麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

あられもない0629

2015年06月29日 | 制作公演関連


アトリエ・センターフォワードvol.11
『あられもない貴婦人』
(作・演出/矢内文章、於/シアター風姿花伝)

昨日も書いたように上々の滑り出しで
本日二日目を迎えます。

そんな今日……6月29日は、まず
僕の産まれた年に来日した英国の
ロックグループが「あの」浴衣を着て
日本に降り立ったので「ビートルズ記念日」

佃煮の発祥の地である東京佃島の氏神
住吉神社が創建されたのが1646年の今日
であることから「佃煮の日」でもある。

そして。
1928年には治安維持法改正。
(反国体の結社行為に死刑・無期刑を追加)
1932年警視庁が特別高等警察課を部に昇格
(いわゆる「特高」の強化)が成った日。



『あられもない貴婦人』という題名からは
想像しがたいかもしれませんが……
上記のきな臭い国の動きの流れから
戦争へと突き進んだ日本がついに敗れ、
GHQの占領下となった東京が、
本作の舞台である(1950年7月)。

《個人では抗えない大きな流れのなかで
必死に闘う人々》を描く矢内文章の
オリジナル作品を上演するために結成された
ACFの目指すものは《硬質でいて軽やか、
精緻かつダイナミックな表現》
また。
集団に冠した《センターフォワード》は、
サッカーを愛してやまない代表・矢内が、
舞台上での大胆かつ繊細なプレイを目指し
もっともこだわりを持つポジションから。

そういう点から言うと・・・
1958年ワールドカップ・スウェーデン大会で
ブラジルが初優勝した日も今日6月29日だ




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あられもない0628

2015年06月28日 | 制作公演関連

土曜日の夜。プレビュー。

客足が心配でしたがお陰様で盛況。
開場前から三十人…ほどが列を作り、
開幕に胸を高鳴らせてくれました。

昔(と言っても僕が芝居を始めた頃、
西暦でいえば1990年あたり)は、
週末の、特に夜から埋まったものだ。
良い芝居を見て美味しい酒を飲む。


けれども近年。
まず日曜日夜が入らなくなり、
公演自体を打たない集団が増えた。
土曜日の夜も冴えない。
かわって平日昼から売り切れたりする。
と……この話をし出すときりがない。

兎に角
アトリエ・センターフォワード
『あられもない貴婦人』は、
本日昼の初日を完売で迎える。

(昨日はプレビュー公演のため、
正式な初日が28日なのだ)

天気も上々
初日からフルスロットルで行きます!


《ほんとうの笑顔は、売らない》

2015年6月28日~7月5日
シアター風姿花伝

昭和25年7月。未だ占領下の東京。

闇市を見下ろす洋館に
身を寄せる戦争未亡人たちと
夜な夜な訪れる男たちのサロン。

夢で腹は膨れない。
綺麗ごとで欲望は満たされない。

降って湧いた戦争特需は、
心の渇いた女を、腹の減った男を
どこに連れて行くのだろうか。

また我慢を強いるのですか?
まだ犠牲を求めるのですか?

私たちは笑い飛ばしてみせます。
生きていきます。

ようこそ、サロン「貴婦人」へ。

28(日)14時、29(月)19時半、
30(火)14時と19時半、
7/1(水)19時半、
2(木)14時と19時半、3(金)19時半、
4(土)14時と19時半、5(日)14時
※プレビュー6/27(土)19時半
全12ステージ

前売3800円、当日4000円
学割、地域割、ともに2500円
外国人観光客無料(同伴者3000円)

さらに公式サイトでは
出演者インタビューなど情報大盛り

http://centerfw.net/

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あられもない0623

2015年06月24日 | 制作公演関連
紫陽花の美しい季節。


アトリエ・センターフォワードvol.11
『あられもない貴婦人』
(作・演出/矢内文章)は
いよいよ明日劇場入りを迎えます。

また昨日は出演者の小暮智美さんの
誕生日でもありました



稽古場の斜め前には、こぐれ眼鏡店。
親戚とかではなく単なる偶然ですが…。

おっと、気をつけないと…
前回(6/2)はこんな調子で
稽古場周辺に時間を割きすぎて
芝居の話にならなかったのだった。
・・・田端あたりの。

ちなみに一番の最寄駅は本駒込。
昔はなかった南北線の駅である。

ここで言う昔とは僕の大学時代。
本駒込の隣町・白山にある大学を
卒業したのは1990年。
南北線が開業したのは翌91年だ。

ただ駒込~赤羽岩渕の部分開業で
本駒込駅にはまだ未着工

さて。僕は大学四年のときに、
後輩が旗揚げした劇団に名を連ねた。
活動拠点はキャンパスだったから、
卒業後は、交通費目当てで、
やはり白山にある某企業でアルバイト。

