以前、主に農業用の水を正確に分配するための円筒分水が秋田市外旭川地区にあることを取り上げた。
前に訪れたのは田植え後の5月中旬。
水の使用量が違う、他のシーズンの円筒分水はどうなっているのか、興味があった。
そこで、先日、再訪。
田んぼはまだ水が張られず、冬同然のたたずまい
車が通る道から円筒分水までの無舗装の道は、若干ぐちゃぐちゃ。
円形のアレが見えてきた
水路周辺の草が枯れているので、以前より状況が分かりやすい。
そして、鳥の声がするくらいで、とても静か。水の音がしないのだ。
たしかに、水路の水は止まっている。その先の円筒分水は、
停止中!?
円筒分水へ流れこむ水路も止まっている。
円筒分水の中は、低い位置で水がたまって鏡のような水面で、見るからにお休み中。
知らない人が見たら、池かと思いそうな状態。
でも、稼働中の円筒分水を知る者が改めて見たら、この円筒分水の仕組みが理解できた。※いくつかの方式があり、すべての円筒分水が同じ仕組みではないようです。
稼働中には見えなかったものが!
まず、上の写真で、円の中心部、水が濁っているように見える部分。
水路の上流から来た水は、地下を通ってここから湧き上がる。これは以前の水の出方でも分かった。
湧き上がった水は、今は水がたまっている大きな円の中にあふれるわけだが、そこからどうやって分配するのか、以前は水に隠れて見えなかった。
水位が下がった今は、大きな円をかたちづくっている壁に、たくさんの穴が空いているのが分かる。穴は同じ大きさ・高さで、等間隔に並ぶ。現在たまっている水は、この穴の下の位置。
穴は金属のパイプ?
つまり、この穴を通って、もう1つ外側、つまりいちばん外側のドーナツ型の枠へ流れ出ているのだった。
以前、大きな円の壁を乗り越えて、水が外の枠へ流れ出す場合もあるのではないかと予想したが、このような構造では、流れこむ水量がかなり多くないと、そうはならないだろう。
そして外側のドーナツ型の枠。
ドーナツ型の中に仕切りの壁(写真の赤い矢印)があって、3つに仕切られている。
それぞれの仕切りの先には、それぞれ1本ずつ水路(写真の青い矢印)が出ている。
つまり、ここでは水を3方向へ分けているのだった。以前は草に隠れていたせいか、2方向だと思っていた。
ドーナツ型の仕切られた部分は、2区画は同じ幅で狭く、穴の数にして4つ。残り1区画がとても大きく、北方向へ向かう水路がつながっている。
円グラフ(ドーナツ型の)をイメージすると分かりやすい。8割・1割・1割くらい。
この8:1:1が、この円筒分水の水の配分比ということになる。
このように一目瞭然で公平に(定められた比率で)水を分けられるので、円筒分水が好まれたようだ。穴の数を間違えていたら、正しくなくなってしまいそうだけど。
3方向へ分かれる
迫力はないけれど、納得できた冬の円筒分水だった。
まもなく、また水が流れ、分けられ、今シーズンの稲作が始まる。※続きはこちら
※繰り返しですが、見学の際は、事故やクマ、地域へのご迷惑には充分ご注意を。
前に訪れたのは田植え後の5月中旬。
水の使用量が違う、他のシーズンの円筒分水はどうなっているのか、興味があった。
そこで、先日、再訪。
田んぼはまだ水が張られず、冬同然のたたずまい
車が通る道から円筒分水までの無舗装の道は、若干ぐちゃぐちゃ。
円形のアレが見えてきた
水路周辺の草が枯れているので、以前より状況が分かりやすい。
そして、鳥の声がするくらいで、とても静か。水の音がしないのだ。
たしかに、水路の水は止まっている。その先の円筒分水は、
停止中!?
円筒分水へ流れこむ水路も止まっている。
円筒分水の中は、低い位置で水がたまって鏡のような水面で、見るからにお休み中。
知らない人が見たら、池かと思いそうな状態。
でも、稼働中の円筒分水を知る者が改めて見たら、この円筒分水の仕組みが理解できた。※いくつかの方式があり、すべての円筒分水が同じ仕組みではないようです。
稼働中には見えなかったものが!
まず、上の写真で、円の中心部、水が濁っているように見える部分。
水路の上流から来た水は、地下を通ってここから湧き上がる。これは以前の水の出方でも分かった。
湧き上がった水は、今は水がたまっている大きな円の中にあふれるわけだが、そこからどうやって分配するのか、以前は水に隠れて見えなかった。
水位が下がった今は、大きな円をかたちづくっている壁に、たくさんの穴が空いているのが分かる。穴は同じ大きさ・高さで、等間隔に並ぶ。現在たまっている水は、この穴の下の位置。
穴は金属のパイプ?
つまり、この穴を通って、もう1つ外側、つまりいちばん外側のドーナツ型の枠へ流れ出ているのだった。
以前、大きな円の壁を乗り越えて、水が外の枠へ流れ出す場合もあるのではないかと予想したが、このような構造では、流れこむ水量がかなり多くないと、そうはならないだろう。
そして外側のドーナツ型の枠。
ドーナツ型の中に仕切りの壁(写真の赤い矢印)があって、3つに仕切られている。
それぞれの仕切りの先には、それぞれ1本ずつ水路(写真の青い矢印)が出ている。
つまり、ここでは水を3方向へ分けているのだった。以前は草に隠れていたせいか、2方向だと思っていた。
ドーナツ型の仕切られた部分は、2区画は同じ幅で狭く、穴の数にして4つ。残り1区画がとても大きく、北方向へ向かう水路がつながっている。
円グラフ(ドーナツ型の)をイメージすると分かりやすい。8割・1割・1割くらい。
この8:1:1が、この円筒分水の水の配分比ということになる。
このように一目瞭然で公平に(定められた比率で)水を分けられるので、円筒分水が好まれたようだ。穴の数を間違えていたら、正しくなくなってしまいそうだけど。
3方向へ分かれる
迫力はないけれど、納得できた冬の円筒分水だった。
まもなく、また水が流れ、分けられ、今シーズンの稲作が始まる。※続きはこちら
※繰り返しですが、見学の際は、事故やクマ、地域へのご迷惑には充分ご注意を。