麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

よぉ

2013年05月31日 | 制作公演関連
折込に行った。
テアトル・エコーの公演に。
場所は恵比寿。彼らの拠点。

稽古場は渋谷。
電車に一駅乗るか、歩くか。
乗っても駅から東急本店あたりまでは歩く。
『ヘッダ・ガブラー』の会場は
恵比寿と渋谷の間にあるから、
その下見がてら徒歩を選択。
これが奇跡のとっかかりになる。

時刻は三時過ぎ。
昼食がまだだった。
せっかくだから、滅多に歩かない
明治通り沿いの店に入ろうと
定食、カレー、そば、パスタetc…
飲食店を見つけては店の雰囲気と、
忘れてはいけない値段を吟味しつつ進んだ。

もうじきルデコという、
渋谷駅まで10分弱と思われる場所の
味噌ラーメン店に吸い寄せられた。

実は醤油派で、次に塩。
たまに食べたくもなるけれど
僕の中では順位が低い味噌ラーメン※
けれど昨日は何故だか足が止まった。

(※=でも味噌汁は大好きだし
味噌焼おにぎりは得意料理の一つだ)

カウンターのみの店。
時間的にお客は三人。
ぽつりぽつりと間隔をとって座っていた。
その真ん中の男の横顔が知人に似ている。
凝視。
やはり武重だ。

「よぉ」
まるで待ち合わせしてたみたいに
彼の隣の椅子に掛けた。

あの界隈にいったい何軒の「めし処」があるのか。

渋谷警察の向かいの釣具屋に務める彼とは
幼稚園から高校まで同じなのに、
クラスが一度も一緒になっていない希有な友人。

確かに彼の昼休みは、三時過ぎと以前聞いた。

その店は彼がよく利用していて、
ただ地価高騰の影響で
だんだん駅から離れていって、
つまり常連になった頃は
もっと勤め先に近かったらしい。

てな要素を「人生の寸胴鍋」にいれ
掻き回した結果、偶然の遭遇となった。

武重に聞く「お勧めは?」
「赤味噌」と答える。
ほかにたいした話はない。
ずるずるラーメンをすすりながら近況を語り、
彼は職場に、僕は稽古場に渋谷駅まで
肩を並べてさらに他愛ない話をし、
最後は市が尾に780円の床屋が出来た
と彼から聞いて別れた。

アトリエ・センターフォワード
『ヘッダ・ガブラー』初日まで
六日と迫った昼下がりの話。
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登場人物が悉く西洋人の芝居の功罪

2013年05月29日 | 制作公演関連
一昨日は『ヘッダ・ガブラー』の
さわりを紹介したけれど、
他にもブラック判事(辻親八)や
ユッレ・テスマン(有希九美)
・・・彼女はヘッダの夫の
イェルゲンの叔母・・・
そして使用人のベルテ(小杉美香)
と、登場人物は当たり前だが
皆横文字の名前ばかりだ。

で、人によっては、
もぉこの時点でOUTって言います。
名前が覚えられないから
誰が誰だか判らず、従って
物語に入ってゆけない……と。

エルヴステッド夫人(小暮智美)は、
ある時は「テア」と呼ばれたりして、
こんなんも混乱の要因だ

まぁこれは観劇に限らず
読書でも言えて。
かく言う僕も「そっち派」だ。
文庫本のカバーの折れた部分に
登場人物が書かれたやつは
大変助かります閑話休題。

ただ芝居は三次元の芸術で、
実際の人物がしゃべってくれる分
その問題は若干和らぐのである。

和らぐけれど、今度は
明らかに日本人が西洋人風な
身振り手振りで話すのが
生理的にダメっ、これもまた聞く。

西洋から演劇が入って以来
演劇人はその課題と戦っていて、
だいぶ解消されて来ているとは思いますが。

以上、長い一般論。

で、アトリエ・センターフォワード。
これまで七回の公演は全て主宰・矢内の
オリジナル戯曲を自ら演出して来た。
今回初めて既製の戯曲に挑み、
それを「海外戯曲シリーズ」と銘打ち、
「洋の東西や時代を問わず、愛や業の
ぶつかりあう海外戯曲を選び(以下略)」
とチラシなどに謳っている。

