秋田市中央部の旭川に「保戸野川反(ほどのかわばた)橋」が架かる。
通町橋の1本上流で、左岸には「鷹の松」がある。秋田市の歓楽街である「川反」とは、若干距離があり、住宅街の生活道路の橋。(見通しがあまり良くなく、狭い道を飛ばす車もいるので注意)
橋自体は江戸末期にはできていたらしいが、代替わり(架け替え)して、路面のリニューアルなども随時行われている。
上流側から保戸野川反橋
この橋には、よく分からない物体がある。
あまり気にかけていなかったけれど、ある時期に設置されたと記憶している。もう10年ほど経つだろうか。最近、急に気になりだしてしまった。
上流側の橋の外側
上流側の橋桁の外側に、川にせり出すような形で、金属製の箱状のものが設置されている。【30日追記】橋の真ん中(つまり川幅の中央)に1つだけ。

箱の上には、ギリギリ人1人立てそうだけど、飛び込み台なわけはない。建物などをライトアップする照明器具のカバーというか箱にも似ているが、ライトアップするべきものはないし、夜は真っ暗。
角度を変えると、箱の中身を見ることができる。
白いお皿?

中央部がとんがった、直径30センチくらいの皿状の物体がうつむいて設置され、ケーブルがつながっている。
アンテナっぽい機器で、これで川に関する何らかの測定を行っていると推測。
実は、この橋の下流側右岸(保戸野側)には、こんなものがある。
向こうが通町橋
上の写真でタチアオイの花(近隣の住民がお手入れ?)が咲く向こうに、アンテナや風速計が付いた小さい建物がある。それは、
「中島水位観測所」
河川管理者が、旭川の水かさを計っているようだ。
基本的に一級河川の支流は、国土交通大臣から委託されて都道府県が管理することになっているので、ここは秋田県の管轄。
観測所には「秋田県秋田土木事務所」と表示があるけれど、土木事務所は1999年度末に組織再編でなくなっている。その後も再編があり、今なら「秋田県秋田地域振興局建設部(以下不明。ほんとうに秋田県庁の体制は分かりづらい)」としなければならない。
【2019年5月28日追記】その後、2018年頃までに、観測所周辺がちょっと手入れされ、表示板は現行の組織に即したものに交換された。末尾のカメラ設置のリンク先に画像あり。
なるほど。あんなお皿で水の量を計ることができるのねと納得しかけたけれど、ちょっと違うかも。
お皿の角度からして、水位を計るのは無理がありそう。
それに、観測所から護岸伝いにパイプが下りていて、それが水位計測器っぽい。
奥の管がつながったのが測定器? 手前は目盛り
ネットで調べてみると分かった。たぶん。
お皿の正体は「電波流速計発信器」。
マイクロ波を水面に照射して、反射される波のドップラー効果で、流速を測定するのだそう。安全に、安定したデータが得られるようだ。
原理は、スピードガンやオービスと同じかな。
なお、水位を非接触で測定する装置も実用化されていた。超音波を用いるもので、水面に対して垂直に、つまり真上に設置する。道路上に設置されている交通量の測定装置(車両感知器)と、仕組みも装置の形も似ているようだ。
場所からすれば、この流速計も中島水位観測所の設備の1つなんだろうか。橋は秋田市道だから、県が市に間借りして設置させてもらっていることになる。
中島水位観測所で計測した水位データについては、インターネットで誰でも随時知ることができる。掲載写真のような平常時では、50~60センチ程度。先週何度かあった大雨の後は、150センチくらいになっていた。
しかし、流速のデータは公開されていなさそう。
ひっそりと常に測定が続けられているのだろう
防災上役に立つ場合もあるかもしれない。測定しているのならば、教えてくれてもいいのではないでしょうか。
気づかないだけで、ほかの川のどこかの橋にも、同じ装置が設置されているはず。保戸野川反橋もそうであるように、橋の上流側に設置するのが一般的だそう。(下流側だと、橋脚などの構造物で流れが乱れるため)
ところで、水位データを調べようとすると、「中島」観測所は旭川に2つ存在しており、戸惑わされる。それ以前に、ここを「中島」と呼ぶのも、なんだか… そんなことを後日、また。
※2020年には水位観測所に監視カメラが設置された。
通町橋の1本上流で、左岸には「鷹の松」がある。秋田市の歓楽街である「川反」とは、若干距離があり、住宅街の生活道路の橋。(見通しがあまり良くなく、狭い道を飛ばす車もいるので注意)
橋自体は江戸末期にはできていたらしいが、代替わり(架け替え)して、路面のリニューアルなども随時行われている。