白山上交差点あたりのビルが本社。
バブル期だったので、やたら儲けて
所属部署は徒歩数分の本駒込のビルに移った。


それがこの建物・・・
やがて地下鉄工事が始まり、
我々はまた別のビルに引っ越した。

本駒込駅開業は96年。
僕はフリーの制作として活動しつつ
損保代理店の仕事をしていた時期。

時は過ぎて。
昨日は次の現場に向かうため、
本駒込駅を使うべく二十年ぶりに
懐かしい町を歩くことになった。


留学生と思しき女性から声が掛かり、
「とうようだいがくはどこですか?」と。
僕を捕まえる前に彼女は中年女性に
同じ質問をしていた。
大通り一本、筋違いではあるけれど、
地元の人なら知っていそうなものだが…。
いずれにしろ。
彼女が二番目に道を尋ねたのは、
ジモティでは全くなかったが
奇跡的に卒業生だった

大通りルートだと四角く回らざるを得ない。
交番脇の路地を抜ける道を教えてあげた。

駅の真上の懐かしいビルは上から下まで
レンタル倉庫になっていた。

あ。芝居の話が・・・
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廃墟

2015年06月19日 | 鑑賞
痛恨のドロー
シンガポール戦から三日経ち、
少しは気持ちも切り替わった。

打線爆発で大勝したあとに
バットが湿ることは野球ではざら。

縦への速いパスでイラクを撃破
二次予選へ弾みをつけたかに見えた
サムライブルーの結果も、そんなところか。
次戦は九月。ホームでカンボジア戦。

その間に東アジアカップがあります。
以上、サッカーの日本代表の話でした。


前段にも書いたように、
今のサッカーはパス全盛だ。
一方、昔の試合映像などを見ると、
ドリブルが多いな~と思う。

秋枯れの天然芝の上を転がる
黒い五角形と白い六角形からなる
シンプルなサッカーボールが
一人のプレーヤーによって
がんがん運ばれていくのだ。

 ※ ※ ※

文化座+東演『廃墟』観劇。
劇作家・三好十郎の代表作のひとつ。
戦後の焼け残った家屋の一室が舞台。

自らの戦争責任を自問し、
大学を休職した柴田欣一郎。
その長男でマルキニストの誠。
生真面目だった次男・欣二は
フーテンと化している。
顔に大きな傷を負った次女の
双葉が家計を切り盛りする。
長女は終戦直後自殺した。

さらに叔父の三平、彼が連れてきた
せい子の六人が暮らしている。

他に欣一郎の教え子の八郎や、
大工の娘・お光等も現れるが、
兎に角登場人物が膨大な台詞を吐く。

この芝居に限らず、あの頃のドラマは
熱い討論が当たり前に登場する。
それは創られた世界での話ではなく、
実社会での現象が反映されている。
「熱い時代」だったのだ。

一人の役者が長い台詞を放つ姿は
ドリブルで前進するサッカーを連想させる。
パスを繋ぐそれは、短い会話が主の
最近の演劇の形に似ている。

個々の戦争責任を問う骨太の芝居を
観劇しながら、ふとそんなことも考えた。

そうだ、今年は戦後七十年。
それにちなんだ演劇公演が沢山ある。

 ※ ※ ※

【公演データ】

戦後70年共同企画
劇団文化座+劇団東演合同公演
『廃墟』
作/三好十郎、演出/鵜山仁

5月29日(金)~6月1日(月)  
文化座アトリエ

6月7日(日)佐賀市文化会館

6月12日(金)~23日(火)  
東演パラータ
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ぬ企画その11日誌(2)

