秋田県民会館跡地に、秋田県民会館と秋田市文化会館の機能を統合させた「あきた芸術劇場 ミルハス」が、2022年6月5日に“開館”した(今はプレオープン段階で、グランドオープンは9月23日)。※先日の市街地循環バス乗り入れの記事。
館内のカフェレストランがオープンしたほか、その他部分も公開されていて、休館日でなければ遅い時間(22時? 23時?)まで出入り自由なようだ。実際、昼間は、見物の人が多いが、僕はさほど興味がないので入っていません。
だけど、ミルハスができたら、ぜひ敷地内に入って眺めたい景色があった。それは、以前は“禁断の風景”とも言えるものだった。
ミルハスの敷地、南辺~西辺、特に西辺からの眺めである。
県民会館時代は、その西隣に私立秋田和洋女子高等学校が建っていた。
ミルハス建設に伴い、敷地を明け渡して(2020年に近くへ移転し、共学化して秋田令和高等学校に)、跡地にはミルハスの立体駐車場が建つことになった。
※当初は一般用駐車場は設けず、障害者や関係者のみが使える駐車場という話だったはずだが、今、公式サイトを見ると、「附属駐車場(2階建て)」として、誰でも使えると思われる194台分の有料駐車場があることになっている。
(再掲)Googleマップ航空写真に加筆
県民会館と和洋高校の敷地を合わせたミルハスの敷地は、東辺~北辺は公道に面していて、南辺~西辺は千秋公園のお堀・穴門の堀と接する。
南辺は、堀との間に大きなケヤキが何本も生える土手があるが、西辺はさえぎるものなく、敷地が堀端に位置する。
和洋の校舎は、その西辺のほぼ全幅、かつ水際ギリギリに建っていたので、ほかの場所や建物からでは見られない、独特の光景を見られたはず。そんなわけで、部外者は見られない、禁断の風景。
なお、以前の南辺は行き止まりで、一般人がどこまで立ち入っていいかよく分からなかった。隣が女子高だし。
ミルハスの設計が具体化した頃、和洋跡の駐車場に、外周を回る遊歩道を作るという計画を知った。禁断の風景が誰でも見られるようになるのだと、楽しみにしていた。
和洋高校校舎の解体が終わって、更地になったのが2021年初め。
(再掲)南西角を堀対岸から
南西角の大きなイチョウ(保存樹)は残った。
和洋の敷地より県民会館の敷地のほうが高くなっていて、間に土手(南辺と同レベル)がある。写真手前の南側では斜面も樹木も、おおむね残されたようだが、向こうの北側では駐車場通路ができて、高低差や大きなケヤキがなくなった。
駐車場完成後の同アングルの写真がないですが、どちらかと言えば実用性重視のデザイン、そこら辺にもありそうな立駐。
遊歩道に道路から出入りできるのは2か所。敷地の南東角と北西角。
前者は、ミルハス本体の正面に向かって左手・中土橋寄り。後者は、旧和洋高校の正面玄関に向かって右。
南東入口は階段
↑奥の土手の向こうが堀、背後右がミルハス正面、左が中土橋通りだが石垣でさえぎられる。
佐竹小路に面した北西角。手前の赤い路面を右へ入る
2018年8月。和洋高校(奥の建物が県民会館)だった当時のほぼ同じアングル
どちらも石垣や隣の建物に隠れて見つけづらく、しかも幅が狭くて、一般人は立ち入りできない通路のように見えてしまう。
ミルハスの施設管理は厳密なようで、立ち入りできない所には明確に表示がしてある。これら遊歩道入口にはそれがないし、遊歩道であることも小さいながら表示してくれているので、堂々と進入。
【7月8日追記】7月時点では、開放時間でも、和洋跡側の道路に面する位置に黄色いチェーンが張られていることがある。その横のチェーンは外れているし、掲示は変わっていないし、反対側にはチェーンはないので、従来通り通行可能。車を駐められないようにでもする意図なのかもしれないが、まぎらわしい。
「遊歩道は9時から20時までご利用できます」「眺望テラスを経由して施設を一周することができます」
そんなわけで、遊歩道の存在に気付かない見学者が多く、館内はたくさんの人がいたのに、遊歩道ですれ違ったのは3組だけだった。
なお、遊歩道の途中から館内に出入りできる所も2か所ある。後述。
では、北西から遊歩道へ。上の写真右側の通り、入ってすぐは隣に建物があるためか目隠しの板がある。そして、
禁断の風景へ
↑左の階段を上がると、立体駐車場内を通って、館内(1階?)へ入れるようだ。
右に等間隔に立つ棒は、照明のようなので、腰掛けないように。遊歩道の幅は一定ではなく、
狭くなった
堀端といっても、水に手が届くほど近くはない。岸辺から雑草(一部キショウブ=外来種も)が生える。
振り返って北方向。奥左の古い高い建物は秋田なまはげ農業協同組合
西辺には桜が数本生えていたのだが、和洋解体時に伐られた。残しても良かったのでは。
切り株?
