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思いっきり「麻雀」と書いてあるからアレですが、店名といい佇まいといい、パーフェクトに「雀荘」です。
僕が東演に入った12年前にもあったし、先輩達に訊くと、東演が移転してきた頃(1978年)には既にあって、稽古後のコミュニケーションの場として大いに活用させていただいていたそうです。
先輩から後輩へ「芝居とはなんぞや!」的なことも含めて・・・。
そんな「ろんたまき」が、この度その長い歴史に終止符を打ちました。
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今や、煙草を吸うのにも一苦労な時代。
僕は煙草をタシナマないし、麻雀もおおよそのルールを知っている程度ですが、僕に限らず「アラフォー世代」に、麻雀は縁遠いものの一つです。
けれども前述したように、「アラ50」以上の演劇人には、酒と煙草と麻雀は不可欠だったようで。。。というか演劇人じゃないけれど、うちの親父も家に仕事仲間を呼んで、酒を呑み煙草を吹かして麻雀に興じていたし、ドラマなどでも雀荘のシーンがしばしば登場するのを見たものです。
僕が小さい頃の話ですが。
つまり“昭和の大人の社交の場”として親しまれていたのですネ。
そんなお店のひとつ。
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「ろんたまき」も、テント以外テーブルに椅子、窓に壁の一部までもなくなった姿が上です。
ただマージャンそのものが世の中から消えるわけじゃなく、例えばアーケードゲームやPCソフト等、一人で楽しむカタチは人気のよう。
あるいは何処の誰かは解らない人とネットワークで繋がって「麻雀する」ことを、若者は面白がっている。
(まあ、これは麻雀に限らないけど…)
地元に詳しい、劇団の目の前の喫茶店「邪宗門」のマスターによれば、雀荘は、古道具屋さんになることが決まっているらしい……。
“昭和の社交場”の求心力は衰えたけど、その一方でレトロ嗜好は、ブームからある一定の落ち着きをみせるまでになっていて。。。大ヒットとなった『三丁目の夕日』を挙げるまでもなく、昨今の“昭和”への懐古&知らない世代には“新しい”。。。例えば「ちゃぶ台」とか売れているらしいし、立ち飲み屋もやたら増えた!
その意味で、ナイスな事業展開である
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演劇も同様です。
今、世田谷区民との芝居作りで「ギリシャ劇」に取り組んでいるけれど、大きなコロッセオのような劇場で演説をぶつような、あのスタイルは今やありえません。
だから、作品は『女の平和』なのですが、今のスタイルでやります、勿論。
刻々と、観客や時代の要望は変化するし、あるいは創造する側から変化を仕掛けてきた結果が《今の演劇》なわけです、ハイ。
さて東演は・・・。
って、ところでⅢに続くのである
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