秋田市内にある、歩行者用が道路を横断するための地下道について。正式には「地下横断歩道」と呼ぶらしい。
秋田市にある歩行者用地下道といえば、昔は秋田駅前(西口)の今のぽぽろーどの下にあったのも代表的だったし、茨島交差点の大規模な「バラロード」もインパクトがあるけれど、ここは歴史・まとまった数・通行者数からすれば竿燈大通りの地下道たちでしょう。
(再掲)大町東地下道
1971年(当時は山王大通りの一部だった)に、「H(変則的な形のもある)」型4か所(大町東・大町西・旭北寺町・山王の各地下橋)、「I」型の二丁目橋地下橋の計5つが造られた。
当時のここは、歩行者が道路上を横断することが禁止(自転車専用信号機・横断帯のみだった)されていて、地下道は不可欠な存在だった。
老朽化や汚れに伴い、1995年の竿燈まつり直前に地上の出入口や内部のリニューアルが行われて現在の姿になり、それと前後して自転車横断帯の一部が歩行者も渡れるものに変えられた。2007年の秋田中央道路の地下トンネル開通に伴い、H型の1つ「旭北寺町地下道」が廃止(トンネル避難口に転用)された。
(再掲)内部
現在は同じ交差点で地上の横断と地下道での横断の両方ができる地点もあり、多少信号待ちがあっても地上を渡る人が多い。昔ほど、地下道は重要でなくなっている。
地下道出入口が歩道を狭めていて自転車とぶつかりそうな場所もあるし、漏水(?)も発生している。酔っぱらいなどによって汚されることもあるし、さらに、千秋トンネルなんかよりよっぽど幽霊が出るんじゃないかと思えてしまうような痛ましいことが、内部や周辺で何度か発生してしまっている。
※この記事後半も参照
上の地上部と内部の写真はリニューアル後の姿なわけですが、1995年以前はもっと古臭いものだった。
2月ほど前、大町東地下道を通ると、
右側に何か落ちている?
壁が剥がれていた!(工事のため剥がしていた?)
剥がれたところを覗くと…
これって!!
クリーム色の細かい正方形のタイル。これは、リニューアル前の地下道の壁だ。
つまり、以前の壁はそのままで、そこに新しい壁を貼りつけたのだった。
リニューアル前と比べて、内部はきゅうくつになった感じがしていたが、実際にわずかながら以前より狭くなっていたのだ。
地上の出入口部分はまったく別物に建て直したので、以前の面影はない。
※この後の竿燈大通りの地下道関連(タイルや横断可能箇所)についてはこちら
【2014年10月22日追記】
産経新聞によれば、2014年10月17日、この地下道(のどれか)で、壁面下部のパネルのすき間に子猫が挟まっているのが発見された。
秋田中央警察署の署員5名が1時間かけて救出し、ネコは第一発見者の知人が引き取ったとのこと。
ほのぼのとした話題ではあるが、地下道の構造や管理体制の不備が招いた事態と言えなくもない。(以上追記)
ところが、竿燈大通りの地下道のリニューアル前の雰囲気を、内外ともほぼそのまま今に残す地下道が、比較的近くに現存する。
楢山登町の県道28号線(通称「南有楽町通り」)の「刈穂橋東」交差点にある、「登町地下道」。かつてはここに「いとく」があった。
近隣には地下道が一切ない“孤高の存在”であるためか、リニューアルされずにいる。
「H」型。やはり現在は地上も横断できるようになった
出入口。竿燈大通りも昔はこんな感じだったはず
地上部はコンクリートが汚れているし、地震でもあったら若干不安な気もする。
竿燈大通りもこんな表示だったっけ?
