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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

タクシーを呼ぶ数字

2016-09-08 23:24:16 | 秋田の季節・風景
全国的に存在するのか、秋田(秋田市)だけなのか、今現在も通用するのか、よく分からないアイテムの話。
秋田市内の住宅地で、こんなものを見かけた。30年以上前には、今よりも多く存在していたはずで、いつの間にか見かけなくなっていたが、ひっそりと残っていたことになる。
電柱に巻き付いているものが2つ
マルで囲った数字が書かれた、横長の小さな看板。
「合同タクシー マル9 T23-****」
これの意味、使い方をご存知でしょうか。


答えは、タクシーを電話で呼び出す時に使うもの。
下の「T」は配車依頼の電話番号。そこへ電話をかけて、看板に書かれた数字を伝えると、スムーズにやり取りできるという仕組み。(もちろん、住所や氏名もあわせて伝える)
なお、合同タクシーの看板は、右側に木の棒が打ち付けられている。これは、電柱に巻くのではなく、直接地面に指すなど自立させて設置するため。

現在においてタクシーを呼ぶのなら、スマホのアプリとか、ナンバーディスプレイや電子化された電話帳データと住宅地図を組み合わせたコンピューターシステムがあるだろうから、電話をかけるだけで場所が伝わるのかもしれない。
でも、数十年前はそんなものはなく、特に住居表示が未実施で複雑な地番配列だったり、目標物がない家ばかりの住宅地では、住所だけではうまく伝わらなかったのだろう。
【9日追記】コメントで教えていただいたように、タクシーを呼ぶ客側のみならず、呼ばれた先へ向かうタクシードライバー側にとっての目印でもあった。むしろその意味のほうが強いのかもしれない。

当然、タクシー会社間で数字に“互換性”はないから、かつては、そこを縄張りとする複数(2つとか3つ)のタクシー会社の数字の看板が並んで設置されることもあった。
現在では、写真のように2つ並ぶのは、今のところここでしか見つけていない。

合同タクシーの看板は、電話番号の局番が「23-」となっている。
秋田市の市外局番が「8○○-」になったのは1998年6月だから、それ以前に設置されたことになる。
表示されている電話番号を「823-」にすると、現在も合同タクシーの配車番号として通用する。そこに電話して「9番へお願いします」と言ったら、来てくれるだろうか?
こちらは1番
その下の黄色い看板は、いくぶん新しそう。地域で設置した通学路の安全運転を呼びかける看板に隠れてしまって、よく見えないけど。
「タクシーのご用命は」と説明もある。電話は「823-」だから1998年以降の設置。
タクシー会社名は「みなと交通カンコウ…」と読める。
この会社は、かつての「港キング」を引き継いで1994年に発足し、後に山王にあった「秋田観光タクシー」を統合したものだそう。正式には「秋田港交通」。

上記2タイプの看板は、ここの各1枚しか見つけていない。
これ以外には、特定のタイプの看板が、この近隣にけっこう多く残っている。それがこちら。
数字が薄れているけれど「秋田カンコータクシー」
今も少なくとも10か所程度で、このデザインの看板の存在を確認している。

「カンコータクシー」すなわち、みなと交通と合併した秋田観光タクシーのもの。
上の「みなと交通カンコウ」も、よく見ると、地はこの看板と同じ色で、その上に新たに黄色いのを重ね貼りしたようだ。
電話番号も「823-」でおそらく同じ。この番号も、今なお秋田港交通の配車番号として通用する。旧2社の番号を並行して使っているようだ。

旧カンコータクシー看板のは、なぜか1枚だけ黄色く新しくされて、他の多くは古いまま放置されていることになる。


ネットで調べても、この「タクシーを呼ぶための数字の看板」に関する情報は見つけられなかった。
この仕組みがそれだけ衰退してしまったということなのか、それとも秋田独自のものだからなのだろうか。

別のタクシー会社の看板も発見したさらに別のもの(個人的にはとても懐かしい)も
コメント (6)
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