麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

匿名/希望/4

2019年11月25日 | 俳優座
対面舞台。
その壁面と床は鏡のよう。
その上空には雲……恐らくは
脳を扱う芝居だから神経だろうか
……が張り巡らされている。

そんな舞台上に一台のピアノと
四脚のスチールチェア。

劇団俳優座公演No.339『インコグニート』
11月12日~24日の全12ステージを終えた。



何度も書いてきたけれど、
口コミやネットの評判でチケットが伸び、
3日目以降は全てソールドアウト!
観られなかった皆様、再演をご期待ください。
……まだ具体的には決まっていませんが

写真一枚目はキャスト四人。
右から安藤みどり、野々山貴之、
志村史人、保亜美。

下は真ん中に演出・眞鍋卓嗣。



さて。
前回紹介した茂木健一郎氏は、
アフタートークでも詳しくは
自身のブログでと言葉通りに、
以下の感想をアップして頂きました。

【安藤みどりさんは、素材としての
自分と全く異なる人物、キャラクターを
まとうという意味において
演劇の最良の伝統を体現化している。

志村史人さんの安定感と温かさは、
離散的な非現実を基調低音とする
この劇にしっかりした錨を与えてくれている。

保亜美さんは声楽に喩えれば
コロラトゥーラからドラマティックソプラノまで
演じられる稀有な人だ。

そして、野々山貴之さんのヘンリー=H.M.の演技は、
『フォレスト・ガンプ』における
トム・ハンクスに匹敵する当たり役だと思う。】

と、さらに演出の真鍋については、

【この難しい脚本を楽しめる舞台にした技量は、
特筆すべきものだと思う。俳優座制作部も
なかなか首を縦に振らなかった難しい原作を
東京で上演して成功させた功績は、
大いに褒め称えられていい。】

以上、抜粋。詳しくは茂木氏の
公式ブログをお読みくださいませ。

最後に、作品の出来上がる過程の稽古と
演出を交えたディスカッション、計三葉を
添えて『インコグニート』に関するブログも
幕をおろします。







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匿名/希望/3

2019年11月21日 | 俳優座
劇団俳優座No.339『インコグニート』。
昨日は脳科学者の茂木健一郎氏が
アフタートークのゲストとして登壇。



もともと予定していた二度のATとは別に
急遽実現した「スペシャルな」企画。

そこで茂木氏から語られた言葉
「望ましい困難」が印象に残った。

「むしろ、可能性という意味で」とも。

確かに4人の俳優が21役を演じ分ける
目まぐるしい作品で、また内容も
いささか難しいテーマを扱っていて……。

実は『インコグニート』を紹介する
弊ブログのシリーズの題名を
〈匿名/希望〉としたのは、
難解な作品で決して明るい内容でもない
作品ではあるのだけれど、観劇後に
希望があるな、と
個人的に思った故である。

そこに偶然ながら、茂木氏の感想。
そして本日は、みなもとごろう氏との
アフタートークが予定されています。
さて、どんな展開になるかしら?


(こちらは18日のATの一場面)

アフターといえば・・・
観劇後に芝居の感想を語らうべく
喫茶店、居酒屋などに繰り出すのも
演劇活動の一端だと考えられますが、
会場となっている5階稽古場から降りた
同じビルの半地下にある英国風パブ
「HUB」とコラボして、今回
「インコグニート」というカクテルを
用意していただきました



昨夜ようやく飲むことができました。
作品展開の「複雑さ」と
観劇後の(完全理解には及ばないのに)
湧きあがる「爽快感」の二つを感じられる
カクテルです
こちらも是非。

さあ、残すは3ステージ。
どの回もキャンセル待ちとなりますが…
チャレンジいただければ幸いです。
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匿名/希望/2

2019年11月17日 | 俳優座


劇団俳優座第339回公演
『インコグニート』は本日折り返し。

16日(土)、17日(日)も満員御礼で、
21日も完売となり、次の土日も残席僅か。
22日のみ、少し余裕があります

さて16日には、読売新聞
「週刊エンタメ」に
〈未来の新劇の巨人はだれだ〉
という記事が掲載され、
弊団の保亜美も取り上げられました。
記事末には、椎名慧都の名も…。