解禁された禁断の風景。といっても、
この程度。高い建物は秋田中央警察署
対岸の堀端の建物の裏面は、これまで見られなかったけれど。
左に折れて数段の階段の上には、
南西角のイチョウ
校舎側に枝を伸ばせず、堀側にだけ枝を伸ばしていたが、これからは敷地内側にも広がるかな。→2024年秋の状況。
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イチョウの下は開けて広くなっていて、南側・広小路も見渡せる。
【10月22日追記・このイチョウはメスで、秋には下にギンナンを落とすとのこと。】→2024年秋の記事。
秋田キャッスルホテル、木内、協働社跡のマンション
対岸のポケットパークには、2010年に「親水デッキ」の名で設置された浮桟橋が係留(2012年に移動)されているのだが、閉鎖され使われていないまま。
イチョウ下からは南辺を東に進み、ミルハス本体方向へ。
すぐに長い階段
階段をまっすぐ上るとミルハス本体だが、途中で左に分かれて、立体駐車場の2階へ出入りできる。
イチョウ下から駐車場1階へは立入禁止だったが、2階は使っていないのか何も書いてなかったのでおじゃま。
右奥の丘は千秋公園
2階から遊歩道西辺
2階から広小路・エリアなかいち方向
まっすぐの階段の先が、
ミルハス本体南西角
ここが「眺望テラス」らしい。ここからも館内(3階)に出入りできる。ただ、ここになると土手のケヤキなど草木が繁茂していて、眺望はさほどでもない。
本体建物と土手の間に遊歩道が続く。建物の1階より高い位置なので、ウッドデッキ風の路面に変わる。ケヤキの木陰で気持ちいい。
階段2つで下りる
あとは、最初の南東角で中土橋へ出る。
階段が多いので、ベビーカーや足腰の悪い人には不向き。9時からだから、早朝の散歩には使えない。西辺は午後は西日がきつい。冬や夜は通るのが不安かもしれない。南辺は落ち葉の掃除が大変そう。
でも、天気のいい昼間なら、いい散歩道になりそう。歩道がなく、一部見通しが良くなく、ちょこまかと車が通る(一方通行逆走車までいる)公道よりも安全。
【13日補足】距離としては、西辺・南辺それぞれ130メートル程度なので、計260メートルほど。北辺~東辺の公道を通ると、一部外側に膨らんだ線形なので280メートル強(段差はない)。
犬の散歩など動物を連れての通行は可能なのだろうか、それに、平坦な北西側からは階段を知らずに自転車で入ってしまう人もいるかもしれない。そのようなルールを作って、表示する必要があると思う。
【19日追記】周辺に古くから住む人にこの遊歩道の存在を教えると、喜んで歩きに行って、新鮮な風景を楽しんだようだ。
昔の穴門の堀で、スケートやボートができたのは有名な話だが、終戦直後・昭和20年代頃には和洋高校付近で泳いだとか、県民会館が建つ前の敷地には秋田県記念館のほか、戦後には秋田市の児童館? もできたとか、そんな思い出も聞くことができた。
【8月3日追記】その後、7月下旬頃から、遊歩道のうち、中土橋側出入口~南辺のケヤキの下の区間が常時閉鎖されている。理由は不明。正面~館内~展望台テラス~西辺堀沿い遊歩道~和洋高校正面跡 のルートを取ることはできる。
【8月19日追記】さらにその後8月19日までには、閉鎖解除。当初のように外側で通り抜けられる。
【2023年2月2日追記】積雪がある2月2日時点では、和洋跡も含めた堀沿い全区間が冬季通行止めとされていた。
館内のカフェレストランがオープンしたほか、その他部分も公開されていて、休館日でなければ遅い時間(22時? 23時?)まで出入り自由なようだ。実際、昼間は、見物の人が多いが、僕はさほど興味がないので入っていません。
だけど、ミルハスができたら、ぜひ敷地内に入って眺めたい景色があった。それは、以前は“禁断の風景”とも言えるものだった。
ミルハスの敷地、南辺~西辺、特に西辺からの眺めである。
県民会館時代は、その西隣に私立秋田和洋女子高等学校が建っていた。
ミルハス建設に伴い、敷地を明け渡して(2020年に近くへ移転し、共学化して秋田令和高等学校に)、跡地にはミルハスの立体駐車場が建つことになった。
