道路(公道)を通るよりも、駐車場など私有地を通り抜けたほうが近道なことがある。
車で通り抜けるのはよほど神経が図太くないとできないし、危険だし、所有者も迷惑がるはずだが、歩いて通るのなら黙認してくれていることもある。
※とは言っても、私有地にむやみに立ち入ると犯罪になる場合もあるので、自己責任で。
秋田市中央部の3つの抜け道について。
●公認の抜け道
千秋公園の西側は、木々が生い茂るちょっとした山。ふもとには、県職員住宅など住宅地が広がる。
その西側から千秋公園へ上るには、数か所にある階段を使う。若干脚力・体力は要するものの緑の中を歩くのは気持ち良く、公園内を通り抜けて散歩や買い物をする人もいる。
千秋公園の南西角付近にも階段がある。
昔(20年くらい前まで?)は、階段下に湧き水「霊泉水」があったのだが、飲用不適になってしまい廃止された。そこから上って、二の丸の階層にある管理事務所脇(鐘楼付近)を結ぶ階段。
下には、公園の山のふもとをたどる歩行者用の通路があり、その通路と公道との接続部に、その抜け道がある。
距離にして50メートルほど。昔は、公道側から途中まで舗装されて、その先公園内側は砂利道になっていたと思う。舗装部分には「歩行者自転車専用」の道路標識があった気がする。
この抜け道は階段へのアクセス路としてのほか、階段を上らずにふもとの道を南へ進めば、県民会館や市立中央図書館明徳館~広小路方面への近道にもなる。
公道を通れば青のルート。抜け道+園内通路の赤ルートのほうが短い。太い部分がその抜け道
ここ5年ちょっとの間のはずだが、砂利道だった部分が舗装され白線が引かれ、抜け道だった部分が駐車場になってしまった。
以前から、この抜け道より南側には私立秋田和洋女子高校の体育館などがあった。駐車場化されたのと前後して、抜け道より北側には陸上競技練習場(?)など同校の体育施設が整備された。【2016年3月21日補足】陸上競技場ができたのは2010年頃らしい。
つまり、抜け道は完全に和洋高校の敷地内になってしまったのだった。(少なくとも砂利道だった部分は、以前から学校の土地だったのかもしれない)
まっすぐが抜け道。この時は駐車車両はいないが、びっしり駐まっていることもある
こんな状態では、通行禁止との表示はないものの、なんとなく通りにくいと思っていた。
ところが最近、高校名義でこんな看板が設置された。(ストリートビューで確認できる2012年10月時点ではなかった)
左方向が抜け道。左後方に見える小屋のようなものが湧き水跡
「私有地につき、歩行者も車に注意して通行するようお願いします。」などとあり、自転車に乗ったままの通行は禁止され(そのためのポールも設置された)たが、歩行者は通ってもいいことが明示された。
黙認ではなく、公認の抜け道だ。これならば、堂々と通らせてもらえる。
なんとも寛大な措置だけど、以前から永年、通路として機能してきたこと、ここが通れなければ階段がかなり遠回りになること、和洋高校の生徒の動線とは重複しないことなどを考慮してくれたのだろうか。
地理院地図より
国土地理院の地形図では、新しい体育館施設は反映されておらず、以前の通路や建物が描かれている(青い線で囲った部分)。
肝心の抜け道部分は、地形図のほかGoogleマップやマピオンなどでも、通常の「道」として表記されている。(上の地形図では青い線の南側)
これも駐車場になったのが反映されていないのだろうか。以前は公道か私道かに関わらず、道路として機能しているから道として描かれているのだろう。
でも、現在のように、白線が引かれて見かけは明らかに駐車場となってしまっては、次の改定時にはなくなるのだろうか。
なお、公園ふもとの遊歩道は地形図では途中で途切れて描かれるが、他の地図サイトではつながっている。また、地形図の地図記号としては車が通行できる道と同じ線で描かれているが、「徒歩道」として点線で表示するのが正当な気がする。
※この抜け道に存続の危機?!
●ここで言われても…
場所が変わって、某所。大通りと裏道を結ぶ抜け道。
大通り側に面した店舗の敷地と裏道に面した月ぎめ駐車場があり、それらが背中合わせでつながっている。月ぎめ駐車場の一部を、店舗の来客用駐車場として使うための措置なんだろうが、そのおかげで関係ない人には抜け道として機能する。
2012年10月撮影のストリートビューより。写っている人は通り抜け中? ※駐車場の名称が大字レベルで大雑把だ。
駐車場の裏道側には看板が立っていて、
「契約者以外の車と人の通り抜けは固く厳禁します。」
とある。
歩行者の抜け道としてもはっきりと禁止されているわけだが、この看板の設置場所が悪い。
裏道寄りに1枚しかないものだから、大通り側から抜けて来た人は、最後の最後で通り抜けてはいけないことを知らされるのだ。
馬鹿正直に戻る人はいないと思う。「固く厳禁」したいのなら、反対側にも表示していただきたい。
【2025年3月24日追記・その後】この「店舗」とは保戸野通町の北都銀行通町支店。
