広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

弘大前の押ボタン信号

2022-03-06 23:24:58 | 津軽のいろいろ
2021年12月の弘前の続き。※直近はバスの話
間が空いてしまったが、弘前大学文京町地区(文京町キャンパス)前の青森県道127号(富田大通り)周辺で、道路改良工事などいろいろ変化しているところまで記事にしていた。
それらと関係ない別の変化が、あと1つ生じていた。実際には、2020年12月中旬より前に変化していたようだ。
場所は弘大正門のすぐ横。
2019年末撮影

現在

2019年末撮影

(再掲)現在

押しボタン式信号の一式が、更新された。

ここで前提として、青森県警と秋田県警の信号機の方針の違いについて。
青森も秋田も、車両用信号機は設置される時期によって、電球式横型→(昭和末期頃)電球式縦型→(2000年代)LED式縦型→(2010年代)フラット型や低コスト仕様のLED式、と変化してきた。
最後の現行のフラット型・低コストタイプ世代では、秋田県警は縦型のままなのに対し、青森県警は横型に変更した。

また、小学校の前などによくある、基本的な構成の押ボタン式信号の設置方法も、両県で異なる。弘大前のような、信号が設置されない小さな道(校門等も含む)と、丁字路・十字路を構成する交差点。
(再掲)秋田市の押ボタン信号。小さな市道2本との十字路
↑秋田では、横断歩道の近くに停止線がある進行方向向きでは、交わる道を越えた位置に車両用信号機を設置する(上の写真右端)。したがって、信号柱が3本必要になる。

対して青森では、上記の条件であっても交わる道より手前、歩行者用信号機と同じ信号柱に、車両用も設置する(弘大前の場合、農学生命科学部方向から来る側)。信号柱は2本で済むものの、その向きの車両は、停止線に達するよりも手前で信号機が見えなくなる【7日補足・見えることを確認して位置を決めているとは思うが、運転者の視点の高さによってはなくはなさそう】、もしくは上を見上げないと信号機が見えないおそれがある。それは結果的には、ブレーキが遅れたか、信号無視したかのように見えてしまうことになる。実際、その条件下では、(本来は黄信号だけど)赤信号になった瞬間でも、止まらない(止まれない)車がわりと見受けられる印象がある。

ほかに、青森では車両向けに「押ボタン式」などの表示板を設置しないのも特徴的だが、これは別に構わないと思う。


そんなわけで、今回の更新は、以前と同じ位置に同等品を設置した、単純な更新。押ボタン箱も更新(後述)。
車両用は縦型を経ずに、電球式横型→LED式横型フラット型・低コストタイプになった。コイト電工製。
歩行者用は、
2020年9月 三協高分子製
三協高分子製の信号機は、秋田県ではほとんどないが、青森県は好む。富田大通り周辺では電球式時代から設置例があり、2008年にLED式も設置、新青森駅前にもあった。
電球式と比べると、LED歩行者用信号機はかなり薄くなっているわけだが、三協高分子のそれは他社と比べると厚ぼったく見える。2020年製でも変わっておらず、一瞬、中古品かと思った。



さて、交換される以前に使われていた信号機のこと。以下6枚は2018年撮影。
全国的な傾向として、押しボタン式や県庁所在地以外の信号機は、交換が遅い=古いものが残る傾向がある。また、青森県は秋田県と比べると、LED化は遅いようにも感じる。
したがって、秋田市では、電球式信号さえ残りわずかになり、(電球式の)横型や平成初期製の信号機はほぼなくなっているのに対し、弘前市内ではそれらがまだまだ残っている。
正門の向かい側の柱
車両用・歩行者用とも、金属でなく樹脂=ポリカーボネートでできた信号機。昭和末~平成初期にかけて、青森でも秋田でも多く採用されているが、経年で変色やヒビ、視認性低下が生じる。

ポリカーボネートの信号機は、実は上記、三協高分子がOEM元となって製造し、他の信号メーカーへ供給していた。だから、姿形はそっくりなのに、銘板だけが違うのが基本。
ただし、この車両用だけ、例外。