※当初は一般用駐車場は設けず、障害者や関係者のみが使える駐車場という話だったはずだが、今、公式サイトを見ると、「附属駐車場(2階建て)」として、誰でも使えると思われる194台分の有料駐車場があることになっている。
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県民会館と和洋高校の敷地を合わせたミルハスの敷地は、東辺~北辺は公道に面していて、南辺~西辺は千秋公園のお堀・穴門の堀と接する。
南辺は、堀との間に大きなケヤキが何本も生える土手があるが、西辺はさえぎるものなく、敷地が堀端に位置する。
和洋の校舎は、その西辺のほぼ全幅、かつ水際ギリギリに建っていたので、ほかの場所や建物からでは見られない、独特の光景を見られたはず。そんなわけで、部外者は見られない、禁断の風景。
なお、以前の南辺は行き止まりで、一般人がどこまで立ち入っていいかよく分からなかった。隣が女子高だし。
ミルハスの設計が具体化した頃、和洋跡の駐車場に、外周を回る遊歩道を作るという計画を知った。禁断の風景が誰でも見られるようになるのだと、楽しみにしていた。
和洋高校校舎の解体が終わって、更地になったのが2021年初め。
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南西角の大きなイチョウ(保存樹)は残った。
和洋の敷地より県民会館の敷地のほうが高くなっていて、間に土手(南辺と同レベル)がある。写真手前の南側では斜面も樹木も、おおむね残されたようだが、向こうの北側では駐車場通路ができて、高低差や大きなケヤキがなくなった。
駐車場完成後の同アングルの写真がないですが、どちらかと言えば実用性重視のデザイン、そこら辺にもありそうな立駐。
遊歩道に道路から出入りできるのは2か所。敷地の南東角と北西角。
前者は、ミルハス本体の正面に向かって左手・中土橋寄り。後者は、旧和洋高校の正面玄関に向かって右。
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↑奥の土手の向こうが堀、背後右がミルハス正面、左が中土橋通りだが石垣でさえぎられる。
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どちらも石垣や隣の建物に隠れて見つけづらく、しかも幅が狭くて、一般人は立ち入りできない通路のように見えてしまう。
ミルハスの施設管理は厳密なようで、立ち入りできない所には明確に表示がしてある。これら遊歩道入口にはそれがないし、遊歩道であることも小さいながら表示してくれているので、堂々と進入。
【7月8日追記】7月時点では、開放時間でも、和洋跡側の道路に面する位置に黄色いチェーンが張られていることがある。その横のチェーンは外れているし、掲示は変わっていないし、反対側にはチェーンはないので、従来通り通行可能。車を駐められないようにでもする意図なのかもしれないが、まぎらわしい。
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そんなわけで、遊歩道の存在に気付かない見学者が多く、館内はたくさんの人がいたのに、遊歩道ですれ違ったのは3組だけだった。
なお、遊歩道の途中から館内に出入りできる所も2か所ある。後述。
では、北西から遊歩道へ。上の写真右側の通り、入ってすぐは隣に建物があるためか目隠しの板がある。そして、
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↑左の階段を上がると、立体駐車場内を通って、館内(1階?)へ入れるようだ。
右に等間隔に立つ棒は、照明のようなので、腰掛けないように。遊歩道の幅は一定ではなく、
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堀端といっても、水に手が届くほど近くはない。岸辺から雑草(一部キショウブ=外来種も)が生える。
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解禁された禁断の風景。といっても、
