麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

悪い鯛焼き

2020年05月27日 | 鑑賞
4/15付弊ブログで『悪い刑事』と題してアップ。
タイトルは韓流ドラマなのだが、
その時にはまだ放送が始まったばかりの2話目で、
作品自体には、ほぼほぼ触れずに終わった。

BS12で毎週土日オンエア。24日に14話に達した。
前話で、主人公の敵役チャン検事
・・・サイコパスを演じるキム・ ゴヌが
芸人の粗品に似ていると4/15では紹介・・・
がついに死に、新たな殺人鬼が出現した回。
つまり、次のフェーズに入ったのだが。

チャンとの死闘で傷ついたシン・ハギュン演じる
ウ・テソクSNSチーム長(主人公)が短い休暇中、
彼を慕う後輩が、復帰を乞う時に差し入れるのが
鯛焼き……ん?韓国に?? と調べたら、
プンオパン、直訳すると鮒パンと判明した。

発祥は明治時代だと言われる鯛焼き。
日本では、めでたいに掛けて誕生したらしいが、
プンオにも「吉」的な意味があるのだろうか……。
さておき。

前述のような食文化を映像から、
また字幕放送ゆえ言葉の類似も多く散見される。
約束とヤクソ(약속)、家族とカジョ(가족)など
隣国作品の楽しみのひとつだ。

前回も書いたが、かみさんの韓流好きに
付き合っての鑑賞なので頑張って見処を開拓せねば。


さて、『悪い刑事』はライバル(?!)を失い、
記者ウン・ソンジェとの関係に焦点が移る。
演じるイ・ソルが、個人的には
〈ダークな原田知世〉に見えて仕方ない。
彼女にどんな結末が?
あ、あと、タイトルロールのテソク刑事より
実際は〈悪い刑事〉はなはだしい奴が
パク・ホサンが扮するチョン・チュンマン隊長。
地方警察庁広域捜査を率いているが、
訳あって休職中。
「こいつ」の顛末にも注目だ

ま、2018年の作品だから、ちょいと検索すれば
解るんだけど……。


外出自粛生活では多少は読書なぞも
新潮文庫『江戸学講座』によれば、
町奉行の組織にも「不正」はあった模様。
ただそれは現代からの目線であって、
当時はそれが準給与のようでもあり……
貰う側の論理で扶持や金品を得ていた。

翻って今、どうなんだろう?
違法なギャンブルをしても退職金が出たり、
まさかしないだろう……。
近所の美味しい鯛焼きを食べながら、文春でも。
いっそ、劇団から遠くはない、
元祖鯛焼きと言われる麻布十番の
「浪花家総本店」に足を伸ばして、書店に寄ろうか。


(これがプンオパン)
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ニュースの断片考

2020年05月26日 | 身辺雑記
歴史上の人物の生きていた頃を
僕らは大抵知らない。

織田信長は力にものを言わせる
新しもの好きで敵が多く、
豊臣秀吉は小者の位置から
天下に上りつめた小賢しい猿、
満を持して長期政権の礎を築き、
てんぷら食って死んだ徳川家康
・・・と勝手に思い込んでいる。

ひどく雑とも言えるが、
断片でも知られているのは幸いか。
……さすが偉人。

さて「歴史」とまではいかない、
五年前……の5月26日に
とある元プロ野球選手が亡くなった。
その共同通信報が以下だ。

《プロ野球南海(現ソフトバンク)などで
内野手として活躍した富田勝氏が
26日午後5時32分、肺がんのため
大阪市の病院で死去した。68歳。
大阪府出身。(中略)
法政大では山本浩二氏、田淵幸一氏とともに
活躍して「法政三羽がらす」と呼ばれた。
1969年にドラフト1位で南海に入団。
70年には23本塁打を放った。
73年から巨人に移籍。76年に日本ハムへ移り、
77年から2年連続で打率3割以上。
81年から中日でプレー、82年に引退》
※中略は葬儀の情報

字数に限りのある中まとまっている。
ただ富田を知っている世代としては
何とも歯がゆい文章である。

まず冒頭「南海など~」と書いたのは
入った最初の球団だからか?
ホームラン23本など実績も残してはいる。
或いは際立って長く在籍した、
若しくは目立って活躍したチームがない
場合は「最初のチーム」を表記する
社内規定があるのかもしれない。

繰り返すが字数制限もあろうし、
「訃報」にドラマはいらない。
それを解った上で少し書けば

「法政三羽がらす」の他の二人、
のちにミスター赤ヘルと呼ばれた山本、
ホームラン・アーチストの田淵が
活躍する一方で、当時人気のなかった
パのユニフォームに袖を通した富田。
73年セの、しかも球界の盟主である
巨人に移ったものの、そこには長嶋茂雄。
控えに回った背番号25の悲運の歩みには
ある種の感慨がある。

