先週、ケーブルテレビでIBC岩手放送のローカルニュースを見ていたら、「山浦玄嗣(はるつぐ)さんにバチカン有功十字勲章(6月13日)」というのがあった。
岩手日報のサイトも参考にすれば、バチカン有功十字勲章は「聖職者ではないカトリック信徒に贈られる最高の栄誉。」で「記録のある1967年以降、日本人で25人目」。
勲章を受けた気仙沼市の医師である山浦氏(73歳)は「気仙地方の方言に誇りを持って研究し、聖書を(方言に)翻訳した功績や、医師として住民のために働き続けたことなどが評価された。」という。
僕は20年ほど前に、山浦氏の存在と、山浦氏が気仙沼方言を「ケセン語」として研究・普及していることをテレビ知って印象に残ったのだが、その後はお見かけすることはなかった。
一昨年、東日本大震災直後のテレビ(NHKだったか)で少し取り上げられていて久々に見て、そして今回改めて羽織袴姿で勲章を受ける山浦氏の姿を見ることができた。歳は重ねられたが、お元気そうだった。
さて、今回は、その山浦氏を知った昔のテレビ番組について。
かなり記憶があいまいで、ネット上の情報も少ないので、記憶違いも多いと思います。正しい情報をご存知でしたら、教えてください。
そのテレビ番組名は「週刊とうほくゼミナール」。※「とうほく」はひらがな表記が正式
平成初期=1990年代前半にNHK仙台放送局が制作し、東北6県で放送されていた。少なくとも1989(平成元年)6月には始まっていて、1995年にはまだ放送していた気がする。
総合テレビで週1回、金曜日か土曜日の19時~20時台に30分間の放送で、日曜朝に再放送していた。(途中で放送日が変わったかも)
ジャンルとしては教養番組。
番組を学校に見立て、「1時間目 国語」といったように校時と教科名で区切っていた。
各コマでは、VTRもしくはスタジオに専門家が登場し、その“教科”の東北地方に関係する講義をする。
その講師の1人が山浦氏だった。いつも気仙沼の漁港を背にして話をしていたと思う。
スタジオには一般の観覧客(年齢層は高めか)を入れていた。出演者は、司会に当たる「学級担任」とゲスト(番組内での呼び方は忘れた)の2人だけ。講義の前後に、担任とゲストで内容についてやり取りをした。
「学級担任」はNHK仙台放送局のアナウンサーが担当し、途中で交代したので少なくとも2名いた。後期は肥土貴美男(あくときみお)アナウンサー(後に青森局などへの異動を経て、現在は再び仙台局)だったはず。
最初の担任は川野一宇(かわのかずいえ)アナウンサー(仙台勤務は1987~1992年)か加治章(かじあきら)アナウンサーだった気がする。
スタジオゲストは、高橋克彦(作家・岩手県出身)、田部井淳子(登山家・福島県出身)、山谷初男(俳優・秋田県出身)の各氏などで、各教科の講師を兼ねることもあったかもしれない。井上ひさしや浅利香津代も出たかもしれない。
講師は山浦氏のほか、津軽三味線の高橋竹山氏のような著名な人から、秋田県立高校の日本史の先生(定年退職直後だったか【19日追記】当時まだ現役の方だったような気もする)のような人までさまざま。
番組のテーマ曲は、初期はビートルズの「When I'm Sixty-Four」の歌なし版=オリジナルによく似ていたが、主旋律も入っていたので単なるカラオケではないはず(なんでこの曲を選んだんだろ?)。後期は宮沢賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」を伴奏控えめ・男声独唱でゆっくりと歌うもの。各校時の最初には学校のチャイムのように短くアレンジしたメロディも流れた。
僕は熱心に見ていたわけではないが、ケセン語など東北にもいろんな文化があること、各ゲストや「星めぐりの歌」のことを初めて知り、印象に残る番組だった。番組がコーナー(教科)に分かれていて、飽きずに見られた。
そういえば、最近は「東北学」などと地域を多角的・総合的に研究する学問(地域学)が出ているが、番組の内容はその走りとも言える。それに番組を校時で区切るのは、1991年10月放送開始のフジテレビ「たけし・逸見の平成教育委員会」、番組内で授業を行うのは2004年開始の日本テレビ「世界一受けたい授業」に通じるものがある。NHKのローカル番組がそれらに先駆けていたとも言えよう。
当時と現在を比べると、「東北6県で放送する番組(ブロック番組)」は減っている。
現在、ニュースや震災関連番組を除いて定期放送されているのはNHK金曜夜の「クローズアップ東北」「東北Z」くらいではないだろうか。「硬い」内容で、30分以上の「長い」番組のイメージがあり、僕は見ない。
昔は、NHKでは「東北アワー」や「みちのく小さな旅→東北小さな旅(ウイークエンド東北内のコーナーでなく、独立した番組)」など、内容はバラエティに富んでいた。
民放でも、金曜夕方に「FNNとうほく金曜ニュース一番星(1992~1994年)」という情報番組があったし、テレビ朝日系の土曜正午の情報番組、秋田テレビからネットしていた「クボタ民謡お国めぐり」も最近終わってしまった。
特に秋田県民はその傾向にあると感じるのだが、仙台や東京しか眼中になく、他の東北各地には興味を持たない人が多い。だけど、大都市ではない隣県にこそ学ぶべきことが多いのではないだろうか。東日本大震災後の今、東北の中での各地の結びつきをもっと大事にする必要があり、目を向けるべきだと思う。
今こそ、ご近所の県と理解し合い協力していくためにも、「週刊とうほくゼミナール」のような気軽に見られる東北ブロックのテレビ番組があってもいいのではないだろうか。