約100年の歴史を持つ「新劇」。
現在活動している老舗は
文学座、民藝、円、そして弊団等々。
そしてそんな劇団で光る若手俳優を
祐成秀樹(演劇担当デスク)、
小間井藍子(新劇・ミュージカル担当)、
淵上えり子(公共劇場・舞踏担当)が
座談会形式で紹介したもの。

〈記憶障害の男性を献身的に支える恋人、
さばさばした性的少数者、男を誘惑する
色っぽい店員、冷静な看護師と
4役も演じ分けています。
表情の多彩さが魅力的でした〉
と、『インコグニート』における
保の演技評



さて。
インコグニートには「匿名」とは別に、
歯科矯正にもあるようで…。
ドイツ人歯科医師によって開発された
舌側矯正(リンガル矯正)システム。
要は歯の裏側に施す矯正治療のこと。
つまり。
認知されない…ということからの命名。

話は俳優座『インコグニート』に戻ります。
少々難解な物語です。
表からは見えないものも沢山含まれています。
それを多くの観客の皆様は「感じ取って」
くれていることがアンケートやSNSから
読み取れます。そんな声に力も貰い、
残り6ステージに挑みます。



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匿名/希望/1

2019年11月14日 | 俳優座
ついに開幕した劇団俳優座公演
No.339『インコグニート』
作/ニック・ペイン、翻訳/田中壮太郎、
演出/眞鍋卓嗣、於/俳優座稽古場
出演/安藤みどり、志村史人、
保亜美、野々山貴之

12日(火)の初日は満員御礼での幕開き。
既報の通り、完売はほかにも16~20まで。
残少は今日、明日と21日。



さて、インコグニートの意味は
「匿名」と前回書いたけれど、
中高生の頃に何故かはまる深夜ラジオの
リスナーといえばペンネーム、
もしくは「匿名希望」である。

そんな名前を冠したバンドもあって…
ジャン・ポール・'ブルーイ'・モーニックが
1979年に結成した英国ロンドン発の
ジャズ・ファンクの多人数編成。
そして。
固定メンバーではないことも、
インコグニート=匿名の由来かと…。

リーダーは親日家で、自らを
「ブルちゃん」と呼ぶほどだそうだ。
日本でのライブも活発で、12月9日に大阪、
16日福岡にやってくる!!

と、他所の宣伝はこれくらいにして。
俳優座『インコグニート』の舞台はこちら。



対面式の客席となっています。


右=安藤みどり、左=志村史人

右=保亜美、左=野々村貴之


既に3ステージ目。残すは9ステージ。

〈真っ白な舞台で4人の役者が
1人5役以上演じて計21役!
時制や年齢、時代も変わる役を、
わかりやすい音響照明変化なしに
ほぼ「演技だけ」で
リアルに演じ分けていて唸りました〉

〈瞬間的にしか存在せず、
自己は脳が造る幻想。
アインシュタインの脳を所持する
病理学者(志村史人)
海馬摘出の患者(野々山貴之)
その妻(保亜美)
現代ロンドンの臨床医(安藤みどり)。
瞬時に変わる、4人とも実に魅力的。
記憶の仕掛け〉

などなどの感想を頂いております。
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匿名/希望/0

2019年11月11日 | 制作公演関連

いよいよ明日『インコグニート』開幕である。
何度か売切や残席僅かの情報を書いてきたが、
劇団俳優座第339回公演は、11月12日から
俳優座5階稽古場にて、24日まで。



さて。「匿名」という意味を持つ
インコグニートを語る前に、週末のことを。
最近は、毎週どこぞの街に行き、
演劇鑑賞会の総会に出席しているけれど
(一部は代表者会議だったが……それも
演鑑の会議にはほかならない)
11月9日~10日は仙台で、
東北ブロックの総会でした。

