広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

太平川・才八橋工事

2020-09-13 17:01:49 | 
アップしそびれていた話題。【2020年10月27日カテゴリー変更。アップ当初は「秋田の地理」としていたのを「橋」に移しました。】
秋田駅から南へ1キロ強、秋田南中学校の裏から羽越本線と奥羽本線(秋田新幹線)を越えてすぐの辺り。地名としては楢山の東端。「明田富士山」や一つ森公園のふもとを流れる太平川に「才八橋(さいはちばし)」というのが架かっている。
おそらく秋田駅からいちばん近い、太平川の橋かと思うが、場所も橋もマイナー。「才八」の由来は不明。

その才八橋と周辺で工事が行われている。
太平川は、秋田市平野部で蛇行が多く、才八橋付近でもカーブしている。洪水対策のため川の付け替えが行われ、そのために才八橋も架け替えるということのようだ。
太平川は県管理なので秋田県による工事で、それに連動する橋架け替えなので、市道だが県発注。新城川ほど大規模ではないものの、同じ感じだと思うが、例によって県による情報発信が少ない。
Googleマップ航空写真に加筆。太平川は右から左へ流れる。赤い丸が才八橋
才八橋のところで北へ湾曲した川を、南側(左岸・一ツ森公園側)をまっすぐ通る流路に付け替えるということらしい。奥羽線の橋付近はそのままの模様。

一連の工事は2018年6月頃に始まったらしく、まずは(旧)才八橋のすぐ下流側に仮橋が架けられた。
この一帯は、曲がった川、迫った山、線路に囲まれた土地が住宅地になっていて、その中を狭くて曲がりくねった道が伸びている。川を渡るには才八橋が実質唯一のルートなので、通る車はそこそこある。
2018年10月右岸側から。右のクレーンの位置で仮橋建設中
旧才八橋は、周りの道路に比べれば広く、上流側だけに歩道があった。※橋の前後は歩道なし、見通し不良で、歩行者は歩きづらい。
旧橋は、高欄(欄干)はガードレール代用の簡素なもの。
秋田市の資料によれば市道「太田沢本線」で、1975年架橋の鋼橋、長さ45.0メートル、幅10.0メートル。思ったより新しい。
才八橋右岸。橋から来ると突き当りの丁字路

明朝体の橋名板
道路の線形の都合か、右岸接続部が面取りされたような構造になっていた。橋名板は変わった位置(面取り部に当たる、橋本体の外側)に付いていた。
左岸側。ひらがなは「さいはちばし」と橋が濁音

川が移ることになる左岸側は、この時点で既に工事の関係で接続部に手が入っていたようだ。
ちょうどこの頃、2018年9月で才八橋を渡る築地経由の小型バス路線が廃止されている。
着工前の才八橋は、左岸側で歩道が少し広くなっており、渡り終えた橋とつながる道路で一転してとても狭くなっていた。その狭くなる直前の場所(橋の上ではない)に下り側「才八橋」バス停が置かれていた。なお、上り側はもう少し先のほうにあった。

以上が、看板によれば、「迂回路・仮橋工事を行っています」「流域治水対策河川工事」として2019年2月までの工事。
現地訪問を丸1年、放ったらかしていた。2019年10月には、
仮橋が供用されているが、右岸に旧橋の残骸
旧橋のうち、右岸の岸から最初の橋脚までの部分は、橋桁が残されていた。もちろん封鎖されているが、微妙な長さの橋が残り、ツタがからまった「止まれ」標識も残っているのが哀しい。
いずれこの部分は川でなくなるはずだから、今、川の中で橋脚撤去工事をするより、水がなくなってからやったほうが安上がりなのかもしれない。あるいはこの部分を撤去してしまうと、誤進入・転落防止の工事が手間になるからかもしれない。さらに、残した橋自体にも使いみちがあった。最後に出てきます。
仮橋左岸から
仮橋も、上流側にのみ歩道。相変わらずガードレール高欄(仮橋ではよくある)で、渡る分には以前の橋とほとんど違いがないかも。歩道はわずかに狭くなったが、車道との境にもガードレールができて安心。
上の写真右側、上流側の仮橋の中間付近に、コンクリートが見えている。おそらくここが、旧橋のたもと(橋台ってやつ?)。それより手前側(=旧橋時代は陸地だった部分)が工事現場風。当時は分からなかったが、この部分が新しい川になる。
仮橋は、新旧流路をまたぐことになるので、旧橋より長く、新しい橋は仮橋よりは短くなるのだろうか。
橋台と手前側が新しい川になる部分

