麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

マージャン~僕目線の経済学Ⅱ

2008年11月29日 | 身辺雑記
 昨日は、劇団近くの飲食店がイタリアンからアジアンに変わった話でしたが、その店のある梅ヶ丘通りを、さらに劇団寄りに・・・逆にいえば東演と本当にご近所にあって、以前は多くの劇団員がお世話になった「ろんたまき」の外観を、まずご覧頂きましょう。



 思いっきり「麻雀」と書いてあるからアレですが、店名といい佇まいといい、パーフェクトに「雀荘」です。

 僕が東演に入った12年前にもあったし、先輩達に訊くと、東演が移転してきた頃(1978年)には既にあって、稽古後のコミュニケーションの場として大いに活用させていただいていたそうです。
 先輩から後輩へ「芝居とはなんぞや!」的なことも含めて・・・。
 そんな「ろんたまき」が、この度その長い歴史に終止符を打ちました。

                  

 今や、煙草を吸うのにも一苦労な時代。
 僕は煙草をタシナマないし、麻雀もおおよそのルールを知っている程度ですが、僕に限らず「アラフォー世代」に、麻雀は縁遠いものの一つです。

 けれども前述したように、「アラ50」以上の演劇人には、酒と煙草と麻雀は不可欠だったようで。。。というか演劇人じゃないけれど、うちの親父も家に仕事仲間を呼んで、酒を呑み煙草を吹かして麻雀に興じていたし、ドラマなどでも雀荘のシーンがしばしば登場するのを見たものです。
 僕が小さい頃の話ですが。
 つまり“昭和の大人の社交の場”として親しまれていたのですネ。

 そんなお店のひとつ。
 「ろんたまき」も、テント以外テーブルに椅子、窓に壁の一部までもなくなった姿が上です。

 ただマージャンそのものが世の中から消えるわけじゃなく、例えばアーケードゲームやPCソフト等、一人で楽しむカタチは人気のよう。
 あるいは何処の誰かは解らない人とネットワークで繋がって「麻雀する」ことを、若者は面白がっている。
(まあ、これは麻雀に限らないけど…)
 
 地元に詳しい、劇団の目の前の喫茶店「邪宗門」のマスターによれば、雀荘は、古道具屋さんになることが決まっているらしい……。

“昭和の社交場”の求心力は衰えたけど、その一方でレトロ嗜好は、ブームからある一定の落ち着きをみせるまでになっていて。。。大ヒットとなった『三丁目の夕日』を挙げるまでもなく、昨今の“昭和”への懐古&知らない世代には“新しい”。。。例えば「ちゃぶ台」とか売れているらしいし、立ち飲み屋もやたら増えた!
 その意味で、ナイスな事業展開である

 演劇も同様です。
 今、世田谷区民との芝居作りで「ギリシャ劇」に取り組んでいるけれど、大きなコロッセオのような劇場で演説をぶつような、あのスタイルは今やありえません。
 だから、作品は『女の平和』なのですが、今のスタイルでやります、勿論。

 刻々と、観客や時代の要望は変化するし、あるいは創造する側から変化を仕掛けてきた結果が《今の演劇》なわけです、ハイ。

 さて東演は・・・。
 って、ところでⅢに続くのである
 
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めます~僕目線の経済学Ⅰ

2008年11月28日 | 身辺雑記
 駅前でティッシュを受けとる。
 「めます」という珍しい名の、韓国料理店のようだ。

 これが、それ↓


 劇団に着いて、よく見たら「ランチ始めます」の紙を折った、その一部だったことに気付いた。
韓国伝統家庭料理「遊楽亭」のものでした。

 これまでは夜間営業だけだったが、ランチも始めると・・・ついては、ユッケジャン定食、キムチチゲ定食を半額で!というチラシだったのだ。
(11月半ばのお話しです)
               