2015年06月18日 | 制作公演関連
ぬ企画その11『新芝浦食肉センター』は
もともと女体道場という集団の作品。
随分と昔、十年近く前かに、信吾
(ぬ企画主宰/最近は演出と出演で
しはかたしなの名義。製作は高橋信吾)
が見て、長い間気に掛けていた芝居で、
今回ついに「ぬの作品」として
小屋に掛かることになったのだが……

全く便利な世の中で仲介者を経て、
上演に始まり、改定や脚色などの許可は
すべてメールでやり取りされたらしい。

チラシも出来て稽古も進んだ段階で
両者が初めて顔を合わすことになった。
制作として同席

女体道場代表の鈴木さんはなるほど
『芝浦~』を書いただけあって
切れ味鋭い女性であった。

今は結婚されて一児の母でもあり、
暫く演劇から離れていたそうだが
今は復帰に向け本を書き始めている。

薄いレモンサワーを飲みながら、
実は他のメンバーにも声を掛けた
とサプライズ(?)を表明。
池袋で会ったが、合流すべく
新宿へと河岸をかえた・・・

「ぬ企画」×元「女体道場」の
初対面は、想定外の展開から
想像以上の盛り上がリを見せた。

ただ飲んだくれた訳ではない。
原作者から得た情報は、
演出と主演を兼ねるしはかたの
大いなるヒントになったに違いない。

女体の面々からの好評だったチラシ


これは火曜日の話。
今週は「稽古始め」が集中する
月曜から金曜でもある。

まず月曜日、遊戯空間の『草迷宮』。
鏡花×劇と題して梅若能楽院会館で
7月25日~26日。

昨日はJ-Theater『弱法師』。
山中湖町での学校公演となる。
言わずとしれた三島由紀夫の
「近代能楽集」の一編を7月17日。

そして雷ストレンジャーズ。
既に読み合わせを何度か行っている
『フォルケフィエンテ-人民の敵-』が
明日から本格的な稽古に突入する。
ただし全体顔合わせは25日。
公演はサンモールスタジオにて
7月23日~29日。

詳しくは各公演改めて書きます。
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外国語を学ぶということ。

2015年06月15日 | 身辺雑記
こないだセルフ系のファストフードの
うどん屋で「ぶっかけうどん」を注文。

「並デヨロシイデスカ?」と店員。
はいと答えて会計まで進むと
出てきたのは「かけうどん」だった。

店員さんは中国の方。
昨今飲食店員は外国籍の占有率が高い
……ってことへの苦言ではない。

「言葉」についての一考察である。
ぶっかけ頼んだのにかけが出た
今回の重大な国際問題が起きた背景には、
まず僕の滑舌の悪さもあるだろうが、
基本的には以下の問題が考えられる。

日本語における発音において
「ぶし」と「ふし」では意味が異なる。
侍と言い換え可能な武士と竹などの節。

けれど中国語においてのNOにあたる
「不是」は一音目を強く言うか否か、
少々専門的に言えば有気音か無気音か、
それが肝要で「ぶーしー」「ふーしー」
更には「ぷーしー」でも良い。

我々が漢字の故郷である国の言語を学んで
まず陥るのが、例えば「不是」において
最初の音は「ふ」か「ぶ」か「ぷ」か、
いやどうやら「ぶ」と「ぷ」の間の微妙な
発音ではないかしらんなど悩んでいると、
大事なのは強弱で濁音半濁音じゃない
と教えられる。

再びうどん店に戻ろう……。
つまり僕は語頭をもっと強くはっきりと
彼に伝えるべきだったのだ。

嗚呼、てな訳で外国語を学ぶのは大変だ。
中国語にはさらに、音階みたいな
音の上げ下げでまるで意味が異なる
四声というのがあり、日本人は
これにもまた苦労するわけである。

さてもうひとつの隣国・韓国の
母音は日本より沢山ある。
名詞や動詞の並び方が似ているのに、
日本人が韓国語を学ぶよりも、
その逆の方が進歩が早いのは
そこに起因するとよく言われる。

ストラックアウトの的が9分割と16分割で
まるで難易度か違うように……
(この喩えってわかりにくいかな?)

てなわけで。
今日も妻は外国語教室に通います。

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櫻と父から貴婦人へ!