いざ中へ
竿燈大通りのより、やや「深い」のか、天井の高さや通路幅などのスケール感が竿燈大通りのとは違うし、タイルの色はピンク~肌色がかっている。
でも、中の雰囲気は以前の竿燈大通りのによく似ていると思う。
階段を下りてから道路横断部へのアプローチ(=「H」の縦棒)が長い箇所もある
道路横断部分は幅が広い
竿燈大通りより通行者数が少なく、酔っぱらいなどマナーの悪い人はいないためか、内部は古いけれどまあまあきれい。
「火災報知機 消火栓連動」とある非常ボタンがあるけど、作動するのかな。竿燈大通りのにはない
秋田市内にある、このほかの地下横断歩道は、牛島~仁井田の国道13号線や四ツ小屋の空港道路のが思い浮かぶ。これらは、昭和50年代にできたもので、外観は茶色系統で、階段の傾斜が緩く(途中で向きが変わるのが多い)・自転車用スロープがあり、時代の変化を感じさせる。
それと同じ設計思想なのが、秋田駅からいちばん近い地下道であろう「千秋地下道」。
(再掲)千秋トンネルを背にして。奥左が手形陸橋
千秋トンネル通り(市道)が県道28号線(脳研・手形陸橋の通り)にぶつかる丁字路交差点「千秋城下町」にある。
出入口は「H」型に配置されているものの、千秋トンネル側にしかないので、市道を横断することしかできない。(その市道には地上の横断歩道がない)県道を渡るには以前から信号機がある。
2010年には秋田市によって冠水警報装置が設置されている。
奥が千秋トンネル
昭和50年代らしいデザイン
この地下道も、カーブのある歩道を塞ぐように出入口が設置されているので歩道は狭くて見通しが悪く、さらに冬は近隣の屋根からの落雪で雪山ができてしまう箇所がある。
ほかに、以前は千秋トンネルから県道へ右左折(特に手形陸橋へ左折)する車から見ると、地下道出入口によって遮られて、県道の横断歩道を横断する歩行者に気づきにくい欠点があった。この点は、手形陸橋側の出入口の車道側の壁を透明板に替えて見通しを良くしたことと、信号機を歩車分離式にして、車の右左折と歩行者の横断を同時にできなくすることでおおむね解決できているようだ。
※ただし、右左折車側の青→歩行者の青というサイクルのため、右左折車が黄~赤信号で無理に突っ込んでくれば、歩行者が危険な状況にさらされることになる。横断する人は充分に注意するとともに、運転者には法を守った自覚ある運転をしていただきたい。
透明板化に伴い「千秋地下道」の表示も違うものになった
そんな千秋地下道だが、今年度後半(一説には今年12月?)から撤去されるという。
既に近隣・周辺の町内会などには伝えられているらしいし、(秋田市ではなく)県が撤去に関する業務の入札を行なっている。
交差点が歩車分離信号になったこともあり、地下道をなくして市道側にも横断歩道を設けたほうが合理的だ。県道の拡張工事の計画(拡幅用地は地下道と反対側に取られているけれど)とも関連するようだ。
かつては「交通戦争」対策として、歩行者が空中の歩道橋や地下道に追いやられた。
次にバリアフリー対策や老朽化で、歩道橋の撤去がだいぶ進んだが、それが地下道にも及びつつあるということだろうか。歩行者が歩きやすい道・街になってほしい。
【2014年1月17日追記】その後、撤去工事の入札は行われた模様(結果は不明)。しかし、2014年1月17日現在では、工事が始まる気配はない。
【2014年3月28日追記】年度末になっても、地下道はそのまま。
【2014年4月7日追記】2014年度になって早々、改めて撤去工事の入札が公告された。
※2014年6月2日から工事が始まることになった。
【2014年6月5日追記】撤去の報道によれば、この地下道は1978年の市道開通時に県が設置したものとのこと。維持管理(冠水警報装置設置や清掃作業)は、秋田市が行っていた。
※秋田市内の別の地下横断歩道。
秋田市にある歩行者用地下道といえば、昔は秋田駅前(西口)の今のぽぽろーどの下にあったのも代表的だったし、茨島交差点の大規模な「バラロード」もインパクトがあるけれど、ここは歴史・まとまった数・通行者数からすれば竿燈大通りの地下道たちでしょう。
(再掲)大町東地下道
1971年(当時は山王大通りの一部だった)に、「H(変則的な形のもある)」型4か所(大町東・大町西・旭北寺町・山王の各地下橋)、「I」型の二丁目橋地下橋の計5つが造られた。
当時のここは、歩行者が道路上を横断することが禁止(自転車専用信号機・横断帯のみだった)されていて、地下道は不可欠な存在だった。
老朽化や汚れに伴い、1995年の竿燈まつり直前に地上の出入口や内部のリニューアルが行われて現在の姿になり、それと前後して自転車横断帯の一部が歩行者も渡れるものに変えられた。2007年の秋田中央道路の地下トンネル開通に伴い、H型の1つ「旭北寺町地下道」が廃止(トンネル避難口に転用)された。
(再掲)内部
現在は同じ交差点で地上の横断と地下道での横断の両方ができる地点もあり、多少信号待ちがあっても地上を渡る人が多い。昔ほど、地下道は重要でなくなっている。
地下道出入口が歩道を狭めていて自転車とぶつかりそうな場所もあるし、漏水(?)も発生している。酔っぱらいなどによって汚されることもあるし、さらに、千秋トンネルなんかよりよっぽど幽霊が出るんじゃないかと思えてしまうような痛ましいことが、内部や周辺で何度か発生してしまっている。
※この記事後半も参照
上の地上部と内部の写真はリニューアル後の姿なわけですが、1995年以前はもっと古臭いものだった。
2月ほど前、大町東地下道を通ると、
右側に何か落ちている?
壁が剥がれていた!(工事のため剥がしていた?)
剥がれたところを覗くと…
これって!!
