麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

周年2025

2025年01月31日 | 身辺雑記

早いもので今年の1月も今日迄。

あと11ヶ月っきゃなくなるのだな

 

そんな2025年に「周年」を迎える

いくつかについて書く。

 

プリクラ30年。

筆者にとっては新しいもの、

というイメージなので「もう?」

って思うわけだけれど、

指折り数えたら三十路手前に出現。

あの頃「何それ」と訝って

遠ーくから眺めてたという記憶。

 

ポカリスエット45周年。

確かに中学の部活で飲み始めた。

が、先行したのはゲーターレード。

 

カルビーポテトチップスが50年。

これは逆にそんな最近?

そうかカルビー製がであって、

紐解けば(いや皮むけばか…)

湖池屋が67年に発売していて

66年生まれの僕的には

物心ついたときにはあった勘定。

さしずめ「ポテチネイティブ」!

きのこの山も同期らしい。

 

 

ヤクルト90周年。

そんなに歴史があるのだな〜。

  

我がスワローズも今季は上位に

(優勝とはいわない)食い込み

記念イヤーに花を添えたいな

 

さて、90まできたら100だ

近畿、天理、東邦といった

「大学」がそれぞれ

大阪専門学校、天理外国語学校、

帝国女子医学専門学校として

1925年に創設して、100年。

ほか徳島洋服学校から四国大学、

南都正強中学から奈良大学など

大きな節目を今年迎えるそう。

 

 

あ、昨日紹介した「月刊住職」も

そういえば昨年が発刊から半世紀。

 

昨年は、新劇の始祖とされる

築地小劇場の誕生から100年という

マイルストーンだった演劇界。

幾つかの劇団の周年も重なり

特に新劇畑は賑やかだったけれど、

今年は「大小劇場」の新感線が45th!

いのうえ歌舞伎『紅鬼物語』を

記念興行として大阪・東京で打つ。

 

本家の歌舞伎を届ける松竹は130th!

『仮名手本忠臣蔵』『菅原伝授手習鑑』

『義経千本桜』の三大名作一挙上演と

気合が入っています。

 

『仮名手本〜』は観たいなぁ

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月刊住職

2025年01月30日 | 鑑賞

ページの打たれたのは175まで、

ながら次頁は編集後記、

さらに広告が8頁あるから

184頁立ての雑誌ということになる。

 

図書館で初めてみた「月刊住職」。

誌名はその職業を表すように

なんの捻りもないまっすぐさだ。

 

たまたま手にした今年の正月号には

高橋源一郎、群ようこという

著名な作家のエッセイも掲載。

「宗教には興味が薄い」という内容を

ともに綴っていたけれど、

あえてそういう人を選んでいるのか、

最初は縁のある作家にお願いしていて、

それじゃつまらんと方向転換したのか、

何しろ初めましてなので解らない。

 

 

〈なりすまし住職の提訴に関する真相〉

というスキャンダラスな記事から始まり、

〈老若男女の居場所になる為の実例特集〉 

〈明治期の葬儀対立〉など

幅広い内容で滅茶そそられたけれど、

上述の2編を読んだところで時間になり

後ろ髪を引かれながら書架に戻して

みなと図書館を出た。

 

 

その名の通り、港区の区役所にも近い

芝公園内にあるライブラリー。

雑誌発行も区内芝大門にある興山舎。

同誌のほかにも仏教系の本を出している

出版社。

「全宗派対応 葬儀実践全書」

「落語で大往生 お説教のススメ」など。

 

つくづく世の中の広さを、

広いひろい芝公園で東京タワーを

見上げながら、思った。

 

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守備範囲(PK戦)

2025年01月29日 | 身辺雑記

1/17、同/22と続いて……

 

皿が割れる音がして

「コンチキショー、出て行きやがれ!」

の怒声が言い終わらないうちに

「言われなくても二度と帰らねーよ!!」

と女性とは思えぬドスの効いた声が

壁の向こうから。

 