 お芝居の世界など比べものにならない苛酷な飲食店業。
 劇団近くの、イタリア料理店も少し前に閉店して、アジア料理のお店になった。



↑こんな感じで工事が進行して、

 改装がほぼ落ち着いた図→ 

 前の店の看板が入口上部に残って(透明にブルーの文字)、右下の茶色の看板が、まもなく取り付けられる・・・というタイミングでパチリ。
『空こい』の公演中でした)

 現在は看板もついて営業中です↓



 まだ利用してないのですが、本場の方がこしらえるカレー系の食事の楽しめるお店のようです。

 てなわけで…。
 不況の叫ばれる中、東演はじめ演劇界も決して楽ではないけれど、そんな底辺から見た最近のリアルな経済状況をシリーズでお届けします。。。
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MOTHER

2008年11月27日 | 鑑賞
 一ヶ月に渡って、紀伊國屋ホールで上演されている劇団青年座の“マキノノゾミ三部作”(11/4~30)の最終作品も、なんとか観ることができた。

【文中敬称略】

 与謝野晶子をキムラ緑子(劇団M.O.P)、与謝野鉄幹を山路和弘(劇団青年座)・・・2劇団を代表する二人がどんな絡みを見せてくれるかが大いに注目された舞台は、また3作品とも両劇団の役者が出演しているけれど、中でも混成度の高い『MOTHER』への期待感は大きかった!

 そんな作品を無理矢理サッカー観戦記みたく綴ってみましょう。

                 

 まず先発は。。。
 FW=与謝野鉄幹
    (主にポストプレーヤーとして)
    与謝野晶子
    (シャドーストライカー兼司令塔)
 MF=北原白秋
    石川啄木
    佐藤春夫
    平野萬里
    (以上四人をスクエアーに配置)
    菅野須賀子
    (ボランチ)
 
 DF=平塚明子(センターバック)
    刑事・蕪木
    刑事・安土
    (以上二名がサイドバック)

 GK=登場せずの女中さんや子供たち

 リザーブ=大杉栄

 以上、フォーメーションでいうと3-5-2。晶子がやや下がってトップ下気味なので3-5-1-1と言う方が正しいか…。

【前半】序盤、いわゆるボールが足につかない時間が続く。白秋(綱島郷太郎/青)-啄木(奥田達士/M)-春夫(川上英四郎/青)-萬里(田島俊弥/青)という、日本文壇の輝ける“黄金の中盤”は、それぞれの仕事を積極的にこなそうとする気持ちは見えたが、ボールは思うようには繋がらず、魔の時間帯(開始から5分)に、まさかの失点を喫す。0-1。
 ボランチの須賀子(那須佐代子/青)、CB平塚(遠藤好/青)の押し上げから少しずつペースを握りながらも得点には至らずハーフタイムに…。

【後半】開始早々、自陣でボールを奪った晶子は、低い位置から寿賀子とのワンツーの交換を繰り返し、一気に敵のラインを突破すると、鮮やかな同点弾を放ち、1-1。
 ここで須賀子に代えて大杉(大家仁志/青)を投入。がアナーキストの二人はルール無視の同時プレイ。がつがつした大杉のドリブルから逆転に成功! 
 完全にゲームの主導権を握ると、サイドバックの蕪木(田中耕二/青)と安土(永滝元太郎/M)も加えた波状攻撃で3-1。
 終盤には鉄幹-晶子が重厚なテクニックを見せつけ、ダメ押しの4点目。
 4-1。
 『MOTHER』の完勝
 (俳優名のあとの青=青年座、M=M.O.P)

                 

 まだ公演が残っているので、こんな書き方になりましたが、大変ハイクオリティな作品だと思いました。
 (以下、若干ネタバレあります&役名でなく俳優名で綴ります)