銀行側が、裏通りよりやや高くなっていて、コンクリートの緩いスロープを介して、裏道側の駐車場に通り抜けできていた。銀行側にも数台の駐車スペースがある。
通町支店は2020年3月1日に、泉支店内に移転、という名目の実質統廃合(支店内支店、ブランチインブランチ)された。旧・通町支店の建物はATMも廃止され、北都銀行と無縁になり、空きビル、選挙事務所を経て、2021年12月からトランクルームとして使われている。
銀行撤退後(どのタイミングかは不明)駐車場は、建物側のみとなり、スロープを撤去して崖状になったところに、フェンスが設置された。フェンスの切れ目に、パイプで作った狭い階段はあるものの、心理的に通り抜けづらくなった。塀の表示もなくなり、無名駐車場となった。(以上追記)
●禁止→黙認→?
子どもの頃から知っている、住宅地の2つの細い道を直結する細長い駐車場があった。
周辺の道路の線形上、ここを通らせてもらったほうが近道になることがある。それに、近くの公道はすれ違いがままならないほど歩道が狭くなっている箇所があるのだが、ここを抜ければそこを避けることができ、ある意味、安全でもある。
2012年10月のストリートビューより。右が駐車場
駐車場内は舗装されておらず、砂にわずかな砂利が敷かれているので、雨上がりは大きな水たまりができて歩きづらいけれど。
僕が小学生の頃は、片方の道路沿いに塀のような看板のような構造物があって、内側向きに手書きで「通り抜け禁止」といった趣旨の文言が書かれていた。
反対側には特に表示はなかったはず。(その意味では上の駐車場と同じで不完全)
学校で「あんた、昨日あの駐車場通ってたでしょ。いけないんだよ!」と女の子に怒られる男の子がいたものだ。
それから十数年~数十年(?)。久しぶりにその駐車場を見てみると、その看板はなくなっていて、通り抜けを禁ずる表示はなくなっていた。
ストリートビューより。かつて看板があった位置(上の画像の反対側)。看板状のものは立っているが、何も書かれていない【9月8日訂正】連絡先しか書かれていない
そのため、大人も子どもも、ためらいなく通り抜けていた。
ということは、所有者が態度を軟化させ(あるいは代わって)、地域住民のために開放してくれたのかと思っていた。
駐車場だから、車を駐めている人にしてみれば事故や車を傷つけられる恐れがあっていい気はしないかもしれないし、近隣のお宅にしてみれば通り抜ける人の足音(砂利なので)や視線が気になるかもしれない。
看板がなくなった以外は、少なくとも30年姿を変えないでいた駐車場兼抜け道だったが、最近変化してしまった。
広くなった?!
隣にあった民家が解体されて更地になり、駐車場と一体化してしまった。
同時に既存部分も含めて中間にロープが張られてしまった。
通り抜け禁止の表示は引き続きなく、ロープをまたごうと思えばまたげるものの、実質的には抜け道として使わせたくないという、所有者の意志ではないだろうか。
駐車場を借りている人にとっては、片方の道からしか出入りできなくなることで不便になるかもしれないのに。駐車場としては満車じゃないみたいだから、家でも建つのだろうか。
【2015年2月23日追記】2015年2月時点でこの土地自体に変化なし。しかし、積雪などの影響なのか、仕切りのコーンの一部が倒れて、楽に通り抜けられるようになった。足跡から判断すると、そこを抜け道として利用する人は少なくなさそうで、抜け道が復活した。
【2015年4月5日追記】さらにその後春になると、倒れた仕切りが元通りにされた。
※その後、2016年3月時点でも、通行止めされて空き地のまま。
車で通り抜けるのはよほど神経が図太くないとできないし、危険だし、所有者も迷惑がるはずだが、歩いて通るのなら黙認してくれていることもある。
※とは言っても、私有地にむやみに立ち入ると犯罪になる場合もあるので、自己責任で。
秋田市中央部の3つの抜け道について。
●公認の抜け道
千秋公園の西側は、木々が生い茂るちょっとした山。ふもとには、県職員住宅など住宅地が広がる。
その西側から千秋公園へ上るには、数か所にある階段を使う。若干脚力・体力は要するものの緑の中を歩くのは気持ち良く、公園内を通り抜けて散歩や買い物をする人もいる。
千秋公園の南西角付近にも階段がある。
昔(20年くらい前まで?)は、階段下に湧き水「霊泉水」があったのだが、飲用不適になってしまい廃止された。そこから上って、二の丸の階層にある管理事務所脇(鐘楼付近)を結ぶ階段。
下には、公園の山のふもとをたどる歩行者用の通路があり、その通路と公道との接続部に、その抜け道がある。
距離にして50メートルほど。昔は、公道側から途中まで舗装されて、その先公園内側は砂利道になっていたと思う。舗装部分には「歩行者自転車専用」の道路標識があった気がする。
この抜け道は階段へのアクセス路としてのほか、階段を上らずにふもとの道を南へ進めば、県民会館や市立中央図書館明徳館~広小路方面への近道にもなる。