もう慣れてきた。

「二度と」を聞いたのは両手で足りない。

年中派手に喧嘩して、

だけれども本当に別れることはなく、

ごま塩短髪の七十絡みの夫が

「何遍言ってもできねえな、バカ」

「バカにバカ呼ばわりされたくないね」

紫に染めたいが白髪が勝っている頭と

唇には近年見かけない濃い赤をさした

妻が数日後には喚き合いながら

狭い狭い路地を並んで歩く。

 

近所迷惑甚だしい声高な口論の二人。

だが、漫才師顔負けの応酬だから

ただで寄席にいると思えば、

多少我慢もできる。

その境地に達するまでに隣家は

暦を随分掛けかえたけれど。

 

※※※

 

全国高校サッカー選手権一回戦。

監督となり苦節16年、初めての県代表。

小峰は競技場のいかめしい時計を見る。

既に80分は過ぎて残すはロスタイム。

1対0とリードしている。

 

近距離の守備にめっぼう強い武田を

スイーパーに送り出して、15分が経過。

力では上の全国常連校の分厚い攻撃に

チームは耐えていた。

 

主審はチラリと腕時計に目を落とす。

相手GKがピッチ中央まで上がり、

ゴール前に蹴り込む。

 

バイタルエリアは大密集。

スマートボールのように

敵味方の足、膝、足、踵と弾かれて、

最後はキーパーが身を挺して抑えた

……かに見えたが、こぼれて。

赤と黒の縦縞ユニの足が伸びる!

 

9年前の県予選決勝。

GKとCBが一瞬見合って敗れたシーンが

小峰の脳裏に蘇る。

 

そこに、コンマ秒早く武田の爪先!

近距離でのレーダーが危機を察知、

ダークオレンジのスパイクが!!

 

ボールはゆるゆるとラインを割り、

長い長いホイッスル。

 

※※※

 

小さな自分たちの暮らしのみに

視界を置いて生きている。

「なんだよ、茶がぬるいぞ、タコ」

「電気もガスも値上がりしてたんだ、

黙ってすすれ!」

今日も諍いながらも当人同士は

楽しいのだろう。

 

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橋と眠る(弐)〜演じているひとびと

2025年01月28日 | 鑑賞

【跨線橋のある町。

今橋渡の家族はちょっとした

意地の張り合いで崩壊寸前。

父と母は別居し、母はアル中になり、

妹の美由だけが家族再生に奔走する中、

渡自身は病院で重い宣告を受ける。

恋人で漫画家の理恵はデビュー後の

プレッシャーに耐えられず

薬物に頼り幻覚に苛まれている。

自分の在り方を探しながら

不器用に生きる渡、家族、恋人。

橋は取り壊しが近づき、

人々の人生がそこに交錯する。

橋とそれを渡る魂たちの

切なく不思議な物語。

今はもう渡ることの出来ない

三鷹跨線橋への哀惜と賛歌。】

 

いろんな場所に使われている

公式のあらすじ。

まさに全てを語っております。

 

昨日の〈…壱〉にも書いたように、

東京都三鷹市のJR三鷹駅から

武蔵境駅の間の跨線橋を「主人公」に

製作された映画は

市内在住の俳優たちを中心としたチームで

撤去工事前の姿を焼き付けた。

 

そんな『橋と眠る』には旧知の一升が出演。

今は横浜に暮らす彼も元は三鷹辺りに居た。

おっと、一升は昔の活動名で

最近はウクレレ片手に歌っているから

ミュージシャン濱野ロイというべきか。

クレジットもそちらになっている。

 

 

それからもう1名。

制作委員会にも名を連ねる丸山太郎。

「にも」というか……、

制作サイドにいて、教諭が本業の彼は

あらすじ6行目の場面の白衣を貸すべく

現場に行ってら「医師役」に抜擢されたと。

見事な役者ぶりでした。

 

そんな起用は彼ばかりではないようで、

「文化祭でクラスで創る映画」の匂いが

良い意味で醸し出された70分!