つまりACFとしては第一弾。
でも実は既に鮮やかに演出済みである。

日韓演劇交流センター主催の
《韓国現代戯曲ドラマリーディング》の
三作品の一編『月の家』。

まさに愛と業の戯曲であった。
僕は制作の一人として、
稽古場から一緒にいたけれど、
非常に素晴らしい作品に仕上がった。
2011年2月のことだ。

てなわけで、あれは東洋だったし、
現代だったけれども、それを超越して
「西洋戯曲が苦手な方々にも
自信満々でお届けできる舞台!」
……に着々とまっしぐらに進んでるよ
と、言える初日まで一週間前です。

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妻が家を出る芝居と現実

2013年05月27日 | 制作公演関連
イプセンの『ヘッダ・ガブラー』は、
新婚旅行から帰ったヘッダ(渋谷はるか)と
夫のイェルゲン・テスマン(吉田テツタ)が
大臣未亡人の住んでいた邸で
新たな生活をスタートさせる、
そんな場面から始まる芝居で。

そこにヘッダの学友テア(小暮智美)が
訪ねてくるあたりから
静かに物語が転がり始めます。
テアは子供の家庭教師を務める
エイレルト・レーヴボルグ(井上裕朗)を
案じて田舎から町に出てきたのだ。

【文中敬称略】

さて我が妻は、反対に、
今日から田舎(磐田)に帰った。
母の退院に合わせてとの公式コメントだが
ちょうど劇団東演が磐田で公演するから
木山事務所で一緒だった内田龍磨や
『シベリア』で共演した早野ゆかり
。。。客演の両名はもちろん、
何より東演の二枚看板
南保大樹と古田美奈子が
かみさん主宰のラヴィニアに
過去に出演していたりもしていて、
そんな彼らの陣中見舞が
どうやら訪磐の真意のようだ。

翻って再び『ヘッダ~』。
アトリエ・センターフォワードの
第8回公演。
こちらも言葉とは裏腹の心理が
巧みに描かれた戯曲であります。
その攻防をいかに精密に、
と同時にどれくらいエキサイティングに
表現し得るか日々探求する、
渋谷のアジトでの稽古。

(衣装の有島由生の肩越しの
中央が演出の矢内文章。
その向こう楽器を抱えているのは
ベルテ役の小杉美香)

あ、アジトは正式名称ではないっす。
トイレにドアがなく布製のカーテン。
個室まで稽古スペースから少し距離があり、
稽古場の端の柱に板きれで「使用中」と
立て掛けるルールだ。
天井の空調も剥き出しで正に「アジト」。
そんな風情なのだ。


公式ホームページはこちら。
http://centerfw.net/
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キズナと白雲を望む

2013年05月26日 | 身辺雑記
第80回東京優駿
一番人気のキズナが勝ちました。
無敗でのクラシック三冠馬
(史上2頭目)ディープインパクトを
父に持つ親子二代のダービー制覇。

鞍上の武豊は、2005年その名馬で
勝って以来のダービー5勝。
前人未到の大記録

東京競馬場は大興奮のようでした。
が、僕はあまり詳しくないので
むしろ1932(昭和7)年からの
長い歴史にある感慨を覚えました。

80年は「日本ダービー」であり、
西洋式の競馬自体は1860年、
万延元年まで遡るそう。
江戸時代っすよ、…江戸

今日千秋楽を迎えた
青年座スタジオ公演No.115
『白雲を望む』
(作/霜康司、演出/山本龍二、
企画・製作/高松潤)は、
桂小五郎、坂本龍馬、西郷隆盛ら
幕末から明治にかけた偉人達が
これでもかって勢いで登場する
歴史活劇でした。

「青年座スタ公」の一つの系譜
時代劇の良き血脈を感じる
熱い舞台。

ただ主人公は何たって
「逃げの小五郎」ですから、
龍馬や高杉を芯に据えた熱さ
とは一線を画した・・・
サッカーでいえば、彼らは
ゴールをガンガン狙う
ストライカーに似ていて、
一方、小五郎はボランチタイプ。

中盤の底から広い視野で
冷静にゲームを組み立てる、
けれど内面は激しく燃えている。
そういう熱が作品全体にあって、
またそれは、企画製作の高松の
キャラクターとも相まっていた。

