「演劇鑑賞会」は全国連絡会への
加盟非加盟団体を含め41都道府県にある。
現在は、秋田・栃木・茨城・福井・
大阪・沖縄にないのだけれど、
秋田栃木大阪にはかつて存在していた。
おもに新劇と呼ばれる劇団との縁が深い。
以上、前段。
2018年11月、宮崎県都城の「演鑑」の
事務局長と初めて話す機会があって、
話の端緒として「藤井貴里彦さんの戯曲を
二本上演しています」と頭を下げた。
「ああ、貴里ちゃんね、知ってる知ってる。
確か二年くらい前に亡くなったんだよ」
「えっ」。
言葉に詰まった。
帰京してから色々調べて、
亡くなられたのは確かに2016年、
1月17日とわかった。
[ふじいきりひこ]
劇作家・童話作家であり藍染職人。
僕との関係から並べたが、
藍染童話戯曲の順が正しいのかな。
彼の戯曲『浄瑠璃の庭』(2004年)、
『空ゆく風のこいのぼり』(2008年)。
ともに劇団東演公演。
会場は前者が東演パラータ、
後者は紀伊國屋ホールだった。
演出はどちらも青年座所属の磯村純。
制作を担当したのが僕だ。
そして09年、僕がフリーになったあと、
三本目に向けてやりとりをしていた。
2010年の劇団ゼロQ第2回公演
『フリマの女』(演出/岡田心平)の
脱稿前の本を読ませてもらい、
前述の二本も絡めて、あーだこーだ、
酒を挟んで、新たな貴里彦ワールドを
創り出すべく、船出。
少し時間を置いて具合を聞いたが、
筆は進んでおらず、かたや僕はといえば、
お陰様で小劇場のプロダクションから
次々に仕事が舞い込んで、
自らの屋号「THEATRE-THEATER」
(テアトルシアターと読みます)の創造が
あとまわしになっていた……。
・・・僕が死を知って6年。
天への船出からは8年になる。
中ほどの写真は、藤井さん自ら染めた
こいのぼり。『空ゆく~』の
チラシには彼の藍染を用いたのだが、
宮崎から送って貰った荷の中に居て、
作者にかわり稽古場で見守ってくれた。
デビュー作『百円野菜』はじめ、
今日ブログで紹介した以外にも
あったかな藤井作品が
今後も上演され続けることを!