正式名称は演劇集団円。
1975年、劇団雲から袂を別ち設立。
46年の歴史を刻むが、「まだ」とも言えるのか。
芥川比呂志、中村伸郎、仲谷昇、橋爪功、
と続く劇団代表の名前を並べただけでも圧巻。
新宿、沼袋、浅草と拠点を移し、現在は三鷹。
その間に・・・
前述の歴代代表以外にも岸田今日子、三谷昇、
渡辺謙、朴璐美などなどを世に出した。
・・・そして、内藤裕子。
作家であり演出家であり、
グリーンフラワーズというユニットでも活動。
通称(あるいは自称?)グリフラの代表作
『かっぽれ』は演劇鑑賞会の例会作品になっており、
さらに遡れば2015年、演劇集団 円での『初萩ノ花』が
第22回読売演劇大賞優秀作品賞受賞。
また同じく円で昨年末に上演された『光射ス森』は
圧倒的な評価を得た。
そんな内藤の最新作は、名取事務所公演『灯に佇む』。
弊団から加藤頼も客演に招かれた舞台。
これも素晴らしい作品でした。内藤らしい「あたたかい」本。
ちゃんと人間がいる戯曲でした。
良い人は良い人、悪い人は悪い人、そういう解りやすい本も
あって良いのだけれど、どうしたって薄っぺらい。
2021年に丸山ワクチンを題材にして。
でも、しっかりと現在の芝居として建っていた。
……書きたいことだらけだが、一度筆を置く。
演劇界で注目を集めている書き手は多いけれど、
いまトップを走っているのは、内藤なのかもしれない。
下北沢の小劇場B1にて。10月3日まで。
残念ながらチケットはもうないかもしれません…。
【文中敬称略】