 序盤のいわゆる人物紹介。やや青-Mのプレイスタイルの違いからかチグハグさを感じましたが、それは少々ホンが冗長だったきらいもあったでしょうか。

 一転、二幕は幽霊になった那須とキムラのシーンが実に良く、そこに大家が加わったあたりから舞台は俄然も面白くなり。。。
 そうそう、ちょいと東演の話になりますが、『萩家の三姉妹』(来年2月)でジェンダーを扱うので少々勉強しているのですが、キムラ-遠藤-那須、女優三人で繰り広げる「女性解放」のやりとりは大いに刺激になりました。閑話休題。
 。。。その那須の幽霊を見せておいて、さらに啄木も幽霊で出すの構成も圧巻で、ここでは渡仏している設定の鉄幹以外が次々登場するのですが、このあたりのとてもアンサンブルは素敵でした。

                
 
 この三部作で、青年座は紀伊國屋演劇賞の団体賞を獲得するのではないだろうか?
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ベリャさんがやって来た!

2008年11月25日 | 東演
 昨日、遙かモスクワからロシアの鬼才・ベリャコーヴィッチ氏が来日。
 来秋の劇団東演・創立50周年記念公演第4弾『どん底』のオーディションが主目的だ。

 明日、座内のワークショップが行われるが、今日は旧交を温めるべく一席設けさせていただいた。

 ベリャさんにとっても、色んな思い出のある、パラータの1階にて。
 中央のバンダナがワレーリー・ベリャコーヴィッチ氏。
 (左は通訳の佐藤さん、右は制作部長横川)

 

 この、ロシアを代表する、いまや世界を股にかける演出家と会うのは、東演の創立45周年記念“ロシア3都市巡演(モスクワ-ニジニ・ノブゴロド-サンクトペテルブルグ)”以来だから、実に4年と7~8ヶ月ぶりとなるが、ベリャさんはちっとも変わってなかった。

 かたや東演は、彼と初めて会う俳優がかなりいる。
 前述したように《演出対俳優》としてまみえるのは明日。

 今日は楽しく歓談 
 つか、上の写真、実は♪『津軽海峡冬景色』を歌っているの図。

 『どん底』や『三文オペラ』(ともにベリャコーヴィッチ演出で、東演が上演した作品)の挿入歌をひとしきり歌ったあと、ベリャさんの好きな日本の歌に移行した頃のもの。

 個人的には別件で途中から参加したので、前半どんな話で盛り上がったか不明なのだが…言葉が通じない同士、興が乗ると「歌」になるってのは、世界共通ダ。
 中国でもそうだった。
とにもかくにも、明日はワークショップ。

 僕はこれまた別件で・・・郡山に行くので立ち会えない
 まあ、郡山の話は明後日にでも。
 
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天守物語/急

2008年11月23日 | 鑑賞
【文中敬称略】

 序、破と来れば・・・「急」と、多くの方は解られたことでしょう。

 「じょ・は・きゅう」と読み、導入-展開-終結という役割というか…構成?
 かの世阿弥が、雅楽の曲の構成に用いられていた語を、能楽に取り入れて、構成はもちろん、運足などの所作にも広く使うようになり、能楽の根幹をなす概念にまで高めたのが「序破急」。
 なんか、音の響きもカッコいいですよね
 てなわけで能楽の言葉ってイメージが強いですが、彼が「芸道一般に通ずる」と書いた影響か、生花や茶道、連歌などにも取り込まれているらしいっす。
 世阿弥、さすが

 さて能にも精通している篠本賢一(故観世榮夫に十七年間師事)演出の『天守物語』は、劇場に能舞台を思わせる正方形の舞台空間を置き(篠本は美術も担当)、本編の前に短編二本の朗読を置いたが、最初の『簑谷』ではまさに能の運足を用いて、これから我々が誘われる泉鏡花の独特の世界への見事な導入としていた。

 さて、『天守』本編で言えば、とにかく早野ゆかりが圧巻であった。
 さすが名門・俳優座の中堅俳優!