そんな青年座から客演に迎えた
小暮智美が出演する
アトリエ・センターフォワード
『ヘッダ・ガブラー』は
いよいよ6月5日から。
10日後でごわす。

観劇したのは昨日昼。
文中敬称略
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ベストイレブン

2013年05月23日 | 身辺雑記
5月22日、Jリーグは
ナビスコ杯予選第七節。
我がマリノスは敵地で
清水を2対1で下し
A組を首位通過しました

昨日はまた東京スカイツリー
一周年のちょうどその日と
ニュースで知りました。

さてJリーグは今年二十年目。
人間でいえば成人式。
その記念イベントの一つとして
ベストイレブンを選出した。

GK=川口能活
DF=松田直樹、中沢佑二、井原正巳
MF=遠藤保仁、中田英寿、
中村俊輔、名波浩
FW=三浦知良、中山雅史、
ストイコビッチ

選んだのはサポーター。
大変まっとうな結果だと思う。

我がマリノスから半数の五人。
引退時や現在の所属は違っても
川口、松田、中沢、井原、俊輔が
横浜FMのプレーヤーだと言って
異論のある者は少ないはずだ。

しかもキーパーとディフェンダー
独占である。
堅い守備からビルドアップ。
中盤には和司が、上野が、俊輔が
華麗なパスやドリブルを繰り出す。
それがチームの形だ。

アトリエ・センターフォワード。
矢内文章の演劇ユニットも
来月公演の『ヘッダ・ガブラー』に
ベストイレブン…まあ出演は七人だが
…要は最強メンバーを揃えた。

気づけば初日まで二週間を切った。
役者同様、制作も追い込み時期だ。
このブログもしばらくは
『ヘッダ』絡みの話中心のなります。

5月23日。前述ベストイレブン
MF部門で七位の藤田俊哉の
今日は引退試合。
このあと国立でキックオフ!
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かさす

2013年05月22日 | 身辺雑記
昨日、折込チラシを亀戸に納入。
少し早かったので代行業者が開くまで
近くの公園で一服(^ .^)y-~~~
メールの返信等していたら、
「蚊」に「刺」されていた。右二の腕裏を。
今年一発目だ。

チラシといえば、ちょいと前まで
手紙にチラシを添えたDMが定番だったが
最近は封書がめっきり減り、
もっぱら一斉メールになった。
せめて同時送信じゃなく一通ごと……
と差別化を試みる御仁もいるが、
気持ちとしては手紙の体裁だから
いずれも時候の挨拶を添えたものが多い。

その頭書に夏が踊る季節。
「蚊」が出るのも不思議じゃないし、
昨夜は我が家の屋上在住の
ヤモリも今季初御目見え\(^O^)/

我が家の玄関脇街灯で獲物を狙っていた。

実は彼(または彼女)の相方が
少し前にマンション駐車場で轢死していた。
喪中のヤモリなのだ。

子供が昨年できているはず。
片親で育てるのは大変だろう。
《おまえの母さん(または父親)は
車に「殺」されたんだよ。
あいつには気を付けてね》と囁きながら
獲ってきた虫をたべさせているのか?

そもそも成長が早く、もう独立したのか?
ヤモリの生態に詳しくないから解らない。

解っているのは、もう「夏」ってこと。

今日は午前中にシアターカイで
『ROSE』打ち合わせ。
さぁ僕は僕で『BENT』から衣更えせねば。

※※※※※

蛇足。題名の『かさつ』は
火曜サスペンス劇場の略ではなく
今季最初の「蚊刺」の話で、
ついでに「夏」と「殺」にも
少し関わりがあったりします。
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東九条の夜は更けて・・・

2013年05月20日 | 制作公演関連
はすいけタイムス『BENT』
京都公演が無事終幕しました。

18日昼の舞台は15時45分に
温かい拍手に包まれて緞帳をおろし、
その後アフターイベントを
約一時間半開催・・・長い時間
お客様におつきあい頂いての
大団円となりました。

打ち上げは、京都駅の南にある
京都芸術文化会館からぐっと下って
駅の北、東九条の「玖伊屋」にて。

「くいや」は、京都を中心に
さまざまな性現象 (異性装、
トランスジェンダー、同性愛、
バイセクシャル、半陰陽など)
の理解を深める活動をしている
拠点であり、ほかにも
在日外国人や同和問題を考える
場所なのだという。

まさに『BENT』にふさわしい
打ち上げ会場であった。
前段アフタートークのゲスト
土肥いつきさんがスタッフである縁で
お邪魔させてもらった。


で。
ついさっき歌い終わったばかりの
鈴木重子さんバディタイムさんが
冒頭から歌いまくって、
早々に盛り上がった
キャスト・スタッフだけでなく
お客様も交えての宴。


料理は玖伊屋の料理自慢による
チヂミ、チャプチェ、サムギョプサル等々
韓国料理にお寿司
こちらは蓮池の元職場の先輩から。
頂き物といえば劇場での差し入れも
テーブルに次々並び・・・
いやあ~飲んで食べました。