というか、「ミスター」の後継者として
ジャイアンツに富田は移籍してきた。
その長嶋が引退し監督になった75年、
さぁいよいよ本領発揮かと思われたが、
その新監督と反りが合わず、
それもあってか成績も振るわなかった。
またチームも史上初の最下位に沈み、
シーズン終了後、再びパ・リーグへ移る。

皮肉にも、この年のオールスターで、
セは3番山本、4番王、5番田淵という
クリーンアップを組んでいる。

山本は首位打者とともにMVPを戴冠。
さらにチームはリーグ初優勝を果たし、
「ミスター赤ヘル」の称号も生まれた。



通算13年のプロ野球での選手生活で
平均打率.270、本塁打107本を記録、
史上二人目の全球団から安打を放った
富田勝の半生を語りたかったんじゃない。

彼の訃報記事を読んで、ふと、
あ、歴史として知る我々の事実って、
こういう部分が抜けて伝わる・・・
ってことが多いのかもな、と思い、
メモしたまま「下書き」にあった文章を
巣籠生活のなか認めて、リライトしたら
長くなっちゃった
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OKAMOTO'S

2020年05月25日 | 身辺雑記
【イントロ】
中学校からの同級生であった4名によって結成された
日本のバンドで、全員が岡本太郎好きなことから
「OKAMOTO'S」。結成当初は漢字表記の岡本's。

確かに、おかもとといえば太郎である。

【たけし】
小中と同じ学校の同学年だった岡本武の
渾名はずっと「たろう」であった。
小学生にも知られていた芸術家って、凄い。
我々の「たろう」は中学を出て寿司屋へ。
板前の道に進んだのだった。

【ゆみこ】
女子はさすがに「太郎」とは呼ばれなかった。
岡本由美子はおかっぱで色白。
それから、幼稚園から中三のあいだに
クラスがほぼほぼ一緒だったのに
そのことに気付かなかった。
彼女がとてもおとなしかったことと、
年少から中二までの十年間ずっと同じ組の
メグちゃんがいたことも大きかった。

【みつえ】
逆に中三の一年だけ一緒だった岡本光江。
バスケ部。
一般的に、中学三年間の成長はハンパない。
伸びる者がいれば、停滞するタイプもいる。
上級生に混じり早々に起用されながら
怪我のほか様々な理由で部を去る者、
かたや、まるで目立たなかったのに
気づけばレギュラーにのしあがる者。
勿論、そこには努力も大きいわけだが、
光江も、まくってきたタイプだ。

【せんぱい】
一学年上の岡本先輩は左利き。
地区少年野球でファーストを守る無口な人。
近寄りがたい空気があった。
てか。
あの頃の一学年の差の大きさたるや。

ここで唐突に時計の針を進ませる。

【ともこ】
自動車免許の合宿教習所の同期に
青短から参加した岡本知子は、
見事に青学のスクールカラーをまとい、
グイグイ来るタイプだった。
運転もグイグイ行ったのだろう、
路上では物流のトラックに衝突。
さらに勢いは止まることなく米国に留学。
今、どうしているかしら?

今どうしては、武も由美子も光江も
岡本先輩も同じなわけだが。

【れい】
「れい」と聞いて、連想するのが、
ファッション雑誌『ニコラ』の
専属モデルだった岡本玲か、
日活所属から転身した岡本麗かで
世代差が明確になる。
勿論、私は麗派である。
クロレッツのCMの強烈な印象、
『はぐれ刑事純情派』では
長くレギュラーを務めた女優なわけだが、
個人的には、新劇界に引きずり込んだ
劇団東演経理部長(当時)の
佐伯さんに瓜二つというのが一番に来る。

【アウトロ】
岡本姓は、とあるサイトによると
全国で46番目に多い苗字とのこと。
ただ近畿圏では、奈良と和歌山で8位、
兵庫13位、京都18位と密集。
確かに玲は和歌山出身だし、
プロ野球G軍の若き主砲は奈良人だ。
かたや、山形では811位に沈む……。
オカモト…もとい、なるほど。

ほいでもって、明日5月26日は、
「OKAMOTO'S」メジャーデビューの日。
(2010年/アリオラジャパン)