一枚目の写真はJR仙台駅前。
そこから地下鉄で一駅、
「青葉通一丁目」あたりでは
音楽フェス真っ盛り。



アーケードのあちこちで、ライブ。
ゴスペルが心なしか多かったけれど
思えば、クリスマスも近いのだった。
そんな歌声が十二分に聞こえる会議室で
土曜昼過ぎから始まった。

東北に限らず、全国各地で会が休会や
解散に追い込まれている昨今、
弘前市民劇場という歴史ある団体が、
今年三月になくなったショックを
会冒頭に、ブロック事務局長は嘆いた。

父が五所川原人の私も、青森、
とりわけ津軽の者だから、津軽の雄
弘前から文化の灯が消えたことは哀しい。

ただ、下を向いていても始まらない。
酒好きな東北ブロック・・・夕食交流会では
自慢の地酒を持ち寄り語るのが定番だが、
土曜日は「忘れた」団体もちらほら。
でもそれは。
酒を、呑んでいる場合じゃない!という
ささやかな決意ではないか、と思ったりもした。



そうそう。
劇団の話もしなければ。

大変よい仕上がりです。
スタイリッシュでスピーディーで
灰色の脳細胞に働きかけてくる
大人な舞台です。




詳しくは明日以降じっくりと。


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小さな手

2019年11月05日 | 身辺雑記
昨日の続きです。
題名は「後編」「続」等とせずに
ブログ内に登場させた曲名にしました。

『小さな手』(作詞作曲/さだまさし)は
2002年6月21日リリースされたシングル曲。
だけれど。
同年2月27日発売のアルバム『夢百合草』
(あるすとろめりあ、と読みます)
の一等最後に置かれたのが先なので、
正確にいえば同盤からのシングルカット。

昨日書いた詞の冒頭のあとには・・・
♪右手には永遠の未来
左手には無限の希望
心は透き通って愛は果てしなく深く
いつかしらぬ間に僕の掌はこんなに
いつか大きく育ったけれど♪
・・・というリリックもあり。

長崎市民劇場の歩みに重なります。
それを、あえてメロディーのみ、
しかも小さいボリュームで流した
奥ゆかしさもまた、長崎市民劇場らしいと。

以上60周年記念パーティーの補足。

そうそう。
九演連代表者会議の会場は、
NBC(長崎放送)別館でした。
二階の会議室を使用したのだけれど
三階「ビデオホール」は、グレープ
(さだまさし、吉田正美のフォークデュオ。
1972~76年。メジャーデビューは73年)の
まだアマチュア時代の初コンサートの
会場でもありますが、会議の主催者は
そんなことを知る由もないだろう……。

場所でいえば。
神奈川演鑑連の会場「てくのかわさき」も
個人的に思い入れの深い場所で、
97~98年に関わった時限演劇講座
「地域を創る川崎演劇座」の
稽古場として何度か使った所。
またフリー時代、制作でついた
ある小劇場の主宰が公演直前に倒れ、
その芝居を打つか打たないのかを
出演者に諮った所でもあった。

役者たちは、主宰のみならず
作、演出、美術、音響を兼ねた
「核」をなくした中、上演を選び、
結果その舞台は高い評価を得た。
2017年のこと。

その芝居で夫婦役だった役者が
来る11月19日、本当の夫婦になる。
稽古中に既に交際していたらしく、
婚姻届の証人を務めたのは、
その主宰と彼のユニットの常連女優
と聞いた。提出直前の14日には
その出演者が集まるという。
「同窓会」と銘打っているが主宰は欠席。
もう完全に二人の御披露目会である。

いずれにしろ、めでたい。

余談だが、その作品は2010年に
栄えある第一回の最優秀賞を受賞。
出版社や都道府県主催ではなく、
文化庁が新進芸術家育成事業として
30年以上開催していた
「舞台芸術創作奨励賞」の流れを
引き継ぎ2010年に創設された大きな賞
(主催は日本劇団協議会に移行)。

11年には別の演出家、異なる配役で
エコー劇場で上演されている。
それを自らのユニットでこしらえる際、
最重要な夫婦役に、私が推した二人が
まさか結婚に至るとは……。