岩手日報のサイトも参考にすれば、バチカン有功十字勲章は「聖職者ではないカトリック信徒に贈られる最高の栄誉。」で「記録のある1967年以降、日本人で25人目」。
勲章を受けた気仙沼市の医師である山浦氏(73歳)は「気仙地方の方言に誇りを持って研究し、聖書を(方言に)翻訳した功績や、医師として住民のために働き続けたことなどが評価された。」という。
僕は20年ほど前に、山浦氏の存在と、山浦氏が気仙沼方言を「ケセン語」として研究・普及していることをテレビ知って印象に残ったのだが、その後はお見かけすることはなかった。
一昨年、東日本大震災直後のテレビ(NHKだったか)で少し取り上げられていて久々に見て、そして今回改めて羽織袴姿で勲章を受ける山浦氏の姿を見ることができた。歳は重ねられたが、お元気そうだった。
さて、今回は、その山浦氏を知った昔のテレビ番組について。
かなり記憶があいまいで、ネット上の情報も少ないので、記憶違いも多いと思います。正しい情報をご存知でしたら、教えてください。
そのテレビ番組名は「週刊とうほくゼミナール」。※「とうほく」はひらがな表記が正式
平成初期=1990年代前半にNHK仙台放送局が制作し、東北6県で放送されていた。少なくとも1989(平成元年)6月には始まっていて、1995年にはまだ放送していた気がする。
総合テレビで週1回、金曜日か土曜日の19時~20時台に30分間の放送で、日曜朝に再放送していた。(途中で放送日が変わったかも)
ジャンルとしては教養番組。
番組を学校に見立て、「1時間目 国語」といったように校時と教科名で区切っていた。
各コマでは、VTRもしくはスタジオに専門家が登場し、その“教科”の東北地方に関係する講義をする。
その講師の1人が山浦氏だった。いつも気仙沼の漁港を背にして話をしていたと思う。
スタジオには一般の観覧客(年齢層は高めか)を入れていた。出演者は、司会に当たる「学級担任」とゲスト(番組内での呼び方は忘れた)の2人だけ。講義の前後に、担任とゲストで内容についてやり取りをした。
「学級担任」はNHK仙台放送局のアナウンサーが担当し、途中で交代したので少なくとも2名いた。後期は肥土貴美男(あくときみお)アナウンサー(後に青森局などへの異動を経て、現在は再び仙台局)だったはず。
最初の担任は川野一宇(かわのかずいえ)アナウンサー(仙台勤務は1987~1992年)か加治章(かじあきら)アナウンサーだった気がする。
スタジオゲストは、高橋克彦(作家・岩手県出身)、田部井淳子(登山家・福島県出身)、山谷初男(俳優・秋田県出身)の各氏などで、各教科の講師を兼ねることもあったかもしれない。井上ひさしや浅利香津代も出たかもしれない。
講師は山浦氏のほか、津軽三味線の高橋竹山氏のような著名な人から、秋田県立高校の日本史の先生(定年退職直後だったか【19日追記】当時まだ現役の方だったような気もする)のような人までさまざま。
番組のテーマ曲は、初期はビートルズの「When I'm Sixty-Four」の歌なし版=オリジナルによく似ていたが、主旋律も入っていたので単なるカラオケではないはず(なんでこの曲を選んだんだろ?)。後期は宮沢賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」を伴奏控えめ・男声独唱でゆっくりと歌うもの。各校時の最初には学校のチャイムのように短くアレンジしたメロディも流れた。
僕は熱心に見ていたわけではないが、ケセン語など東北にもいろんな文化があること、各ゲストや「星めぐりの歌」のことを初めて知り、印象に残る番組だった。番組がコーナー(教科)に分かれていて、飽きずに見られた。
そういえば、最近は「東北学」などと地域を多角的・総合的に研究する学問(地域学)が出ているが、番組の内容はその走りとも言える。それに番組を校時で区切るのは、1991年10月放送開始のフジテレビ「たけし・逸見の平成教育委員会」、番組内で授業を行うのは2004年開始の日本テレビ「世界一受けたい授業」に通じるものがある。NHKのローカル番組がそれらに先駆けていたとも言えよう。
当時と現在を比べると、「東北6県で放送する番組(ブロック番組)」は減っている。
現在、ニュースや震災関連番組を除いて定期放送されているのはNHK金曜夜の「クローズアップ東北」「東北Z」くらいではないだろうか。「硬い」内容で、30分以上の「長い」番組のイメージがあり、僕は見ない。
昔は、NHKでは「東北アワー」や「みちのく小さな旅→東北小さな旅(ウイークエンド東北内のコーナーでなく、独立した番組)」など、内容はバラエティに富んでいた。
民放でも、金曜夕方に「FNNとうほく金曜ニュース一番星(1992~1994年)」という情報番組があったし、テレビ朝日系の土曜正午の情報番組、秋田テレビからネットしていた「クボタ民謡お国めぐり」も最近終わってしまった。
特に秋田県民はその傾向にあると感じるのだが、仙台や東京しか眼中になく、他の東北各地には興味を持たない人が多い。だけど、大都市ではない隣県にこそ学ぶべきことが多いのではないだろうか。東日本大震災後の今、東北の中での各地の結びつきをもっと大事にする必要があり、目を向けるべきだと思う。
今こそ、ご近所の県と理解し合い協力していくためにも、「週刊とうほくゼミナール」のような気軽に見られる東北ブロックのテレビ番組があってもいいのではないだろうか。