2015年06月12日 | 制作公演関連
6月10日、下北沢の小劇場「楽園」での
J-Theater+東京ハイビーム共同企画
『櫻の園 Japan mix』『父帰る2015』
無事、盛況のうちに終幕しました。

御来場いただいた皆様有難ござました。

キャスト、スタッフの皆様お疲れ差でした。


さて、個人的には今月後半の
アトリエ・センターフォワード
『あられもない貴婦人』
6/27~7/5(全12ステージ)
シアター風姿花伝(新宿区)
作・演出/矢内文章が控えます。

米占領下の東京・・・
戦争未亡人たちの居るサロン。
隣国での戦争特需のなかで、
這い上がろうとする男と女。



桂ゆめ(劇団俳優座)、
稲葉能敬(劇団桟敷童子)
川辺邦弘(文学座)
片桐はづき
小暮智美(劇団青年座)
眞藤ヒロシ
間宮あゆみ
洪明花(ユニークポイント)
成田浬
矢内文章

新劇と小劇場の役者を融合させる
ACFのキャスティングは今回も健在!

また制作にmtakedaが初参戦。
細かな仕事ぶりに安心の、高橋長期不在

さらに公演後半は、ぬ企画の公演が重なり
今回は完全な後方支援となりますが……
関西から、秋津ねをが上京
強力な助っ人もいて磐石な体制だ!!

まもなく初日まで二週間前。とはいえ、
ぼちぼち、ねじを巻いていきますよ!!!

前売3800円(当日4000円)
プレビュー(27日)2500円
学割&地域割2500円

学割は文字通り、学生全般を指し、
劇場近隣のエリア在学在勤の方
(新宿区中井一〜二丁目、
 同中落合一〜三丁目、
 同下落合一〜四丁目、
 同西落合一〜四丁目、
 豊島区目白一〜四丁目、
 同南長崎一〜六丁目)が対象。

前回に引き続き外国人観光客無料
(同伴者3000円)も継続します。

詳細はhttp://centerfw.net/
サイト内にチケットフォームあり。





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櫻と父のコードシェア(9)

2015年06月09日 | 制作公演関連
関東は梅雨入りしましたね

J-Theater+東京ハイビーム共同企画
『櫻の園 Japan mix』『父帰る2015』は
昨日劇場入り、夜には初日の幕をあけ、
お陰さまで大入り
そして。
今日と明日のマチネも完売しております。


上演会場の「楽園」はとても小さい。
その中で二作品をやりくりする。
短い限られた時間で。さらに…
(ねたばれになるので伏せますが)
他の要素も絡んでいて、折込作業を
本多スタジオでの稽古中にほぼ済ませた。
……その時期からチケットが伸び始めて、
本日朝から当日リーフレットを増刷しました。

その作業のため早めに家を出たけれど
すいすい事は運んで、今、下北沢駅。
地下ホームと地上改札の間にある
中層階の広めのコンコースのベンチだ。

そういえば昨日劇場に向かう折、
ある制作者が丁度ここに座ってたな。

浅草から三鷹に引っ越した劇団の
某女性制作部長が

挨拶のみでエスカレーターに乗ったのだが…。
やはり時間調整か?
待ち合わせって場所でもなし…。

さ、いい時間になった。
保留して投稿はも少し書いてから(^_^;)

※※※

と呑気に構えてたら、六月九日も残り僅か。
雨が降ったり止んだりの天気同様
忙しく過ぎ、思えば朝は穏やかだった…。

満員御礼の昼公演に続き、夜も大入り。

ブログの続きを書くゆとりがなかった

『父~』から『櫻~』へのセットチェンジ。
えっと・・・
舞台上の道具を組み換えるのが、
普通のセットチェンジだけれど、
演者も異なるから、大道具小道具に加え、
衣裳に私物まで……民族大移動を開催して
次の芝居の幕を開けるわけである。

それを明日は二回。
『櫻』から『父』、『父』から『櫻』と。
あ( ̄ロ ̄;)
明日はもう千秋楽ではないか~

先月八回公演からの月を跨いだ六回。
いよいよ終幕でございます。

前段書いたように、明日13時は完売、
16時『父』と19時『櫻』のチケットは
まだ用意可能です、が、若干よ。

さ、今度こそ投稿。
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ROSE at theaterX vol.21