 

『侍タイムスリッパー』の爆発といい、

本作の満員御礼といい(私のみた回は)、

最新技術が進むなか、映画みてるのか

VFXみてんのか判らん昨今に、

血の通った「活動写真」も求められる

(‘’も‘’と書いた。最新技術の否定ではない)

時代なんだろうな〜。

 

最後に上映後の舞台挨拶。

右端に、プロデューサーにして

監督脚本主演の、神山てんがい。

濱野ロイは左から二人目。

 

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橋と眠る(壱)〜もちろん数じぁない。

2025年01月27日 | 鑑賞

韓流にハマる人から誘われ

映画『勇敢な市民』を観に行った。

漫画(正確にはウェブトゥーン)を

原作としたアクションコメディで

シン・ヘソンとイ・ジュニョンの

W主演。

監督はパク・ジンピョ。

 

平日の15時50分開映の回。

微妙な時間ゆえに「20人くらいかな」

と誘い手が言うので

「7人とみた」と半分冗談で予測。

 

ウェブトゥーン発祥の韓国で

人気の作品(日本語版もあり)な上、

実力派女優シン・ヘソンが

初のアクションに挑んだ映画であり、

K-POPグループ解散後に俳優に転じた

イ・ジュニョンとのカップリング

 

シネコンのロビーも賑わっていたし、

賭けに負けたのを覚悟したけれど。

吃驚

ひいひうみいよう……目立たないよう

目で数えたらピッタリ7人!

しかし、客電が落ちたところで

ギリ入ってきて結果は8人に。

・・・ある日のその回は、

兎に角そんな入りでした。

賑わいは何目当てだったのか?

 

数日後。

70人キャパのミニシアター

Morc阿佐ヶ谷での『橋と眠る』へ。

開映40分前に切符を求めたら、

残席は補助椅子を入れて4席!

衝撃

有名俳優は一人も出ていない

監督脚本主演を神山てんがい

(そして製作も)が務めた作品だ。

 

こちらは単館で一週間。

かたや前述の韓国映画は

東京だけでも6館で打たれている。

比較など出来やしないが

 

三鷹にあった跨線橋。

太宰治も愛した場所として、

また生活道として多くの人の

思い出が刻まれた全長93mに

94年またがった橋として、

ニュースにはなっていたけれど、

多くの人が興味を抱くのかは謎。

 

いやはや世の中って本当に面白い。

 

 

おもしろいついでに。

Morc阿佐ヶ谷の座席もユニークで、

ABC列何番やら、いろは列の何番が

ふつうだと思うけれど、

壱弐参のいわゆる「大字」を使い、

ぼくは「肆−5」つまり四列目5番。

 

で、『橋と眠る』の感想は次稿で。

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高橋良昌

2025年01月25日 | スポーツ

佐々木朗希が11番のユニフォームで

記者会見する映像を目にした。

11といえば、まーくんも同じ番号を

背に25年シーズンを戦う。

 

そのニュースで斎藤雅樹、上原浩治らも

背負ったと。確かに斎藤の番号だが、

雑草魂の上原は19のイメージしかない

 

メジャー4球団でも19で投げ続け、

日本復帰の2018年のみの11番で

翌年は慣れ親しんだ19をつけ、

結果的にその年に引退している。

 

そして。

アラカン世代には斎藤と同じ

サイドスローの高橋良昌が浮かぶ。

 

高知商から中央大を経て、

1966年、第2次ドラフト1位で

東映フライヤーズに入団。

15勝11敗で新人王に輝いた

 

というのは今回調べて知ったこと。

なんたって

そのドラフト年に生まれたから

物心ついたときは巨人の、

高橋一三(左腕の21番)と並び

私と同じ姓のピッチャーって認識で

応援していたわけである。

(当時はG党だった

ちなみに本名は高橋善正だが、

1975年に登録名を〈良昌〉とし、

私のなかではこちらがしっくり。

 