この橋には、よく分からない物体がある。
あまり気にかけていなかったけれど、ある時期に設置されたと記憶している。もう10年ほど経つだろうか。最近、急に気になりだしてしまった。

上流側の橋桁の外側に、川にせり出すような形で、金属製の箱状のものが設置されている。【30日追記】橋の真ん中(つまり川幅の中央)に1つだけ。

箱の上には、ギリギリ人1人立てそうだけど、飛び込み台なわけはない。建物などをライトアップする照明器具のカバーというか箱にも似ているが、ライトアップするべきものはないし、夜は真っ暗。
角度を変えると、箱の中身を見ることができる。



中央部がとんがった、直径30センチくらいの皿状の物体がうつむいて設置され、ケーブルがつながっている。
アンテナっぽい機器で、これで川に関する何らかの測定を行っていると推測。
実は、この橋の下流側右岸(保戸野側)には、こんなものがある。

上の写真でタチアオイの花(近隣の住民がお手入れ?)が咲く向こうに、アンテナや風速計が付いた小さい建物がある。それは、

河川管理者が、旭川の水かさを計っているようだ。
基本的に一級河川の支流は、国土交通大臣から委託されて都道府県が管理することになっているので、ここは秋田県の管轄。
観測所には「秋田県秋田土木事務所」と表示があるけれど、土木事務所は1999年度末に組織再編でなくなっている。その後も再編があり、今なら「秋田県秋田地域振興局建設部(以下不明。ほんとうに秋田県庁の体制は分かりづらい)」としなければならない。
【2019年5月28日追記】その後、2018年頃までに、観測所周辺がちょっと手入れされ、表示板は現行の組織に即したものに交換された。末尾のカメラ設置のリンク先に画像あり。
なるほど。あんなお皿で水の量を計ることができるのねと納得しかけたけれど、ちょっと違うかも。
お皿の角度からして、水位を計るのは無理がありそう。
それに、観測所から護岸伝いにパイプが下りていて、それが水位計測器っぽい。

ネットで調べてみると分かった。たぶん。
お皿の正体は「電波流速計発信器」。
マイクロ波を水面に照射して、反射される波のドップラー効果で、流速を測定するのだそう。安全に、安定したデータが得られるようだ。
原理は、スピードガンやオービスと同じかな。
なお、水位を非接触で測定する装置も実用化されていた。超音波を用いるもので、水面に対して垂直に、つまり真上に設置する。道路上に設置されている交通量の測定装置(車両感知器)と、仕組みも装置の形も似ているようだ。
場所からすれば、この流速計も中島水位観測所の設備の1つなんだろうか。橋は秋田市道だから、県が市に間借りして設置させてもらっていることになる。
中島水位観測所で計測した水位データについては、インターネットで誰でも随時知ることができる。掲載写真のような平常時では、50~60センチ程度。先週何度かあった大雨の後は、150センチくらいになっていた。
しかし、流速のデータは公開されていなさそう。

防災上役に立つ場合もあるかもしれない。測定しているのならば、教えてくれてもいいのではないでしょうか。
気づかないだけで、ほかの川のどこかの橋にも、同じ装置が設置されているはず。保戸野川反橋もそうであるように、橋の上流側に設置するのが一般的だそう。(下流側だと、橋脚などの構造物で流れが乱れるため)
ところで、水位データを調べようとすると、「中島」観測所は旭川に2つ存在しており、戸惑わされる。それ以前に、ここを「中島」と呼ぶのも、なんだか… そんなことを後日、また。
※2020年には水位観測所に監視カメラが設置された。