ここ5年ちょっとの間のはずだが、砂利道だった部分が舗装され白線が引かれ、抜け道だった部分が駐車場になってしまった。
以前から、この抜け道より南側には私立秋田和洋女子高校の体育館などがあった。駐車場化されたのと前後して、抜け道より北側には陸上競技練習場(?)など同校の体育施設が整備された。【2016年3月21日補足】陸上競技場ができたのは2010年頃らしい。
つまり、抜け道は完全に和洋高校の敷地内になってしまったのだった。(少なくとも砂利道だった部分は、以前から学校の土地だったのかもしれない)

こんな状態では、通行禁止との表示はないものの、なんとなく通りにくいと思っていた。
ところが最近、高校名義でこんな看板が設置された。(ストリートビューで確認できる2012年10月時点ではなかった)

「私有地につき、歩行者も車に注意して通行するようお願いします。」などとあり、自転車に乗ったままの通行は禁止され(そのためのポールも設置された)たが、歩行者は通ってもいいことが明示された。
黙認ではなく、公認の抜け道だ。これならば、堂々と通らせてもらえる。
なんとも寛大な措置だけど、以前から永年、通路として機能してきたこと、ここが通れなければ階段がかなり遠回りになること、和洋高校の生徒の動線とは重複しないことなどを考慮してくれたのだろうか。

国土地理院の地形図では、新しい体育館施設は反映されておらず、以前の通路や建物が描かれている(青い線で囲った部分)。
肝心の抜け道部分は、地形図のほかGoogleマップやマピオンなどでも、通常の「道」として表記されている。(上の地形図では青い線の南側)
これも駐車場になったのが反映されていないのだろうか。以前は公道か私道かに関わらず、道路として機能しているから道として描かれているのだろう。
でも、現在のように、白線が引かれて見かけは明らかに駐車場となってしまっては、次の改定時にはなくなるのだろうか。
なお、公園ふもとの遊歩道は地形図では途中で途切れて描かれるが、他の地図サイトではつながっている。また、地形図の地図記号としては車が通行できる道と同じ線で描かれているが、「徒歩道」として点線で表示するのが正当な気がする。
※この抜け道に存続の危機?!
●ここで言われても…
場所が変わって、某所。大通りと裏道を結ぶ抜け道。
大通り側に面した店舗の敷地と裏道に面した月ぎめ駐車場があり、それらが背中合わせでつながっている。月ぎめ駐車場の一部を、店舗の来客用駐車場として使うための措置なんだろうが、そのおかげで関係ない人には抜け道として機能する。