またフライヤーズでは18番。

G軍に移籍した73年から11。

 

改名一年目の75年は53マウンド。

小川邦和と並びチーム最多登板で

中継ぎを担ったから、

よく目にもしたのだろうなぁ。

そうそう。

あの頃、父の運転する車の

後部座席でラジオから流れる

巨人戦を聴いたのも懐かしい。

 

ふてぶてしいマウンドさばきと

独特のフォームから繰り出す

切れ味鋭いシュートが印象的で

プロ11年で384試合に投げ、

うち先発は147試合。

通算60勝81敗7セーブ。

当時はホールドの記録自体なかった。

 

ひとことでいえば渋かった。

 

選手としては2球団だが、

コーチとして巨人、中日、日本ハム、

横浜大洋と歴任。社会人のシダックス、

東都六大学の中大でも指導。御年80。

 

阪神の村山実。

ザトペック投法の200勝投手で

阪神の永久欠番や

トルネードでメジャーでも活躍し

近鉄やレイズ、レッドソックスで

11を背負った野茂英雄ら

良い選手は沢山いるけれど、

私の中での〈11〉は高橋良昌なのだ。

 

……どうでも良い話だが

中学のバレー部の中1秋。

公式戦のベンチに初めて入った時の

白地に青ラインのユニフォームが

11番だった。

 

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万才

2025年01月24日 | 身辺雑記

渡辺文雄、竜崎勝、友竹正則、宍戸錠、

川津祐介、梅宮辰夫、村野武範、

辰巳琢郎、山下真司、宍戸開、松岡修造。

歴代くいしん坊 初代から順番に!

 

松岡、友竹、山下、梅宮、村野、辰巳、

渡辺、宍戸錠、竜崎、宍戸開、川津。

出演回数順のくいしん坊!

 

トップ修造はダントツの1000回超え。

つづく声楽家・友竹は794回。

最少の川津でも228回。これを約1年で。

そう以前は週5の帯で流れでいた

(サラリーマンみたいに土日休ではなく、

火曜と金曜休みという編成)。

現在は週一、日曜日のオンエア

 

テーマ曲は愛場俊彦。

1974年から半世紀を超える長寿番組だ。

 

「万才」は、祝いや喜びの気持ちを込めて

唱える言葉で、その動作のことも言い、

そのかたちから、別の意味にも使う。

降参すること。「お手上げ」の同意として。

  

 

本来は〝くいしん坊に長久の繁栄あれ〟

という、ある意味呑気な、よく言えば

大変に平和なコンセプトなわけで……。

それが、それを放送する局の不手際に

「お手上げ」だから一寸お休みになった。

 

でも余りに過剰と思うのは私だけか。

保身を優先した企業に対して、

「わが社はそれに賛同しません」という

態度もまた保身ではないか。

将棋倒し的に広がるCMオフエアに至る

空気も仕方ないのだろうが。

・・・と

書いていた1月23日午前に入った

ニュースにびっくりした。

pensionering

余りに驚いてスエーデン語になったが、

日本語では「引退」。

 

彼の不祥事にではなく

局に対してのリアクションだから

「はい、じゃ休止取り下げます」とは

すぐにならないわけで。

嗚呼、早く……

呑気で平和な番組の復活を願うばかり。

 

非凡なMCが芸能界を去った次は、

バラエティの王から社長になった男の

辞任という流れかしら。

 

「正義」があらぬ方向に動いている、

ような気もしないでもないが

はて? どんな着陸になるのだろう。

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あした悲別で

2025年01月23日 | 身辺雑記

『昨日、悲別で』はテレビドラマ。

日本テレビ系列で1984年に放送された

倉本聰脚本の。

出演は天宮良、石田えり、布施博、

梨本謙次郎、五月みどり、ほか。

 