二人にもまた♪右手には永遠の未来
左手には無限の希望♪を持って、
末長く幸せになって欲しい・・・。



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長崎からフネに乗ってノクチに着いた~♪

2019年11月04日 | 俳優座




11月3日、羽田発SKY401便は、
神戸を経由してから長崎へ。
その分、安価。



演劇制作者の東奔西走シーズンは
まだまだ続いていて、昨日は
九演連代表者会議及び、
長崎市民劇場創立60周年記念パーティー。

俳優座は高橋に加え、イソノウツボと
制作者二人体制で臨んだ。


(オープニングの祝舞)

乾杯までに40分。
長崎の60年への熱い言葉が続き、
料理も長崎の味が次々と。
充実の2時間でした。
そして閉会。流れたのは
さだまさしの『小さな手』
メロディのみ。
恐らくは出席者の多くが、
この歌を知らないだろう。

〈生まれた時に僕には
その小さな小さな掌に大切そうに
握りしめてきたものがある……〉
と続いていく・・・
それもまた、というかこの日一番の
長崎らしいおもてなしであり、
決意だったと僕は思った。

11月4日、会議は続くけれど、
九州はイソノに任せて、高橋は移動。
長崎から空路で羽田。羽田から陸路で川崎。

そういえば。
昨年は神奈川演鑑連総会が先で、
翌朝、福岡での代表者会議と
順番がテレコであった……。
そして私は入りたてゆえに、
前者には塩山、後者には脇田と
劇団の取締役に追随する形で
神無月あたまの連休を過ごしたのだった。

さて。
ブログタイトルは言うまでもなく、
五木ひろし、1971年のヒット曲
『長崎から船に乗って』にあやかる。

若い方々はご存じないだろうが、
♪長崎から船に乗って神戸に着いた~♪
と、いきなり歌い出す曲。

実は最初、内山田洋とクールファイブかと。
ムード歌謡の雄の代表作である
『長崎は今日も雨だった』と
混ざったのではなく、両曲とも
前川清が歌っていたイメージが……。
ゆ~ても流行った頃幼稚園児だし。


兎にも角にも。
長崎から飛行機という名のフネに乗って
ノクチ(川崎市溝口)に着いたのだった。


(これは往路の機内。
ファイターズ仕様でした)

(復路はソラシドエア。
羽田についた窓から。
外にはエア・ドゥ)


長くなったので、続く。


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鼯鼠と摸摸具和

2019年11月01日 | 身辺雑記
題名漢字は、ムササビとモモンガと読みます。

どちらもグライダーのように森を飛翔
前者は・・・前回も書いたけれど、
ネズミ目リス科リス亜科ムササビ属に属す
哺乳類の一種で、日本固有。
後者は・・・ネズミ目リス科リス亜科
モモンガ族に属す小型哺乳類の総称。

大きな違いとしてはムササビのほうが
ガタイがでかいということ。

さて、日本固有といえば、
【演劇鑑賞会】という組織が「世界無二」。

そう、演劇後進国でありながら、
地球上で、この国だけに存在する
鑑賞運動を誇っています。



世界無二といえば、アインシュタイン。
1879年ドイツ生まれの理論物理学者。
ノーベル物理学賞受賞(1921年)
特殊相対性理論および一般相対性理論、
相対性宇宙論、などなどを提唱。

劇団俳優座第339回公演
『インコグニート』には、
彼の脳を盗んだ男も登場します。

そんな稽古場にメロンの差入
長く俳優座を応援して戴いている
静岡県在住の支援者から





そんな『インコグニート』の熱高まる中、
本日11月1日は、年明け第一弾の
『雉はじめて鳴く』後援会発売日でした。

一般発売は一週間後です。
こちらがチラシ。



あ。ふと気づけば・・・個人的に
俳優座に籍を置いてまる一年。
あっというまのような、
体感時間600日くらいなような。

兎にも角にも伝統ある劇団の
ぼちぼち力になりたいな、と思います。
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