町(道路の左側)

サンパティオは、中庭を囲むように店が並んでいる。道路から中庭に通じる通路に、1本だけベニバナトチノキがあった。
 逆光と影で写りが悪いですが道路側からと中庭側から
つまり、サンパティオの中に入らなくても、前の道路を通るだけで、一瞬とはいえ視界に入るはず。
サンパティオは今年で開業15周年だそうだ。僕は、15年間ずっとほぼ週に1度以上はここを通っているが、今までまったく気づかなかった!

15年の間に建物2階の高さまで生長し、前が緩い下り坂なこともあり、見上げないと花は見られない。
たくさんの花が着いている
日本のトチノキは表面がざらざらした実がなるが、セイヨウトチノキは表面に突起(とげ)のある実がなる。
では、ベニバナトチノキはどうかというと、「日本のトチノキのような実がなる」という情報もあるし、「交雑種なので結実しにくい」という情報もある。
サンパティオのベニバナトチノキの今後の生育を要観察です。

※サン・パティオ大町前は歩道がなく、路上駐車や駐車場から出入りする車がある場所です。また、足元に段差や傾斜もあります。ベニバナトチノキを見る時は、周囲にご注意を!

※晴天時に撮影したベニバナトチノキはこちら
※在来のトチノキについてはこちら
※翌年のベニバナトチノキやサンパティオの別の木については、この記事後半
秋田市内にベニバナトチノキの並木道があった
コメント (2)
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