※文中敬称略

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やなわらばー若しくは自粛生活の次の局面

2020年05月24日 | 身辺雑記
〈やなわらばー〉
沖縄本島の方言で「やんちゃな子ども」
「悪ガキ」「いたずらっ子」の意味。
     
  
ここ数日、東京は天気が良くないけれど、
少し前は「夏?」と思うほどの気温だった。
……確実に季節は移ろい、南の国が恋しくなる。

自粛も段階的に解除され、個々戦った成果から
力強い一歩を我々は踏み出す。

「やなわらばー」
沖縄県石垣市出身の東里梨生と石垣優のデュオ。
2004年、アルバム『青い宝』でメジャーデビュー。
恐らく多くの人は、CHOYA夏梅のCMに流れる
透明感のある楽曲『夏空の下』を歌っている、
と書けば、「ハイハイ」となるのでは?
そんなデュオは今年末に解散するという。
残念。

レナウンの事実上の倒産について前回書いたが、
昨日、近所のスーパーへ向かう途中、
「コロナに負けました」と閉店を告げながら、
お皿などの備品を自由にどうぞ、という
居酒屋を認めて、少し足を止めた。
一度だけ入ったことのある処

ここでコマーシャル
石垣の空気を東京に居ながらに味わえる

おおぎみ
港区六本木5-5-1-6F
Tel03-5785-1830
(六本木のロアビル脇。
一階は天下一品)



誤解を恐れずにいえば。
COVID-19が悪餓鬼であったらな、と。
SARSやMERSほどの感染力があれば、
終息させやすかった……。
この捕らえづらい悪魔め
そして。
こやつと共存しなくてはいけない可能性。
いや、いっそ。
この戦いでよく耳にした「フェーズ」を
新型コロナに関してだけでなく、俯瞰して。
例えば各国リーダー達の対応を見定めて、
世界が次の「局面」を迎えるに当たり、
相応しい者を我々が選ぶ時が来た、と。
そういう好機にすることは可能ではないか。

そうそう。
このブログでも、その進捗を折々伝えてきた
隣の一軒家とマンションの解体がほぼ終わり、
更地に近づいています。
地球の在り方も、スクラップアンドビルド!!
そのチャンスに出来たら、いい。


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レナウン

2020年05月22日 | 身辺雑記

レナウンの民事再生手続の一報は
大きなショックで迎えられた。
そのニュースでは「創業110年」や
「ダーバン」「アクアスキュータム」等の
ブランド名、さらには創業時の
「佐々木商会」などがキーワードに。

アパレルに疎い私は、ダーバンの
名前くらいは知ってはいたものの、
アクアナンチャラは知らなかった。

私にとってのレナウンは、なんたって
アメフトの〈ローバーズ〉である。

アメリカンフットボールの日本一決定戦
「ライスボール」に1983-84シーズンから
6年連続出場した古豪だ。

というのも。学生オールスター戦だった
「ライス」が学生と社会人のチャンピオンが
雌雄を決する大会に移行した黎明期に
輝いたチームが、レナウン

85-86シーズンには悲願の優勝
MVPには松岡秀樹
前回大会、日大フェニックスのエースとして
レナウンに立ちはだかったQB
(クォーターバック。アメフトの花形ポジション)が
卒業し、迎えた社会人一年目。
関学との激戦を制した美酒だった。

あの頃。
アメフト界では松岡がスーパースターだった
「ライス」の最優秀選手に前年日大時に続き、
前述レナウンで、二年連続で選出されている。

連覇を目指した86-87シーズン。
京大ギャングスターズに敗れる。
「怪物」と称された東海辰弥が操る
「オプション」の前に僅かに屈した34対35。
翌年、雪辱を期して再び京大と激突

東海が最上級、主将はセンターの屋敷利紀
(高岡高校で同学年)のギャングスターズは
恐るべき強さを発揮。リーグ戦全勝ののち、
甲子園ボールは日大を41対7でうっちゃると、
国立競技場ではレナウンを42対8で退けた。

ローバーズは88-89年の社会人No.1を最後に
タイトルから遠ざかると、
2002年クラブチームに体制を変える。
それも束の間、一年足らずで解散に至る。
親会社の業績不振が理由だった。


不要不急という言葉が跋扈する中、
我々演劇はじめアートが窮地にあるが、
企業スポーツにおいても、本業が傾けば
まず縮小や解散のターゲットになる。
・・・致し方たいとも言わざるを得ないが。
でも。

      

昨今、日本の大企業が傾くと、
中国に呑まれるケースが多いが、
レナウンもその流れの中にある。
アパレル以上に経済にはもっと疎いから
これ以上は語らない。
良いスポンサーが現れるといいな。

※アメフト。
実際プレーしている方々や、協会自身が
アメフットを推奨していることは知っています。
が、素人だし一般的にまだ浸透してないかな?
と本稿ではアメフトで統一。

