『三好十郎+宮沢賢治』の
チーム宮沢に関しては、まず
上演演目から説明せねばならない。
三好組は『噛みついた娘』一本だが、
こちらは小林拓生の構成演出で、
『やまなし』『よだかの星』
『注文の多い料理店』と連なり、
『猫の事務所』で終幕となる。
つまり、詩だの童話だので
戯曲の上演ではない。
なかでも『猫~』はファンでもないと
馴染みのない作品だろう。
実は、数少ない生前に発表された
大正15年刊の童話である。
ただ今回のラインナップでいえば
『よだか~』『~料理店』も
賢治の存命中に読まれた創作物だ。
〈クラムボンは笑ったよ〉という
フレーズが有名な、僕の頃は
国語の教科書に載っていた
『やまなし』のみ没後の出版となる。
あの意味不明さに受けた衝撃は
僕にとっては絶大だ。
正直、好きな作品ではなかった。
ただこうして年を取ると、
随分と感じ方が異なる。
そんな作品群を総勢18人で届ける、
のだが、7月25~27日には、
三好5ステージに対して僅か2ステ。
え?
なんと翌週に〈日本人作家シリーズ〉
『宇井孝司+宮沢賢治』として
2ステージという変則公演なのだ。
さらに一部ダブルキャストを組む。
相変わらず、演劇プロデューサー
小林拓生の仕掛けは破天荒だ。
と、アウトラインはとりあえず
このくらいにしておく。
稽古場に顔を出すと、ダンスの、
次にはラップを含む歌の練習に
役者たちは奮闘していたのだ。
最近、ダンスとラップに御執心の
J-Theaterなのである。
常連組のスキルが少しずつupしている。
まだ台本を持ってはいるが、
荒く頭から最後までを見た。
劇場は7月、8月とも小劇場「楽園」。