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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

五能線等の新車両到着

2020-07-18 20:10:02 | 秋田のいろいろ
JR東日本がキハ40系気動車(ディーゼルカー)の後継として、新潟地区と秋田地区に導入することになった、新型車両GV-E400系。
新潟では昨年夏~今春で導入完了。※昨年乗車した記事

ついに秋田向け第1弾が完成し、18日昼に秋田に到着した。
GV-E400系について、簡単にまとめておくと、
・ディーゼルエンジンで発電して作った電気でモーターを回して走る「電気式気動車」。
※ハイブリッド式(=バッテリーも搭載される)ではないし、男鹿線の蓄電池式電車(=ディーゼルエンジンはない)とも違う。
・導入線区は、奥羽本線、五能線、津軽線とアナウンスされているが、主な運用区間は五能線と津軽線・蟹田-三厩間。
奥羽本線は秋田-東能代と弘前-青森で各1往復だけ、津軽線でも青森-蟹田では1往復だけになると思われる。これは車両の回送を兼ねて営業運転しているため。

GV-E400系は、公募調達方式により川崎重工業が全車両を製造。神戸の工場から秋田まで、貨物列車扱いの「甲種輸送」でほぼ一昼夜かけて到着。
甲種輸送は、愛好家向けの雑誌で車種やダイヤが公表されることが多いが、今回は掲載されなかったという。それでも、神戸や沿線の皆様のネットへの投稿により、こちらへ向かっていることは余裕を持って把握することができた。秋田側では、従来の甲種輸送のダイヤが若干変更されて、早く着いたとか。

18日午後、所属車両基地となる秋田車両センター(旧・南秋田運転所。一ツ森公園と金照寺山の間の奥羽本線)を覗きに行った。
城南中学校下の道のオーバーパスから見渡すと、南寄り・西側の検修庫(?)の外の線路にいた。ディーゼル機関車DE10 1759がこちら向きに連結されているし、そもそも奥まってよく見えない場所。

あきらめて仁井田福島をうろうろしていると、ディーゼル機関車の汽笛が聞こえた。急いで戻ると、
動いてる!
DE10がオーバーパス下付近までひっぱってきて停止。今度は逆方向に押して、検修庫の中へ押しこんだ。
DE10 1759・GV-E401-17(片運転台・トイレあり)・GV-E402-17(片運転台・トイレなし)・GV-E400-9(両運転台・トイレあり)
の順。初回はGV-E400系の各形式を1両ずつ導入ということか。
窓が1つ開いている

フロントガラスのグレーの縁取りは輸送時の養生

新潟のGV-E400系では、黒くてカクカクした先頭形状とともに、グラデーションのドットを並べた正面・側面の帯が斬新だった。
(再掲)新潟のGV-E400系
秋田向けでは、五能線だから青系統かなと予想していたら、とりあえず色は当たった。
でも、ドットでなく、普通の帯のグラデーション。やや太め?
下が紺色・上が白に近く、色の変換幅が大きいグラデーションで、総合的には水色ってところか。キハ40系の濃い青からは、若干イメージが変わる。

また、正面はよく見られなかったが、黒い地色部分にもグラデーションがつながっているようにも感じる。その分、側面とは若干ズレる?
新潟向け同様、向かって右・運転席フロントガラスの下に、小さめに「GV-E400」と書かれる。新潟では黒部分だったが、秋田ではグラデーションの薄い部分に重なっているので、分かりづらい。

暑かったけど、一瞬でも見られて良かった。

この3両は週明けにかけて、メーカー立ち会いで整備や試運転をして、正式にJR東日本に引き渡され、以降、乗務員などの訓練をして、営業運転に入る(秋? 冬?)ことだろう。そして、次々と新しい車が納品される。
導入区間は、秋田から三厩まで長距離かつまばらなダイヤ。特に車両基地の秋田へ行き来するダイヤは1つだけ。順次新車を増備しつつ、キハ40系と並行して使っていくのは、ダイヤ編成(新旧車両運用のやり繰り)で苦労するかも。※キハ40系とGV-E400系を連結していっしょに動かすことはできない。

来年度以降、列車本数は変わらないのか、性能上は可能と思われる時間短縮がされるのかも注目。
あと、男鹿線ではEV-E801系の増備もある。男鹿線では4両編成でのワンマン運転(中編成ワンマン)もやるとか。
そしてJR東日本では秋田が最後のとりでとなってしまったキハ40系気動車(リゾート列車改造車を除く)も、終焉を迎える。

