広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

崖下の研究室

2019-10-29 00:16:02 | 秋田の季節・風景
ずっと以前から気になっていた施設というか建物のこと。
秋田駅の北西、奥羽本線と千秋公園の間に、地方独立行政法人秋田県立病院機構 秋田県立循環器・脳脊髄センター(旧・秋田県立脳血管研究センター=脳研)がある。
※上の記事末尾に追記したように、10月3日の秋田県議会総括審査において佐竹敬久秋田県知事が、名称変更後も「私も脳研と言っている」「脳研でもいいじゃないか」と発言したとか。覚えにくく、県民に浸透していないのは事実であるが、最終決定権のあるあんたがそれを言っちゃあおしまいというか、センターの職員の方々や新しい名前を使うよう心がけている一県民にしてみれば、がっくりさせれる。ということで知事のお墨付きがあるので、以下、循環器・脳脊髄センターのことを「旧脳研」と表記します。

旧脳研は千秋公園に面した西側が正面で、裏の東~北面は崖のようになっている。線路側のほうが1段低い地形。
その崖下の線路との間では区画整理事業が行われていて、道路の付け替えもあった。※今年春の記事

取り上げる建物は、その崖下の北、付け替えられて車が通り抜けられなくなった元道路(現歩道?)に面している。
手前の建物(車は隣の敷地で無関係と思われる)
箱状の建物。間口は向かって右隣のアパートよりは狭く、一般民家並み。
反対側
後ろの木が生えているところが崖。ぎりぎりまで建物が続き奥行きはそこそこある。その上のオレンジ色が旧脳研。

この建物、民家っぽいけど、どこか雰囲気が違う。お店でもない。
向かって左奥に出入り口があるようで、
一般家庭のような郵便受けとドア

そのずっと手前に表札がある。
「秋田県成人病医療センター研究室」

なるほど、そういう施設なのね。と納得はできない。まだ不思議。
まず、「秋田県成人病医療センター」とは、かつて脳研と同じ敷地にあった県立病院【29日訂正・財団法人の運営だったが、秋田県との関係は強かったはず】。2015年3月で廃止・解散となって現存しない。跡地には旧脳研の新病棟が建った。
そして、仮にも県立医療機関の「研究室」がこんな民家に毛の生えたような建物なのって…
どんな研究をしていたのか知らないけれど、危険な病原体などを扱っていたとすれば、それが流出してご近所に(生物学用語のバイオハザード)…となりかねない。【31日追記・あとは、保管している危険な薬物や患者の個人情報などを盗まれたり。】

かつ、この程度の規模で済むのなら、成人病医療センターの建物本体の敷地内に収められたのでは? わざわざ崖下に土地と建物を確保するのは効率が悪そう。
航空写真で見る限り、崖の上下が階段などでつながっている気配はないので、本体と研究室の間は西側~北側を回って坂を上下しないと行き来できなかったはず。

思い返せば、成人病医療センターがあった頃でも、この建物に人の出入りや気配があった印象はない(頻繁に通るわけでもないけれど)が、前に車はよく駐まっていた。Googleストリートビューでも、2012年と成人病医療センター廃止後だが2015年8月では、複数台が置かれている。2017年7月にはない。
また、いずれも、正面1階の窓のブラインドは下りている。2階の大きな窓は、2012年にはカーテンが閉められ、2015年には3分の2ほど開かれ、2017年にはほぼ全開。現在は、

1階のブラインドが少し上がり、2階は変わらず。2017年にはなかったコーンが2つ置かれた。
窓からのぞく限りでは、1階も2階も、室内に物は置かれていなそう。

つまり空き家だ。
成人病医療センター本体と同様、廃止に伴い県立病院機構に移管されたのか、県庁へ移管されたのか、売却されたのかのどれかだろう。じゃあ表札を外せばいいのに。

西面
正面はそこそこきれいにされているが、側面はそこまででなく古そうな外壁が見えている。
そして、窓が1つ開けっ放しだよ。いいのかね。※窓のその後は、この記事後半。

1階の道路から2つ目と思われる部屋のドアに、プレートが残っていて窓越しに判読できた。
「治験事務局」とあった。
研究って、そういう治験のコーディネートみたいなことなんだろうか?

あとは、研究室とは名ばかりで、実際は資料室あるいは倉庫・物置として使っていた可能性もあるが、いちおう都市ガスのメーターと数台のエアコン室外機があった。外に蛇口があったから水道も来ている。

じゃなければ、実は県や秋田県成人病医療センターとは無関係の「秋田県成人病医療センター研究室」という名のまったく別の組織だったりして?!【29日補足・「岩手県交通」「秋田県なんとか専門学校」「秋田市なんとか幼稚園」のように、一見公営公立っぽい名前の民間組織も存在して受け入れられている例はあるし、「早稲田なんとか」「なんとか大進学会」という大学名を連想させる予備校なんかも存在する。そんな感じで…】
崖下の北向きの場所(でも暗い印象はない)にひっそりとたたずむ、謎の研究室。

【29日追記】ネットで検索すると、2007年や2011年には、秋田県成人病医療センター研究室を所属とする人物が、論文執筆や学会発表を行っていた。1人しか確認できず、「糖尿病性腎症」の研究をされていたようだ。【29日さらに追記】それ以外には、所在地や電話番号なども含めて、秋田県成人病医療センター研究室の存在を示す情報は見つけられなかった。

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4 コメント

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Unknown (FMEN)
2019-10-29 23:17:18
治験は協力すればすごい儲かるバイトだと言われてます。
秋田にはないといわれてますが、ここでやっていたのでしょうか。
何度目だよ、と思うかもしれませんがまたまた世にも奇妙なネタっぽい。
大町地下街、スターハウス、佐竹の隠し通路あたりに並ぶネタかも。

かと思えば、日曜の朝に出てきそうなヒーローが拠点にしていたり、デロリアンとか作っていたり、頭が白髪の爆発頭の博士が試験管振ってるような感じも。
阿笠博士みたいな。彼が論文を書いてるんでしょう。
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奥の部屋は (taic02)
2019-10-30 00:37:51
内部の奥の部屋がどうなっているか、気になります。
南側が崖なので薄暗くじめっとしていて、そこにホルマリン漬け標本が並んでなどと、典型的な古い研究機関を妄想したり。
でも、この建物じゃあ、たかが知れている気がしてしまいます。夏は涼しくていいかも。
両隣も近く、窓越しにのぞけそうで、ご近所付き合いがうまく行っていたのかも気になります。

でなければ、実は「医療センター『を』研究する組織」、つまりスパイ組織だったりとか。
差し当たっては、今の強い雨で、開いた窓から水が入って中が汚れてしまわないか、心配です。
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治験事務局、ということは (spkwt)
2019-11-01 12:21:26
成人病医療センターで何の研究を?と、かねがね謎に思っていた建物ですが、
「治験事務局」…この表示からすると、要するに資料置き場ないしは倉庫、よくて会議室、といったところでしょうね。
治験を実施すると、法の定めやらメーカーの要求やらで長期間保管しておかなければならない紙資料が山ほど発生するので、置き場所に苦慮する病院が多々あります。

もっとも、その奥に謎の検体が貯蔵されている可能性は否定できませんが…
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近くて遠い (taic02)
2019-11-02 00:04:26
小さい表札ながら、気づくと気になりますよね。全体の間取りを知りたいところです。
センター本体と頻繁に行き来するには、近くて遠い場所ですから、やはり倉庫的位置付けだったのでしょうか。
現役時代は、警備会社のシールなどあったか忘れましたが、個人情報などの保管場所としては、心もとない雰囲気もします。
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