クリーム色の細かい正方形のタイル。これは、リニューアル前の地下道の壁だ。
つまり、以前の壁はそのままで、そこに新しい壁を貼りつけたのだった。
リニューアル前と比べて、内部はきゅうくつになった感じがしていたが、実際にわずかながら以前より狭くなっていたのだ。
地上の出入口部分はまったく別物に建て直したので、以前の面影はない。
※この後の竿燈大通りの地下道関連(タイルや横断可能箇所)についてはこちら
【2014年10月22日追記】
産経新聞によれば、2014年10月17日、この地下道(のどれか)で、壁面下部のパネルのすき間に子猫が挟まっているのが発見された。
秋田中央警察署の署員5名が1時間かけて救出し、ネコは第一発見者の知人が引き取ったとのこと。
ほのぼのとした話題ではあるが、地下道の構造や管理体制の不備が招いた事態と言えなくもない。(以上追記)
ところが、竿燈大通りの地下道のリニューアル前の雰囲気を、内外ともほぼそのまま今に残す地下道が、比較的近くに現存する。
楢山登町の県道28号線(通称「南有楽町通り」)の「刈穂橋東」交差点にある、「登町地下道」。かつてはここに「いとく」があった。
近隣には地下道が一切ない“孤高の存在”であるためか、リニューアルされずにいる。
「H」型。やはり現在は地上も横断できるようになった
出入口。竿燈大通りも昔はこんな感じだったはず
地上部はコンクリートが汚れているし、地震でもあったら若干不安な気もする。
竿燈大通りもこんな表示だったっけ?
いざ中へ
竿燈大通りのより、やや「深い」のか、天井の高さや通路幅などのスケール感が竿燈大通りのとは違うし、タイルの色はピンク~肌色がかっている。
でも、中の雰囲気は以前の竿燈大通りのによく似ていると思う。
階段を下りてから道路横断部へのアプローチ(=「H」の縦棒)が長い箇所もある
道路横断部分は幅が広い
竿燈大通りより通行者数が少なく、酔っぱらいなどマナーの悪い人はいないためか、内部は古いけれどまあまあきれい。
「火災報知機 消火栓連動」とある非常ボタンがあるけど、作動するのかな。竿燈大通りのにはない
秋田市内にある、このほかの地下横断歩道は、牛島~仁井田の国道13号線や四ツ小屋の空港道路のが思い浮かぶ。これらは、昭和50年代にできたもので、外観は茶色系統で、階段の傾斜が緩く(途中で向きが変わるのが多い)・自転車用スロープがあり、時代の変化を感じさせる。
それと同じ設計思想なのが、秋田駅からいちばん近い地下道であろう「千秋地下道」。
(再掲)千秋トンネルを背にして。奥左が手形陸橋
千秋トンネル通り(市道)が県道28号線(脳研・手形陸橋の通り)にぶつかる丁字路交差点「千秋城下町」にある。
出入口は「H」型に配置されているものの、千秋トンネル側にしかないので、市道を横断することしかできない。(その市道には地上の横断歩道がない)県道を渡るには以前から信号機がある。
2010年には秋田市によって冠水警報装置が設置されている。
奥が千秋トンネル
昭和50年代らしいデザイン
この地下道も、カーブのある歩道を塞ぐように出入口が設置されているので歩道は狭くて見通しが悪く、さらに冬は近隣の屋根からの落雪で雪山ができてしまう箇所がある。
ほかに、以前は千秋トンネルから県道へ右左折(特に手形陸橋へ左折)する車から見ると、地下道出入口によって遮られて、県道の横断歩道を横断する歩行者に気づきにくい欠点があった。この点は、手形陸橋側の出入口の車道側の壁を透明板に替えて見通しを良くしたことと、信号機を歩車分離式にして、車の右左折と歩行者の横断を同時にできなくすることでおおむね解決できているようだ。
※ただし、右左折車側の青→歩行者の青というサイクルのため、右左折車が黄~赤信号で無理に突っ込んでくれば、歩行者が危険な状況にさらされることになる。横断する人は充分に注意するとともに、運転者には法を守った自覚ある運転をしていただきたい。
透明板化に伴い「千秋地下道」の表示も違うものになった
そんな千秋地下道だが、今年度後半(一説には今年12月?)から撤去されるという。
既に近隣・周辺の町内会などには伝えられているらしいし、(秋田市ではなく)県が撤去に関する業務の入札を行なっている。
交差点が歩車分離信号になったこともあり、地下道をなくして市道側にも横断歩道を設けたほうが合理的だ。県道の拡張工事の計画(拡幅用地は地下道と反対側に取られているけれど)とも関連するようだ。
かつては「交通戦争」対策として、歩行者が空中の歩道橋や地下道に追いやられた。
次にバリアフリー対策や老朽化で、歩道橋の撤去がだいぶ進んだが、それが地下道にも及びつつあるということだろうか。歩行者が歩きやすい道・街になってほしい。
【2014年1月17日追記】その後、撤去工事の入札は行われた模様(結果は不明)。しかし、2014年1月17日現在では、工事が始まる気配はない。
【2014年3月28日追記】年度末になっても、地下道はそのまま。
【2014年4月7日追記】2014年度になって早々、改めて撤去工事の入札が公告された。
※2014年6月2日から工事が始まることになった。
【2014年6月5日追記】撤去の報道によれば、この地下道は1978年の市道開通時に県が設置したものとのこと。維持管理(冠水警報装置設置や清掃作業)は、秋田市が行っていた。
※秋田市内の別の地下横断歩道。