【8月23日追記】8月23日に河北新報サイトに「五能線などへ新型電気式気動車を導入 JR秋田支社」が掲載。魁などは未報道。
「12月中にも運行を始める」「外装に日本海の水平線をイメージした青と白のラインを入れたほか、車内の座席の仕切りや天井は、世界遺産・白神山地のブナの木目を基調とした。」「計23両を導入する。」。

【9月6日追記】9月4日に、秋田車両センターで報道公開され、各社が伝えた。上記河北新報で伝えた点と相違なし。河北新報はどういう経緯でフライングできたのだろう。
車内は、色以外は新潟地区のものと変わりなさそう。
片側の2人ボックス席も変わらず、「秋田支社では初の1人掛け対面シート」とか「通路が広くなった」と伝えられた。
座席の色は、(水色でなく)青系の柄入り(他路線で見覚えのあるような柄)。

車体の帯色も座席の色も青で統一されている。五能線らしく「海の色」かなと予想はついていたが、報道公開で説明を受けているはずの各マスコミの伝え方が微妙に異なるのがおもしろい、というか、何社かはいい加減に書いているのではないかと疑いたくもなる。
秋田魁新報は「車体に「日本海と青空」をイメージした青のグラデーションのライン」「車内の座席は日本海をイメージした青色で統一」。
魁以外でも同様の伝え方が複数社あったが、NHK秋田放送局は、
「車体には、日本海と青い空をイメージした鮮やかな青のライン」
「車内のシートは、青森県深浦町の、五能線沿線にある十二湖を表現した青色で統一されている」
と、車内外でモチーフが違い、十二湖も出てくる。
NHKでは前日の予告で「奥羽線などを走る新型車両」と五能線の名を出さず、誤解されそうな伝え方で、最近の他のニュースも踏まえると心配だったが、今回は丁寧で詳細だったと思う。

新潟地区では、ピンク色=朱鷺色だった天井の中央部とドアと座席の仕切り板(袖仕切り)は、秋田では「白神山地のブナをイメージした木目調(これは各社大差なし)」。
テレビなど遠目に見ると、ただのベージュ色のように見えるが、薄めに木目模様が入っているようだ。

東能代駅での試運転の様子

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4 コメント

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ハイブリッド (あんなか)
2020-07-19 04:42:39
これは特ダネ写真ですね!
乗ってみたいものの秋田市住には余り縁が無さそうです。
日本では見掛けませんが電気機関車とディーゼル機関車をハイブリッドにしたのがフランス国鉄にあるみたいで
電化区間は電気機関車で非電化はディーゼル機関で発電機を回しモーターではするのがあるそうです。
CC 72000と言う機関車は電化・非電化とも時速160kmで走行するそうです。
その動画がYOUTUBEにあがっていたので貼ります。
「En cabine du CC 72121 de Troyes à Paris Est le 15 janvier 2017」
フランス北部のトロアからパリ東駅まで速力が殆ど変わりません。
ただ非電化はディーゼルの音が若干高いかなくらいです。
返信する
やっちゃった (あんなか)
2020-07-19 06:09:14
ごめんなさい。CC 72000はディーゼル機関車でエンジンで発電機を回す機関車でした。
B 82500という形式のディーゼルカーが非電化はエンジンで発電機を回し電化では架線から電気を取ってモーターを回すものでごっちゃになってしまいました。
返信する
Unknown (雪こまち)
2020-07-19 08:30:21
お久しぶりです。
ついに来ましたか!帯は薄めの青なんですね。
男鹿線の新型車も4両での運転に入るのですね。
701系も製造からだいぶ経ちますが、ステンレスボディですし、まだまだ長く活躍しそうですね。
また新たな情報待ってます!
返信する
コメントありがとうございます (taic02)
2020-07-19 19:11:02
>あんなかさん
今後は見る機会が増えるわけですが、初物ということで…
現行ダイヤ踏襲ならば、秋田駅で乗降できるのは、東能代発朝8時台の秋田行きと秋田発21時台の東能代行きで、たしかに乗りにくいです。あるいは五能線まで行くか。
世界の車窓からの長編のような映像でした。電気式気動車は、ヨーロッパでは古くから採用されていたそうで、今も受け継がれているのですね。昨年新潟で乗ったGV-E400系も、発進~加速がけっこううるさく、力強いという感じは同じかもしれません。
性能を活かして、秋田でも多少は時間短縮できると期待しているのですが…

>雪こまちさん
お久しぶりです。
現行車両を意識し、五能線らしい色の帯でしょうか。座席は新潟ではトキをイメージしたと思われるピンク系でしたが、秋田は何色でしょうか。
男鹿線は現行は5両編成がありますが、最長でも4両編成に。男鹿駅には充電設備を増備するらしいです。
来年以降は701系が古株になってしまいますね。
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