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対岸の堀端の建物の裏面は、これまで見られなかったけれど。
左に折れて数段の階段の上には、
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校舎側に枝を伸ばせず、堀側にだけ枝を伸ばしていたが、これからは敷地内側にも広がるかな。→2024年秋の状況。
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イチョウの下は開けて広くなっていて、南側・広小路も見渡せる。
【10月22日追記・このイチョウはメスで、秋には下にギンナンを落とすとのこと。】→2024年秋の記事。
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対岸のポケットパークには、2010年に「親水デッキ」の名で設置された浮桟橋が係留(2012年に移動)されているのだが、閉鎖され使われていないまま。
イチョウ下からは南辺を東に進み、ミルハス本体方向へ。
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階段をまっすぐ上るとミルハス本体だが、途中で左に分かれて、立体駐車場の2階へ出入りできる。
イチョウ下から駐車場1階へは立入禁止だったが、2階は使っていないのか何も書いてなかったのでおじゃま。
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まっすぐの階段の先が、
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ここが「眺望テラス」らしい。ここからも館内(3階)に出入りできる。ただ、ここになると土手のケヤキなど草木が繁茂していて、眺望はさほどでもない。
本体建物と土手の間に遊歩道が続く。建物の1階より高い位置なので、ウッドデッキ風の路面に変わる。ケヤキの木陰で気持ちいい。
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あとは、最初の南東角で中土橋へ出る。
階段が多いので、ベビーカーや足腰の悪い人には不向き。9時からだから、早朝の散歩には使えない。西辺は午後は西日がきつい。冬や夜は通るのが不安かもしれない。南辺は落ち葉の掃除が大変そう。
でも、天気のいい昼間なら、いい散歩道になりそう。歩道がなく、一部見通しが良くなく、ちょこまかと車が通る(一方通行逆走車までいる)公道よりも安全。
【13日補足】距離としては、西辺・南辺それぞれ130メートル程度なので、計260メートルほど。北辺~東辺の公道を通ると、一部外側に膨らんだ線形なので280メートル強(段差はない)。
犬の散歩など動物を連れての通行は可能なのだろうか、それに、平坦な北西側からは階段を知らずに自転車で入ってしまう人もいるかもしれない。そのようなルールを作って、表示する必要があると思う。
【19日追記】周辺に古くから住む人にこの遊歩道の存在を教えると、喜んで歩きに行って、新鮮な風景を楽しんだようだ。
昔の穴門の堀で、スケートやボートができたのは有名な話だが、終戦直後・昭和20年代頃には和洋高校付近で泳いだとか、県民会館が建つ前の敷地には秋田県記念館のほか、戦後には秋田市の児童館? もできたとか、そんな思い出も聞くことができた。
【8月3日追記】その後、7月下旬頃から、遊歩道のうち、中土橋側出入口~南辺のケヤキの下の区間が常時閉鎖されている。理由は不明。正面~館内~展望台テラス~西辺堀沿い遊歩道~和洋高校正面跡 のルートを取ることはできる。
【8月19日追記】さらにその後8月19日までには、閉鎖解除。当初のように外側で通り抜けられる。
【2023年2月2日追記】積雪がある2月2日時点では、和洋跡も含めた堀沿い全区間が冬季通行止めとされていた。
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