あけましておめでとうございます。
新年さいしょなので、
幸せ+寿司(ハレの料理)
というお題で。
おそらく「幸寿司」というお店は
日本中にたくさんあるだろう。
私の知るのは、愛知県刈谷市に。
70年を超える老舗で、けれど
店構えは超おしゃれな和モダン
建物だけでなく、三代目は
ワインソムリエの資格者で
店の奥にワインセラーを置き、
葡萄酒と合う寿司の提供も
日々研鑽している。
さらにデザートも季節を意識し、
独創でつくりあげ、
ランチにセットされちゃう。
なのに1500円(平日のみ)
現在の店構えになったのは35年前。
昨今珍しくなくなったデザインも
当時はまさに新しく、
1925年創刊の専門誌「新建築」でも
早々に取り上げられていた。
1階はカウンター席、寄席
(小上がりの畳敷きに
座すかたちと、テーブル椅子の
2タイプ)に個室、さらに2階には
最大80名の座敷もある。
その階段は刀を振るのに充分な
昔の幅があるから
『蒲田行進曲』の階段落ちも可能。
寄席はあえて並行を嫌った造りで、
天井の灯りは「ねぶた」をイメージ。
刈谷には津軽の大祭に似た
220年続く万燈祭(まんどまつり)が
あるけれど、関連があるかは
確かめていない。
写真の格子の向こうにカウンター。
三間はあろう分厚い一枚板の中に
二代目の大将と三代目若大将が立つ。
トイレにも趣向があって。
鹿威しみたいな竹から流れ落ちる
手洗いで、男性小便器内には
葉が敷き詰められていた。
と書いても書いてもキリがない
もう、ほぼ「料亭」です。
「幸寿司」の物語は
表の戸を開けた瞬間から始まる。
薄明かりの石畳のアプローチが
非日常に誘い、食のワクワク感を
醸成されて席へ⋯⋯。
まぁ、百聞は一見に如かず。
刈谷にお越しの折は、
いや名古屋や豊橋あたりから
足を運んでも損はありません。
2025。昨年以上にヘビーな年に
なりそうですが、
一人ひとりは元気で行きたいもの。
今年も宜しくお願いいたします。