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映画チャレンジ#下巻

2020年05月21日 | 鑑賞
洋画をあまり観ていない。
ハリウッドなど大作は苦手。
なので、非常に少ない中から二本。

まずは・・・
大好きなジュリエット・ビノシュから。
『ポンヌフの恋人』『トリコロールー青』
『イングリッシュ・ペイシェント』
などを抑えて、プラハの春を題材にした
小説を映画化した
【存在の耐えられない軽さ】
監督:フィリップ・カウフマン
出演:ダニエル・デイ=ルイス、
ジュリエット・ビノシュほか
外科医役デイ=ルイスの駄目男っぷり、
この男を巡る、本妻でカメラマン役の
ビノシュと愛人の画家役レナ・オリン。
文字にするとありきたりな三角関係に
思われがちですが、冒頭書いたように、
冷戦下のチェコスロヴァキアという
社会を背景にした3時間弱のフィルム。

もう一本は・・・
【ギルバート・グレイプ】
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ジョニー・デップ 、ジュリエット・ルイス、
レオナルド・ディカプリオほか
奇しくも、こちらにもジュリエットが。
確かに、この映画をきっかけにルイスの
出演作品を何本か見たけれど、
他は映画としてグッと来るものはなかった。

余談だが。
『ギルバート~』のハルストレム監督と
ビノシュが組んだのが『ショコラ』。
ジョニデもジプシーの青年役で登場。
で、監督夫人レナ・オリンも出演。
閑話休題。

アニメからも一本。
最近のものはほぼ手付かずなので・・・
【ルパン三世 カリオストロの城】
監督:宮崎駿
出演:山田康雄、島本須美ほか
我々世代にはテレビシリーズとしても、
青緑のジャケットにフィアット500が
「ルパン」なのである。
同じ宮崎作品の『風の谷のナウシカ』、
ガイナックスの『オネアミスの翼』、
新海誠『秒速5センチメートル』等々
日本のアニメーションのレベルは高い。

高い、というか深い……
アート系の邦画から最後の一本。
【追悼のざわめき】
監督:松井良彦
出演:佐野和宏、仲井まみ子、
隈井士門ほか
これまで挙げてきた六編とは一線を画す、
カルト映画とも言われる作品。
唯一監督と会ってサインも貰った。
今は亡き、中野武蔵野ホール。
園子温のマイナー時代のフィルムはじめ、
『ゆきゆきて神軍』などもここで…。
と、それはまた別の話。
正直『追悼~』は自分自身が制作としては
決して世に問わない作品だ。
が余りのインパクトに、映画の話になると
入れ込みたくなるのである。

とりあえずチャレンジ終了。
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映画チャレンジ#上巻

2020年05月20日 | 鑑賞
5/15に『ブックカバーチャレンジ』と題して、
中身は概ね別の話を綴ったのだが……
その折「映画チャレンジってものある」と、
フェイスブックに書き込みを頂いた。

ので、誰から廻ってきたわでもないのに、
てっゆうか、だからこそFBでなく
ブログに書こうかな~と思い立った……。
正直、巣篭でネタ切れ
という問題も抱えていたりもする。
ただ正式なチャレンジじゃないので
手短に二日で参ります。

【1999年の夏休み】
監督:金子修介
出演:宮島依里、大寶智子、
中野みゆき、水原里絵ほか
萩尾望都『トーマの心臓』を下敷にした
美しい「少年たち」の物語。

中嶋朋子主演、小中和哉メガホンの
『四月怪談』も推したかったのだが
(こちらは大島弓子の漫画が原作)、
のちに深津絵里となる水原はじめとする
女優陣の瑞々しさと、
演劇人の端くれとして脚本・岸田理生!
という点も含めて、まず一本目。
ちなみに出演に「ほか」と書いたが、
四人以外は声のみ。
劇団新人会の前田昌明の美声も聞けます。

【スワロウテイル】
監督:岩井俊二
出演:CHARA、伊藤歩ほか
その圧倒的な世界観を支える
種田陽平のアートディレクションが
中国哲学文学科出身者には刺さる。
音楽との融和性が高いのも特色の
岩井ワールド。あえて代表作を。

以上邦画から二本。
『姉妹坂』と『雪の断章 ~情熱』を
目当てに町田の名画座に行ったら、
三本立てで『砂の器』もついてきた(汗)
……洟垂小僧には「おまけ」と思われた
「傑作」に、結果打ち震えたり、
同館では田中裕子の妖艶さが堪らない
『天城越え』にもやられた。
日本の映画史に輝く名作はほかにも数多。

あるいは中哲出身として総製作費30億円の
『長江』も捨てがたいのだが。
その系統は次に譲ろう……。

【菊豆】
監督:張芸謀
出演:鞏俐、李保田ほか
中国映画第五世代のチャン監督といえば
『紅いコーリャン』でベルリン金熊賞、
『秋菊の物語』がヴェネツィア金獅子賞など
コン・リーとのコンビで多冠。

同じく第五世代の陳凱歌、第三世代の謝晋ら
好きな映画監督および作品に迷いまくったが、
ビッグタイトルからは漏れた『チュイトウ』を
三本目に!