 白鷺城に棲む美しい妖怪・富姫といえば、ご存知・坂東玉三郎が舞台は勿論、自らのメガホンで映画を撮り、そのどちらでも演じている(映画では舌長姥も)ことで有名だが、初演は劇団新派で、その富姫=花柳章太郎は毎日演劇大賞を受賞している。
 しかも演出は舞踊家の伊藤道郎と千田是也の兄弟。
 そう、言うまでもなく千田是也は新劇世界の巨人で、俳優座の創立同人の一人である。
 早野にはそのDNAが流れている。

 ただ、そんなDNAなどおかまいなしに、播州姫路・白鷺城の天守第五重の奇異妖変さながら魔所の主・冨姫を、早野は妖艶さと茶目っ気と純真さと狂気をもって、銀座みゆき館でアデヤカに舞った。

 名門・俳優座では、そのシステムである的確なパスや前掛かりのプレスを堅実にこなす彼女が、遊戯空間というチームにあっては、フィールドのど真ん中でゲームをコントロールし、持つべき時は一人で長い長いドリブルを仕掛けて、オーディエンスを大いに湧かせた!!

 されど独り舞台であったのとは違う。
 舌長姥の菅野かおると朱の盤坊の岡本高英は、さすが遊戯空間メンバーだけあって、個性的な役を自分というフィルターを通して軽やかに魅せて、演出家の狙いを具現化していたし、冨姫に仕える薄(すすき)を演じた宮崎稲穂の女形のインパクトはまた、舞台全体のアクセントにもなっていた。

 再び演出に目を戻せば・・・本編にも能の要素は散見されたが、それは鏡花の世界観ととても合っていた。

 そんな座組に初めての外部出演となった古田は、大いに勉強になったことと思う。
 東演ではFWかトップ下を務めることが多いが、今回の客演ではサイドバックを担って、日下範子とともに献身的に汗を流した。
 是非、劇団にフィードバックしてもらいたい。
さあ、篠さん! 
 来月半ばからは東演の方をよろしくです
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天守物語/破

2008年11月22日 | 東演

 弊団の古田美奈子客演

 遊戯空間『天守物語』
 銀座みゆき館劇場
 11月/20日(木)~24日(祝)まで
 20~23連日=14時/19時 24=14時のみ
 4000円(日時指定・自由席)

  昨日もお知らせした情報です。

 そして2月3日(火)~8(日)に上演する
 劇団東演創立50周年記念公演
 『萩家の三姉妹』
(作/永井愛)の、
 演出=篠本賢一、照明=池上英輝、
 音響=山田健之、衣裳=竹内陽子
 が共通とも書きました。

 実は、さらに宣伝美術が一緒なのダ。
 これは『子宝善哉』の時とは逆で、篠さんからのご紹介。クレジットは異なっていますが、同一人物。
 ちなみに東演では「前嶋のの」という表記です。演出家でもある彼女は、デザイン同様シャープな感覚の持ち主ってのが僕の第一印象。

 下北沢演劇祭2009参加作品でもある『萩家~』は、公演形態としてはP.I.C-vol.4となります。
 自主公演の流れを汲む清新な企画性と、ナンバー公演と同様のクオリティを併せ持った《劇団創造の新機軸》として立ち上がったP.I.Cが今回こだわるのは、劇団の未来を手の中に握っている準劇団員の成長 ・・・
 あれ? 話が東演の公演になっちまってるぞ

 言うまでもなく、まだ『天守物語』を観られていないからだ。
 今日を含めて、あと3日。近くて遠い銀座である・・・。
 ちなみに、お昼はどの日も完売近いらく、夜がおすすめと聞きました。

 この3連休も世田谷区民上演グループ「さぎそう」の稽古。
 しかも、今日はキャスティング発表だ。
 美術打ち合わせも3日のうちのどこかに組まなきゃならない……。

 和のテイストの『天守』に対して、こちらはギリシャ喜劇『女の平和』・・・色んな役を交代で読み合わせながら、台本を整理して・・・言葉を切ったり貼ったりしながら、役柄とのマッチングについても演出・鷲田照幸氏が吟味を重ねた約一ヶ月半。