点灯する面=レンズの質感と色が独特。表面に規則正しくドットが打たれており(他に斜め格子などのものも)、青信号は緑でなく紺色っぽく、黄信号は橙色っぽく、赤信号はエンジ色っぽい。
小糸工業(現・コイト電工)では、車両用の樹脂製は、OEMでなく自社で作っていたそうで、これがそれ(銘板の記録も記録もないがたぶん)。なお、秋田市内でもかつてはちらほらあった。むしろ弘前ではあまりなかったかも。

歩行者用東側(大学側から渡る時に見る)

歩行者用西側。背後は弘大敷地内の桜
当然、いっしょに製造されたものがいっしょに設置されたかと思いきや…
東側銘板。昭和54年8月、小糸工業製

西側銘板。昭和54年9月、松下通信工業製
なんとメーカー違い!
車両用と違い、歩行者用は小糸でも三協高分子からOEMを受けていたそうだ。ただしその数は少なく、全国的に珍品とのこと(=小糸の樹脂製歩灯自体が少ない)。
松下通信工業(現・パナソニック系)は、当時はわりとあったようだ。

製造年月が1か月違い。
最初はオール小糸だったのが、1台が初期不良や早期の事故で壊れて、松下製に替えた可能性はなくはない。でも、工事の準備段階でまぎれてしまうなどして、最初から1台だけ松下製になってしまった、というところではないだろうか。


ところで、この弘大正門前と、北隣の国立弘前病院前の交差点の、1本だけ押しボタン動作となる横断歩道(前回の記事参照)の信号柱、押ボタン箱の上には、とある掲示が設置されている。正門前でも、少なくとも東側は今回は撤去されずに健在、西側はあった位置に「工事中」表示が貼られてしまっており、確認不可能。
けっこう大きいサイズ
なお、大学側は単独の信号柱(=柱ごと警察管轄)。こういう時、秋田県警は信号機と同時もしくは近いタイミングで柱も新しくするのが一般的だが、ここでは継続使用。【7日訂正】両側とも信号専用ではない、電信柱・電力柱を曲がりした設置でした。ということは、ほぼ向き合った絶妙な位置にちょうどよく柱がある、信号機にとっていい場所。
話がそれますが、今回の工事では、黄色い押ボタン箱も更新された。タッチ式だったかは忘れてしまったが、たぶん違ったか。
東側は以前と同じ北向きに設置。西側では上の写真の通り、前は南向き(バス停方向)だったが、更新後はほぼ逆側、正門から出てくる人が押しやすい位置に付け替えられていた。

「この信号は押ボタンを押しても 青になるまで時間がかかる場合 があります。 しばらくお待ち下さい。」
ふりがな付きの石井太丸ゴシック体。1990年代後半時点で設置されていた。

国立病院前の押しボタンは、他の3方向の信号サイクルに割りこんで青になるため、当然、待ち時間は生じてしまう。
一方、単純な押しボタンである弘大前も、たしかに待ち時間が異様に長いことがあるので、表示はウソではない。2021年12月は3分は待たされ、こんなに待たされたことは過去なかったような気もしなくはない。富田大通りの車の流れを滞らせないため、ボタンが押されてすぐ作動ではなく、隣の国立病院前の交差点と同期というか連動しているのだろう。そのわりには渋滞するけど…
秋田市でも、旧・秋田銀行保戸野出張所前、外旭川野村の隣などがそうだが、こういう掲示がなく延々と待たされるだけだから、弘前のほうが親切ではある。
県道が改良されれば(信号柱の移設や更新)、この表示もなくなってしまうかもしれない。


そんなわけで、実に41年にわたって、富田大通りや弘前大学正門を見守った信号機たちが役目を終えた。
ちなみに、秋田大学正門前も押しボタン式信号。こちらは横断歩道が2本あり(歩行者用4台)、緑色のデザイン化された柱と信号機、LED化やタッチボタン化もされている。こちらも県道拡幅があったが、41年の間で3回以上更新されていると思う。