北海道の悲別と、東京が舞台で

上京した主人公(天宮)は

赤坂でタップを踏んでいる。

同級生の、おっぱい(石田)、

駅長(布施)、与作(梨本)を絡めた

青春グラフィティ

 

石田以外の3人が、この作品から

ブレイクした点もドラマチックな名作。

 

と、懐かしい作品を持ち出したのは、

舞台『マクベス』の公演情報を目にして。

 

その出演者・・・

藤原竜也、土屋太鳳、河内大和、

廣瀬友祐、井上祐貴までの

フォントが大きくて、

稲荷卓央から小さいのだが、

その中に冒頭作品の主演俳優

〈天宮良〉の名前を見つけたから。

 

彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd

(蜷川演出からバトンを受けた

吉田鋼太郎による後継シリーズ)の

第2弾『マクベス』は今年5月、

彩の国さいたま芸術劇場ほかにて。

 

小フォント20人のあと、たかお鷹、

演出も兼ねる吉田が大フォント。

 

大書が主要キャストと推測され、

ホームページを見ると、

藤原=マクベス、土屋=マクベス夫人、

河内=バンクォー、廣瀬=マクダフ、

井上=マルカム、たかお=ダンカン、

魔女=吉田と、7人だけ配役あり。

 

かつての人気ドラマで主役を張っても

この舞台では特別扱いはしません!

という大変フラットな座組だ

 

芝居は過去の栄光でやるもんじゃない。

同様にまた、役に大小はないとも

よく言われる話である。

 

いずれにしろ。

出世作のイメージから北海道出身と

思われがちだが、実は東京三鷹が地元。

トライアスロンが趣味の壬寅年の、

天宮が何役なのかが気になります。

 

多くの方はご存知でしょうが

悲別は架空のまちなのだけれど、

『悲別〜かなしべつ〜』という

演歌もあって、歌唱は川野夏美。

作詞が仁井谷俊也(にいたにとしや)

で2013年発売。

 

今回の話とはまるで関係ないが、

作詞家とブログ筆者の名前が

同じよしみでサビを少々

 

♫ここは悲別 北の悲別

 あなたに帰る汽車は来ないけど

 この胸の 胸の線路は

 今もあなたに続いています♪

 

ド演歌

 

 

悲別のモデルは、空知郡上砂川町と

言われているが写真はフリー素材で

北海道のまた別の駅のもの。

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守備範囲(延長戦)

2025年01月22日 | 身辺雑記

1/17のつづき

 

武田兄がシャドー。

センターバックが主将の熊澤。

キーパーに副将・中山(以上3年)。

ワントップが唯一の2年・杉本。

 

この4人を中心に堅守速攻の

オーソドックスなサッカー。

もちろん、勝ち上がるためには

ラッキーボーイも必須。

左インサイドハーフの伊豆が

まさにそうだった。

2回戦での同点弾が彼の公式戦

初めての得点で、最後のゴールは

準決での決勝ヘッドになった。

つまり高校生活の全得点が

最後の県大会の、かつ重要なゴールに。

 

※※※

 

〈自分まわりに圧倒的な力を注ぎ、

周辺には関心がない人〉の具体例。

ある日の路線バス。

 

最後列の5〜7人は座れる長椅子の、

通路に面した中央に陣取り

両サイドに行きづらく座る御仁。

豹柄ジャケットにサイケなシャツ、

細身の黒パンツに赤い靴下とくれば

当然靴は先がとんがっている。

パーマ、サングラスという

絵に書いたようなイデタチの、

とどめはオーデコロン。

無駄に多く振り、匂いが強すぎる。

 

スマホをいじっていたと思ったら、

前の二人掛に一人で座る

寿司でも握りそうなごま塩短髪の

七十絡みの男性に話しかけた。

 

彼も窓側を空かせており、

足は通路に投げ出している。

普通なら二人掛けに並ぶものだが、

何しろ〈自分まわり〜〉なので。

「座りたければ一声くれればどくよ」

という発想なのだ、きっと、どちらも。

類は友を呼ぶとはよく言ったもの。

いや二人が友人知人なのが家族なのか

知る由もないけれど(汗)