 役者にとっては楽しみでもあり、恐くもある運命の発表である

 遠い昔に書かれたお話しなのだけれど、現代にも通ずる『女の平和』。。。そして『天守~』も、播州姫路は白鷺城の天守第五重を舞台にしていながら、やはり今に繋がる作品として紡がれたことだろう……。
 なんつっても、観てないから推量っすけど。
 
 

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天守物語/序

2008年11月21日 | 東演
 なんとか文化庁への提出書類は間に合いそうです

 さて。今日は外部出演の宣伝です。

 『空ゆく風のこいのぼり』でヒロイン・岡野ひとえ役を演じた古田美奈子が、早くも客演に挑んでいます!

 写真は、No.130『空こい』の冒頭、宮崎県で迷子(?)になったあたりのシーンだ。


(撮影/森田貢造)

 で、遊戯空間『天守物語』
  (作/泉鏡花、演出/篠本賢一)

 昨日が初日。連休の24日まで。銀座みゆき館劇場にて。
 千秋楽以外は14:00と19:00公演というハードな番組構成。

 昨夜は、制作部の田中をはじめ、弊団の役者達も多く駆けつけたようだ。
 
 古田が出演していることもさることながら・・・
 演出の篠本さんには、次回公演
 。。。東演の栄えある“五〇周年記念公演”の第一弾『萩家の三姉妹』(作/永井愛)の演出をお願いしているし、照明、音響、衣裳の各プランナー(順に、池上英輝氏、山田健之氏、竹内陽子氏)が揃って『萩家~』のスタッフでもある。
 
 少々ややこしいが、この四人。。。実は、東演の自主公演『子宝善哉』で出逢った面々でもある。
 東演サイドから提示したメンバーの中で、演出家は音響山ちゃんのみ旧知で、若きプランナーの池ちゃん、陽子ちんとは“初仕事”だった。

 縁というのは不思議なもので・・・実際『子宝善哉』も人の縁に重きを置いた作品だったのだが・・・篠さんと意気投合し、以来、彼の主宰する「遊戯空間」でレギュラー(?)の座を射止めたというわけだ。

 『子宝~』は05年の作品だから、早いもので三年半が経とうとしている。
 下は、古田演じるハツが又一郎(原野寛之)を殺そうとする名場面!
 (2点とも撮影=宮内勝)

 

 それから
 りく(小池友理香)の狂気が菩薩(光藤妙子)によって鎮められるシーン。

 どちらも衣裳と照明の仕事っぷりの映える(勿論演出も)今でも鮮明に覚えている『子宝~』のクライマックスです。

 おそらく今回は泉鏡花の名作『天守物語』ですから、さぞや素敵だろうと、観る前からドキドキしています。
お時間ある方は是非、銀座に足を伸ばしてみてくださいませ。

 遊戯空間『天守物語』
 銀座みゆき館劇場(銀座6-5-17 B1)
 11/20(木)~24(祝)
 20~23連日=14時/19時
 24=14時のみ。
 4000円(日時指定・自由席)
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ギリギリの闘い

2008年11月20日 | 鑑賞
 今月21日〆切の申請書類を作成中です
 結構、時間との闘いになってます。

 BGMのかわりに日本対カタール
 (現在2-0でリード……こちらも時間との闘い)

 そー言えば、随分我慢して、サッカーネタを封印していましたが、ごめんなさい、久しぶりに書かせていただきます
(あれ?申請書類は

 サッカーW杯2010南アフリカに向けての、アジア最終予選。

 主将の中澤を欠き、GK楢崎も離脱。さらにはエースの俊輔が万全ではなく、相手は歴史上「勝ち」のないチームだと、マスコミは騒いでいたけれど。。。

 確かにセンターバックに中澤が居ないのはかなり痛い
 けれど、守護神・能活の復活は、僕的には寧ろ歓迎だ
と、今、俊輔の素晴らしいクロスを角度のないところから闘莉王がヘッドで決めて3-0。
 