今回は時間がなくて行くことができなかったが、大通りを南に進んだ、市立第四中学校南側の交差点にも、同年代の樹脂製信号機が残っていた。こちらは松下のほか、立石電機(現・オムロン)製のもあったのだが、やはり交換されたか。今後の課題。※2021年12月の弘前の信号機の続き

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5 コメント

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冒頭の写真で (あんなか)
2022-03-07 21:15:03
思い出したのですが今年の弘前市の降雪は1m超えまでいって
大雪だったそうですね。
雪降ろしで実家の手伝いに行ったとか。
押しボタン式の信号機、秋田では時差式にされていたりして減ってる印象です。
県立図書館と児童会館の間にある(山王大通りでは無くコンビニ近くの)信号機も前は押しボタンだったような?
あの信号は渡っている途中ですぐ赤信号になるので要注意です。
返信する
信号更新だけ? (FMEN)
2022-03-07 21:58:20
Youtubeで仙台の古い信号シリーズ見てると、秋田はムダに更新が早すぎる気がします。
すぐ付けたのに横だからと外したり、まだ生きているのに早々交換したり。
そんなに交換しなくてもいいのに、と。

ところで、県内は最近オーバーハング構造物が減ってる気がします。

https://blog.goo.ne.jp/fmenzakki/e/b882398dfc0c3faa15000576bb38cf40

で調べた可変式も他県は新しくしてるのに秋田は撤去。
楢山広小路みたいに外された行き先板もありました。
門型の高価な標識も撤去されたり、県南だとオーバーハング標識がなくなり今どんな規制かわからなくなりました。
たぶん雪を過剰に気にしてるんでしょうが、ムダな更新してるならこちらをどうにかしてほしい。
なんか信号絡みで癒着でもあるのか?となります。
弘前でまだ横ならタテなる大義名分も怪しいですし。

>>あんなかさん
山王のセブンイレブンのとこは図書館の出口がABS方面の一通しかないんで、仕方がないかも知れません。
返信する
コメントありがとうございます (taic02)
2022-03-07 22:44:56
>あんなかさん
秋田市もそうでしたが、昨年末の訪問時は無積雪だったのが、年明けに大雪に一変。青森市はもっとひどかったですが、今季はどこも厳しい雪と寒さでした。

押しボタンだと、押した人が渡り切るだけの青の時間は確保されてますからね。車の流れなど総合的なスムーズさや安全面では、通常の信号制御なのでしょうけれど。図書館・児童会館裏は、記憶の限りではけっこう昔(昭和末?)から、あの形だったはずです。

>FMENさん
信号機総数などにもよるのでしょうが、県別の交換数や費用を比較してみたいものです。
標識は安い設置方法のもので代替できるし、管理が大変という事情はありそうですが。
秋田県の信号機は、本体はそのまま、柱やアームのみ交換という工事もよく行われていて、無駄に感じています。弘前の状況と比べると、予算が潤沢なのかと思わずにいられません。
取り外された信号機がほかへ転用されたり、LED初期の信号機は老朽化による不具合も出たりといった事情もありますが。
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記憶違いでした (あんなか)
2022-03-10 21:40:09
やっぱり記憶違いでしたね。
FMENさんご返事ありがとうございます。

弘前と言えば城東地区にあるさくら野百貨店弘前店。
RABラジオによると1階が大規模リニュアールしたとか。
前はさくら野ではなくて弘前ビブレといってたんですが此処は衝撃的でした。
当時秋田市では探しても探しても無かったペリエが普通に売っていて「此処は川崎かそれとも渋谷か」と思いました。
驚く私を不思議そうに見る当時の妹の婚約者(今は妹のデカい尻に敷かれております。女房になると強い)。
ちなみに1階にあった大きな水槽は今も居あるのでしょうか?
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さくら野の水槽 (taic02)
2022-03-11 22:27:35
さくら野の水槽は、昨年11月で廃止されたとのこと。その跡も使っての、売り場リニューアルだったのだと思います。
正式には「アクアリウム渡嘉敷水槽」という名で、地元の子どもたちには「水族館」で親しまれていたとか。
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