仮橋から上流方向。奥の丘が明田富士山
旧橋の上流側は、新たに手が入って整地されている。新しい川の堤防か?
その整地された旧橋左岸上流側の岸辺の土地は、少し前の時点では何もなく、草木が多少生えた程度。ただ、旧橋詰の道路際(下りバス停付近)に、塀の残骸のようなものがあった。1994年までの航空写真を確認すると、この土地に細長くて赤い屋根の建物が4~5棟建っていて、1999年には空き地になっていた。昔は何かがあったようだ。

再び右岸から
上写真左・旧橋のすぐ上流の対岸に、真新しいコンクリートとクレーンが見える。コンクリートは土中に埋もれているが、新しい橋の橋脚っぽい。新しい橋は、旧橋の跡でなく、その上流側に架かるのだろうか。これも付け替え・旧流路の後処理などの都合なんだろうか。
この時点での工事看板。旧橋上から仮橋側に向けて設置
ここまでが、2020年1月31日までの「橋梁下部工工事を行っています」「流域治水対策河川工事」。

その次はあやうく1年空いてしまいそうになって、今年・2020年7月に訪問。
旧橋、仮橋には目立った変化なし。新流路予定地は工事が進んでいた。
右岸側に2020年7月31日まで「橋を作る為の工事用道路を製作しています。」「大規模特定河川工事」という看板があった。
左岸側は2020年10月30日まで「橋を作る為の護岸工事を行ってます」「大規模特定河川工事」。「~行って“い”ます」でないのがなれなれしい。
昨年度までは流域治水対策河川工事で、今年度は大規模特定河川工事。一連の工事のはずなのに、違うのが分からない。いずれも「橋」に言及しており、河川付け替えより、まずは橋を架け替えるのが目的のように感じてしまう。
仮橋から。左端が切断された旧橋の残骸先端
クレーンがいなくなり、旧橋の左岸側橋台も撤去。昨年埋もれていた新しい橋脚が、掘られて下まで見えている。
仮橋をさらに進めば、間近に見られる。
新しい右岸となる護岸ブロックの設置が始まっていた
渡り終えて左岸から振り返って、
旧橋の上にはプレハブ小屋と仮設トイレ。その使い方もあったか!
新しい川の姿が分かるようになってきた。こうなると見ておもしろい。
右岸に戻って、
明田富士山ふもと側から下流方向
さらにその後、9月時点では、上の写真でブルーシートだった新左岸にも、ブロックが設置されつつあった。雨水が流れる(あるいは今の本流から少量流れこむ)のか、工事が休みでも排水ポンプが動いていた。

最近たまにある強烈な大雨が降ると、あふれそうになる太平川。まだ何年もかかりそうだが、この工事によりある程度は改善され、流域住民も多少は安心できるようになるのかもしれない。そして税金を投じる工事である。
毎度の繰り返しだが、秋田県は、工事の状況、それ以前に工事をしていることそのものを、もっと積極的に周知というより宣伝してはどうだろう。県政への理解が深まると思うだが…

以上、着工から2年間をざっとまとめました。いつかまた続きます。→次は2022年8月
あと、才八橋周辺の昔のことを少し調べたら、それも興味深かった。それから秋田市では、もう1つ橋の架け替えが進んでいる
※川や橋以外の周辺の話題はこの記事とさらにその続きにて。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 郵貯繰越対応ATM | トップ | 工藤パン県外流通品 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (FMEN)
2020-09-13 23:12:42
そんな難工事だとは。
もうひとつは、察しがつきました。
もう新しいのができつつあります。
その橋と、雄和の水沢橋も今工事しているので秋田市からあるものがきえつつあるといえるかもしれません。
返信する
短いけれど大規模 (taic02)
2020-09-14 22:59:55
2年前ではどうなるか想像付かなかったですが、今はだいぶ分かりやすくなりました。距離は短いものの、大がかりと言えそうです。
水沢橋は雄和市民サービセンター近くの県道ですね。そう言えば秋田臨海鉄道も廃業が決まったので、その秋田運河を渡る橋も、先行きは危なそう。

もう1つは、市道ですが著名な橋ですよね。最近行ってすらいないのですが、だいぶ形になったそうで。
返信する
Unknown (マイスターフォ-ク)
2020-09-15 12:37:22
こんにちは。

才八橋は仕事で毎日のように石塚谷地方面や横森から横山金足道に抜けるル-トを大型ワゴンで通ってましたが、狭いうえに曲がりくねり難儀しました。

朝夕は通勤の抜け道でさらに混んでます!
返信する
こんばんは (taic02)
2020-09-15 20:19:34
いつも昼間しか通らないのですが、朝夕は混雑しますか。
徒歩も車も、神経を使う道です。石塚町寄りでは歩道があるものの、車道には「徐行」標識がありました。
計画的に道路整備せずに宅地化してしまった結果で、今さら道路拡張や新設するほどではないという判断なのだと思いますが、道路交通としては危ないエリアに感じます。
返信する

コメントを投稿