 過去にも(あ、川口の話に戻ってます)怪我やチョンボからベンチを温めながら、最終的には日本のゴールマウスに帰ってくる“守護神”は、世界で勝つ《何か》…技術とかを超えた《何か》を持っている男。このまま南アまで、能活で行きたい。

 それから、長友の復帰が何より大きい。
 そうして先程ピッチに入った松井がジョーカーとして機能してくれれば。。。個人的にはやっぱ先発で使って欲しいのだが。。。

 今日は達也と玉田、前の選手が点を取ったけれど、まだまだFWに不安のある日本にとって、左サイドは生命線になるだろう。

 後半31分、まだまだ予断は許さないが、予断を許さないのは文化庁の書類もダ。

 ああ、完全に手が出てるヨ! だいぶカタール荒くなって・・・キリがないので、このへんで。

 珍しく(?)ライヴ感のあるブログでした。
 さあ、エクセルを開こう!っと

 W杯に向かう日本同様、東演もギリギリの闘いへ。。。
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死立探偵(後編)

2008年11月17日 | 鑑賞
   『ピアノ・ソナタ「月光」による朗読劇/月光の夏』
   は、千葉県の流山生涯学習センターにて土曜日
   (11/15)に公演を行いました。
   役者ブログに、詳しく、本当に詳しく出てます。
   流山公演・・・というよりは『月光~』の流れが
   是非、ご覧くださいませ。

 【以下、文中敬称略】

 さて、11/7のあと、イベントが重なったりでアップできなかった劇団ジャブジャブサーキット『死立探偵』の後編を遅くなりましたが書きたいと思います。

 その前編では「静かなのにアクティヴ」と書いておきながら……今日は、まず安定感から書き始めたいと思います。

 主人公は、余命半年と宣告された休業中の探偵・結城又三郎。
 演じるJJCの看板俳優・栗木己義が相変わらずの安定感だ。
 片腕「ワトソン」こと、カフェのマスター和蔵桂五役・はしぐちしん(コンプリ団)。彼は客演だが、今やジャブには欠かせない俳優。。。この二人の掛け合いが絶妙で、“はせワールド”の外郭をがっちりと支えていました。
  
 前編でも少し触れたロールプレイングゲームから舞台は始まり、まず最初の人物紹介をいかにもなそれではなく、自然に見せて、良きところで謎の依頼人・赤川はとこ(咲田とばこ)から「私を探して欲しい」と。
 こうして“謎”をめぐって舞台は転がっていく。。。ここまでの息遣いというか展開が本当に綿密で、グイグイ引き込まれる。

 この序盤で、何ともグータラなカフェのウエイトレス立花明美(中杉真弓)は、ずっと芝居の潤滑油でいて、最後の最後だけシャンとする。
 で、それは終盤の赤川と対峙するシーンなのだが、劇中「結城を愛した女」同士の邂逅として際だっているとともに、JJCの二大看板女優の紡ぐ優しい場面としてファンには堪らなかった
  
 この結城の死へのカウントダウンは、記憶障害や味覚障害として観客に呈示される。
 久しぶりの「事件」に、昔チームを組んだ仲間(香山カノコ役=岩木淳子、キムジョヨン役=岡浩之、星野亮平役=小山広明)が再結集し、今や主婦であったり、経営コンサルタントだったり、警部補から警部に昇進したりしているが、皆、何ともトンマな推理ぶりで、客席をハラハラさせてくれる。

 そうして捜査は佳境に向かうが、時間は刻々と流れて・・・古い記憶から喪くして行く結城は、とうとう「星野」という名前を憶い出せなくなる。
 そして、いつもと同じコーヒーを「変えた?」と聞き、マスターは「特別にブルーマウンテンを仕入れた」と答える。
 
 こういうさり気ないやりとりの積み重ねが、実に染みるのだ。

 忘れてはいけないのが、結城と同居している少年・知妹(くまのてつこ)。
 過去に結城が絡んだ事件で服役している女の一人息子を引き取ったのだ。
 この“チグハグな二人”の関係性も、また滅茶苦茶泣かせてくれる。
 ホンや演出は勿論、ジャブジャブの期待の新鋭☆くまのの役者っぷりに負うところ大だ!