2015年06月07日 | 制作公演関連
高瀬久男さんが亡くなった。
一週間前のことだ。

日本を代表する舞台演出家の一人で、
個人的にはW・ローズの公演
『ROSE』でご一緒させて頂いた。
2012年、秋。
稽古も本番もブレヒトの芝居小屋。

80歳のユダヤ人女性の半生を描いた
マーティン・シャーマンの優れた戯曲
『ROSE』は世界各国で上演されている。

日本初演は、高瀬さんが指導する
文学座の養成所の発表会。
ただそれは、膨大な台詞の一人芝居を
役者の卵たちで割って上演したものだった。

その流れとは別に。
演劇評論家のみなもとごろう氏が
日本初演を模索していた。
今は亡き木山潔氏ら何人ものプロデューサーに
『ROSE』は委ねられたが
実現には至らなかった。
何年も何年も…。

2011年。
東京演劇アンサンブルの志賀澤子の手に
『ROSE』がわたり、その制作は、
とある別の新劇団のY氏が担う形で
「本格初演」へと動き始めた。

前段の養成所公演の話を知り、
志賀が高瀬さんに演出を依頼すると
彼は自分が信頼を置くスタッフ陣
(美術、音響、舞台監督)とともに
武蔵関に乗り込んできた。

話が前後するけれど、
Y氏が公演中の亀戸に呼ばれ、
志賀と僕の三人で会って、
制作のクレジットは僕になった。
まだ暑い季節だった。

そして始まった稽古は
張り詰めた空気に満ちていた。
高瀬さんのスケジュールを鑑み、
短い時間ではあったけれど、
その濃度は実に濃いものだった。

※※※

初演をご覧になったシアターΧの
上田支配人の眼鏡に適って、
翌年からは会場を両国に移して、
「月に一度のロングラン」という
稀有な企画が急遽決まった!

多忙な高瀬さんの手帳は既にいっぱいで
演出からは外れたけれど……
彼の骨の上に新しい血肉を纏って、
毎回少しずつ成長し、昨日が
リスタートして21回目の上演だった。

制作は受付に立っているので、
本番を見る事が難しいけれど、
昨日は我侭を行って客席に身を置いた。

高瀬さんに恥ずかしくない出来だった。

※※※

昨日から何度も書いては消して、
消しては書いたけれども、
どうもまとまりそうにないので、
投稿することにした。

不世出の舞台演出家のご冥福を祈りながら。
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あられもない0602

2015年06月05日 | 制作公演関連
アトリエ・センターフォワードvol.11
『あられもない貴婦人』
立ち稽古も熱を帯びてきております。

ACFの特徴はじっくり。
昨日もとある場面を細かく念入りに。

※※※

稽古場へは幾つかのルートがあるのだが、
僕は田端駅から徒歩で向かう。

駅前で黄金色の像がお出迎え。

「華」という作品とのこと。

……本当言うと、左に進むべき処を
ちょいと右方向に寄り道して撮りました。

北区田端は文士村が売りの街。
稽古場のある、改札出て左には
どーんと巨大な「田端文士記念館」

「文士」という言葉とは
似つかわしくないハイカラな建物。

公式ホームページの一部を抜粋すると、
《大正3年に芥川龍之介(小説家)が、
5年に室生犀星(詩人・小説家)が
転居してきました。二人を中心にやがて
萩原朔太郎(詩人)、菊池寛(小説家)、
堀辰雄(小説家)、佐多稲子(小説家)らも
田端に集まり、大正末から昭和にかけての
田端は<文士村>としての一面を
持つようにもなりました》

最終行に「も」とあるように、
これは中段で、その前段では
上野に開校した東京美術学校に通う
若い芸術家、つまり画家や陶芸家などが
住み出し「ポプラ倶楽部」が作られた
ことが説明されている。

なので。
町の処々に建つ案内板には
「田端文士芸術家村」とある。


竹久夢二、田河水泡、岡倉天心
……画家、漫画家、思想家・美術評論家
と、田端に集いしアーティストの
ジャンルは多岐にわたっていて、
我等が演劇界に寄与した人物では
川口松太郎、菊池寛、久保田万太郎
などの名前がリストにある。

※※※

長くなったので稽古の模様は次回
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