 

いずれにしても。

「一声〜」に関しては間違ってはいない。

と脳内でグルグルしていたところで

七十絡みの電話が鳴った。

 

※※※

 

やはり全国の壁は厚かった。

完全に相手ペースでの展開は

前半0対2。

 

素人目には五分五分に見えたが

名門はこちらのカウンターを避け、

ゆったりと攻めてきた。

焦れたところでボールを奪うと

その気持ちが災いして意思疎通がずれ、

逆にインターセプトから

速攻を食らっての失点だった。

 

特に2点目は、ゴール前の密集で

熊澤と中山が一瞬譲りあって、

滑り込んだ敵FWの足が先んじた

手痛いシーンとなった。

 

どちらの守備範囲でもあり、

だからこその躊躇だった。

それも一瞬の。

 

後半開始早々、ハーフウェイで

インターセプトした伊豆が

杉本に長いパスを放り込む。

大きなCBに競り負けたが、

詰めていた武田兄の前にこぼれ出る。

県大会ではゴールを許していない

鉄壁の背番号21だったが、

当たりどころが悪いのが幸い、

結果的にループシュートとなり

ゴール隅に転がって一点差。

 

しかし、35分。

この日何度目にしただろう

波状攻撃に耐えきれずに3点目。

勝負はほぼ決した。

さすがの「史上最高」のイレブンも

下を向いた。そんな中、

武田兄だけは皆を鼓舞し、

杉本の背を抱いて具体的指示を出す。

 

※※※

 

当然、ごま塩氏はスマホに出た。

通話は他愛ない、今晩のおかず。

「今、バス」と切れば良い話だが

「馬鹿、そんなもん食えるかよ〜」

とキツい口調の会話。

だが、それがきっと彼らの日常であり、

幸福な毎日なんだろうと確信した。

 

つづく

 

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正月二之席(弐)〜客入りは何処も

2025年01月21日 | 鑑賞

新年を「笑い初め」から始めたら

一年笑って過ごせるかな、と

寄席に行ったのは1月17日。

さすが「正月二之席」は

顔ぶれも豪華!と書いたのは昨日。

 

また、知らない芸人さんを知り、

その芸に感心したり落胆したり。

 

カンカラ三線の岡大介は

「めっけもの」だった。

ただ字数を費やしそうなので

またの機会にゆっくり。

 

 

客層は平日昼だったせいもあり

かなりの高齢で。

デートに来た一組もあったが、

歳は恐らく40前後と見た

それが「若い方」で

食事どきには出ていった。

何たってデートだもの、

三三の噺も終わった18時頃に。

 

これまた昨日書いたが、

昼席トリの林家正蔵目当てが多く、

かなりの入りだったけれど、

夜の部の始めには30人ほどに。

その後も減るばかり。

 

かくいう演劇界も

マチネは入るがソワレが厳しく、

昼10回夜4回のようにステージ割を

偏らせるところが目につくこの頃、

会社帰りの働き盛りを寄席も

キャッチできていないよう

話が逸れた。

 

客も高齢だが、演者もベテラン揃い。

奇術のアサダ二世には憐憫すら覚えた

が、あとで調べたら76才。

実年齢は「さほど」いっていなかった。

この日の高座でいえば、

11代金原亭馬生が77才でかくしゃく。

 

さらに上もいて、林家ペーが83才。

声は出づらくなっていたけれど

経験の力で、十二分客を惹きつけた。

ネタ終わりの引っ込みに多少、

1941年生まれが滲みはしたけれど。

 

そうそう。アサダはトランプを

「確実に投げます。手をあげて」

と客席に放ったが、

コントロールするのは難しく

「あれ?」と素直に首を傾げ、

次々とスナップをきかせ……

その一枚は僕の手元にも。

 

 

文庫本の栞として使ってます。

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