 まだまだ書い足りないけれど、長くなったのでこのへんで

 最後に。小劇場演劇が最も熱かった時代の「劇団」が次々に力を失う中、筆力の落ちない、はせひろいちの驚くべき才能に今回も驚かされた。
 そして、益々冴える演出力にも!

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赤シャツ

2008年11月15日 | 鑑賞
 青年座が、紀伊國屋ホールで1ヶ月にわたって、マキノノゾミの3部作を上演するという“無鉄砲”な企画の2本目『赤シャツ』を観た。

 【文中敬称略】

 ご存知・夏目漱石の『坊っちゃん』に登場する「敵役」=教頭の赤シャツを主人公に据えた2001年初演の作品。
 だから舞台は、日清戦争に勝利した明治38年の、道後温泉で有名な松山だ。

 昨今、人気ドラマの脇役を主人公にした作品群が「スピンオフ」と言われて、なかなかの人気だけれど・・・この作品もそのカテゴリーの、しかも優れた「スピンオフ」の一編と言えるでしょう。

 さて。冒頭“無鉄砲”と書いたのは、少ないとは思いますが知らない方のためにあえて書けば、『坊っちゃん』の主人公の、一等最初に出てくる性格で。。。

 【親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりして居る】

。。。という書き出しで小説は始まります。

 劇中、赤シャツ(横堀悦夫)も、舞台には登場しない彼のことを何度もそう評するのだけれど(ただし開演前の挨拶をはじめ劇中も声だけは登場します!)。
 つまり、決して青年座のこの企画が、本当に無鉄砲だと思っているわけではないのです

 ついついこんな余計をしでかし“角が立つ”ことを嫌う習性の僕は、坊っちゃんより、まさに赤シャツだ。

 と、僕同様に思う観客もまた多いことが、この作品の核であったりするのである。

 漱石の『坊っちゃん』が描くエピソードのことごとくを「赤シャツ目線」で捕らえ、しかもマキノ流のアレンジが見事に加わったストーリーに、観客は、時に少々の矛盾を感じつつも納得し、今の日本を見据えたメッセージを感じ取り、ラストの赤シャツと小鈴(野々村のん)の2人に絞り込まれる照明のように、心に染みさせてカーテンコールを迎えることになる。

                  
 いやぁ~この小鈴を演じた野々村のんが、も~サイコーに素晴らしく芝居を引き締めてくれている

 教師(しかも教頭)とは身分違いの芸者という役得もあるのだけけど、微妙な女心を、細かな演技で、しかもあざとくなく、可愛らしさとともに客席に届けるのは、ある意味で“円熟”とも言える「野々村節」の域だ。

 勿論、赤シャツの横堀、彼の家の下女・ウシの今井和子らも素敵だったけれど・・・元のお話に縛られて、現代の日本を照射するというコンセプトはいいのだけれど、一つひとつのエピソードに少々面白さが欠けた恨みのある『赤シャツ』での、野々村の存在感は圧巻だ

                  

 そうそう。
 11/5付けの弊ブログで、この三部作が、上演順でなく、時代順でもなく『フユヒコ』『赤シャツ』『MOTHER』と並べた“青年座の狙いやいかに?”と書いたが、今書いた若干の恨みを含めて、この作品の“柄”を考えると、渋い働きをする2番バッターという印象を受ける。
 それでこの位置に来たのかと勝手に思った。

 11/12(水)~18(火)紀伊國屋ホール
 演出は宮田慶子。
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