駐車場の裏道側には看板が立っていて、

とある。
歩行者の抜け道としてもはっきりと禁止されているわけだが、この看板の設置場所が悪い。
裏道寄りに1枚しかないものだから、大通り側から抜けて来た人は、最後の最後で通り抜けてはいけないことを知らされるのだ。
馬鹿正直に戻る人はいないと思う。「固く厳禁」したいのなら、反対側にも表示していただきたい。
【2025年3月24日追記・その後】この「店舗」とは保戸野通町の北都銀行通町支店。
銀行側が、裏通りよりやや高くなっていて、コンクリートの緩いスロープを介して、裏道側の駐車場に通り抜けできていた。銀行側にも数台の駐車スペースがある。
通町支店は2020年3月1日に、泉支店内に移転、という名目の実質統廃合(支店内支店、ブランチインブランチ)された。旧・通町支店の建物はATMも廃止され、北都銀行と無縁になり、空きビル、選挙事務所を経て、2021年12月からトランクルームとして使われている。
銀行撤退後(どのタイミングかは不明)駐車場は、建物側のみとなり、スロープを撤去して崖状になったところに、フェンスが設置された。フェンスの切れ目に、パイプで作った狭い階段はあるものの、心理的に通り抜けづらくなった。塀の表示もなくなり、無名駐車場となった。(以上追記)
●禁止→黙認→?
子どもの頃から知っている、住宅地の2つの細い道を直結する細長い駐車場があった。
周辺の道路の線形上、ここを通らせてもらったほうが近道になることがある。それに、近くの公道はすれ違いがままならないほど歩道が狭くなっている箇所があるのだが、ここを抜ければそこを避けることができ、ある意味、安全でもある。

駐車場内は舗装されておらず、砂にわずかな砂利が敷かれているので、雨上がりは大きな水たまりができて歩きづらいけれど。
僕が小学生の頃は、片方の道路沿いに塀のような看板のような構造物があって、内側向きに手書きで「通り抜け禁止」といった趣旨の文言が書かれていた。
反対側には特に表示はなかったはず。(その意味では上の駐車場と同じで不完全)
学校で「あんた、昨日あの駐車場通ってたでしょ。いけないんだよ!」と女の子に怒られる男の子がいたものだ。
それから十数年~数十年(?)。久しぶりにその駐車場を見てみると、その看板はなくなっていて、通り抜けを禁ずる表示はなくなっていた。

そのため、大人も子どもも、ためらいなく通り抜けていた。
ということは、所有者が態度を軟化させ(あるいは代わって)、地域住民のために開放してくれたのかと思っていた。
駐車場だから、車を駐めている人にしてみれば事故や車を傷つけられる恐れがあっていい気はしないかもしれないし、近隣のお宅にしてみれば通り抜ける人の足音(砂利なので)や視線が気になるかもしれない。
看板がなくなった以外は、少なくとも30年姿を変えないでいた駐車場兼抜け道だったが、最近変化してしまった。

隣にあった民家が解体されて更地になり、駐車場と一体化してしまった。
同時に既存部分も含めて中間にロープが張られてしまった。
通り抜け禁止の表示は引き続きなく、ロープをまたごうと思えばまたげるものの、実質的には抜け道として使わせたくないという、所有者の意志ではないだろうか。
駐車場を借りている人にとっては、片方の道からしか出入りできなくなることで不便になるかもしれないのに。駐車場としては満車じゃないみたいだから、家でも建つのだろうか。
【2015年2月23日追記】2015年2月時点でこの土地自体に変化なし。しかし、積雪などの影響なのか、仕切りのコーンの一部が倒れて、楽に通り抜けられるようになった。足跡から判断すると、そこを抜け道として利用する人は少なくなさそうで、抜け道が復活した。
【2015年4月5日追記】さらにその後春になると、倒れた仕切りが元通りにされた。
※その後、2016年3月時点でも、通行止めされて空き地のまま。