その日のうちに親戚の結婚式や
久しぶりの帰郷のため、
或いは翌朝のライブに
移動する者もいたけれど、
多くは長い夜を過ごしました。
東京から京都・・・
少ないステージながら濃厚だった
『BENT』のことを。
あるいは、この舞台を僕の街でも
(打ち上げには京都以外の関西の方も
多くいらしたので)との声に、
はすいけタイムスの次なる展開を…。

そして明日午前。
荷降ろしをして完全終了です。
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京都、晴天、本日も朝から・・・

2013年05月18日 | 制作公演関連
通常、幕を開けたら
少しゆっくりできるのだが。

はすいけタイムス『BENT』
千秋楽は超豪華なゲストを迎え
アフターライブ&トークを開催
。。。しちゃうのだ。ので、
そのリハーサルをすべく
本日も朝から劇場に入りました。

鈴木重子さんと
バディタイムのセッション(左奥)。
右手前は舞台監督。

下は、それを見守る他の出演者や
『BENT』のキャスト・スタッフ。


詳細はHPに譲りますが・・・
http://www.hasuiketimes.jimdo.com

これだけで一つのイベントとして
有料で成立する企画が、
お芝居のおまけとして終演後に。


話はまるで変わるが・・・
ホテルの近くに「本能寺」。
京都市役所も近い場所で、
「こんな町中にあったんか~」と
昨夜気づいて驚いたと、
小屋に向かう車でぼそっと言ったら
多くの人に共感された。

なんか山ふところにあるって
イメージでしょ?

そしてこの舞台も・・・
いろんな生き方があって、
つい「あるイメージ」に捕われるが
知ることによって変化する。
そんな作品なのであります。

千秋楽、少しでも多くの人に
伝われば幸いです。

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丸太町通りの路地裏で

2013年05月17日 | 制作公演関連

はすいけタイムス『BENT』
京都公演の初日、只今本番中。

一枚一枚積み上げたチケットは
東京から持ち込んだ
控えめな予想で作った
リーフレットやアンケートでは
足らないことが判明した。

ゲネの時間、劇場を抜け出し、
南に下り、西に折れて
京都労演の事務所へ。

その途中の路地裏に、
冒頭のお医者さんはあった。
見事な日本家屋の西洋医院。


あるいは昭和の香り満点の
草履屋さんがあり、
かと思えば古民家を改装した
おしゃれなカフェが点在する。



今や日本のあちこちに
見られる風景ではあるけれど。
その深みにおいて「古の都」は
貫禄が違う気がする……。

さて。
マーティン・シャーマン珠玉の戯曲。
《自分を大切に生きる》ことを謳う
こちらの作品の深みも貫禄十分。

はすいけタイムスは初演から、
チケット同様に少しずつ
身の丈にあわせステージを重ねてきた。

俳優・蓮池龍三が上演までに
費やした時間まで含めると
十年以上になる……。

まもなく初日の幕が降りる。
どんな反応が返ってくるか、
不安と期待の入り混じる
終演まで20分。楽屋にて。
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河原町通でスタンバイ

2013年05月17日 | 制作公演関連
10時小屋入り。
前乗り組はホテルから車で
乗り打ち組はタクシーで。

キャスト、スタッフ各々準備して
場当たりスタート。

中央後ろ向きは舞台監督の辰巳氏。

本日の流れの説明など。

さて
昨夜退館してホテルに入ると
まもなくして中学生が、
先生に引率されてやって来た。
「フロント前は空けて並んで」
「班長先頭に一列~」等の
声が飛ぶ中、滅多矢鱈子供たちが
おとなしいのが逆に驚きだった。

さほど広くないロビーに入り切る
恐らく100人に満たない数。
ほんとうに少子化なのだな
と改めて思った。

などと書いているうち、
場当たりは順調に進んでおり
楽屋の僕はエアモニの音が頼りだが
もう二幕に入っている。

「まったなしスタジオ」とは
舞台の寸法がまるで違うから…
そのあたりチェックしつつ。

そう、ここ河原町通に面した
通称「文芸」さんは間口七間半、
奥行六間という劇場だ。
キャパは400ちょい。
最後尾からも舞台が近い
しゅっとまとまった小屋。
劇場スタッフも皆親身で
大変スムーズに進行中!

いよいよ本番まで六時間半。
飛び込みのお客様、歓迎です。
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