ちなみにチェン・カイコーなら『黄色い大地』。
『さらば、我が愛/覇王別姫』など中後期より
初期のフィルムに触手。チャン・イーモウ然り、
日本の監督にも割と言えるかも。

(下巻につづく)
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静かな事務所

2020年05月19日 | 俳優座
思えば、カテゴリーが「俳優座」なのは
12日ぶりである。
このご時世ですからね。
リモートワーク専心中。

さて5/6付でご案内した俳優座の
YouTubeチャンネルは月木に更新
新たな俳優も加わっています。
お時間ある方は覗いてください。

そうそう映像といえば
さる土曜日に『今夜、ロマンス劇場で』が
ノーカット放映されたのであった。

我が俳優座の中心俳優の一人だった
故・加藤剛の「最後の映画」。
2018年2月公開。
加藤が召されたのはそれから4か月後。
昨日は月命日にあたり来月18日は三回忌。



『今夜~』は掲載できないので、
座の舞台『先生のオリザニン』から。
貴重な親子共演を一葉。
主人公の青年期を加藤頼が、
壮年期を剛が演じた2014年の公演。
劇団創立70周年と鈴木梅太郎生誕140周年、
さらには日本農芸化学会創立90周年と、
ずいぶん欲張って「記念」した作品。

ビタミンB1を発見した鈴木博士の半生を描き、
三越劇場で幕を開けたあと、近畿等でも上演。
(作/堀江安夫、演出/眞鍋卓嗣)

巡演といえば。
昨年の北海道に続き、この夏は
東北・関越に『八月に乾杯!』が
予定……されていて、今ギリギリのところで
状況を見極めているところである。

そういうわけで18日は事務所に出た。
来年3月に控える新作のことも会議。
・・・静かな六本木で。

昨夜は、オールスタッフ社長企画
私の大好きな演劇人仲間#5
トークセッション NO密なおしゃべり
『謎の〈B魔女会〉とは…
 その歴史と必要性に迫る!』が
ライブ配信されたりもした。

弊ブログ4/28と昨日も触れたけれど、
熱い新劇魂のこもったゆる~い番組だ。

5回目は、仕掛け人・𡈽屋友紀子社長が、
スタジオに三人の制作者
(文学座・最首志麻子、
銅鑼・田辺素子、昴・村上典子)、
リモートで劇団1980の俳優兼制作
上野裕子・・・いわゆる「B魔女」達を
集めての「反省会」。
それから、予告にはなかった演劇集団円の
松田みず穂がサプライズで、
さらにこの番組のレギュラー(?)
劇団テアトルエコー・白川浩司も黒一点
(この二人もリモート)参加で一時間……。

なるほど、そういう「会」だったのか?
そして予想通り、真面目な話も多し。
ライブは終わりましたが、まだ視聴可能。
興味ある方は是非アクセスを。

てか、むしろ本日のブログがゆるいか

最後に、事務所の書棚にあった
加藤剛写真&エッセイ集『歩く人』の
表紙と、中から一葉だけ貼り付けてみる。





これで、誤魔化せるかな?

【文中敬称略】
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深説・空ゆく風のこいのぼり

2020年05月18日 | 制作公演関連


稀有な劇作家、藤井貴里彦さんは
宮崎在住の童話作家でもあり、
生業としては藍染職人でもあった。
写真のこいのぼりも、彼の作。

『空ゆく風のこいのぼり』の
戯曲とともに送られてきて、
今も僕が大切に保管している。
(写真は稽古初日に飾った時の一枚)

宮崎県に伝わる伝統芸能
「山之口麓文弥節人形浄瑠璃」
(因みに読み方は、やまのくち
ふもとぶんやぶし、である)を
話の中心に置いた『浄瑠璃の庭』。
藤井戯曲×磯村演出の第一弾を
作者の故郷・宮崎で!という
気運もあったが残念ながら頓挫した。

その実現を目指しつつ並行して進めた
第二弾は、ざっくりした筋と
だいたいの登場人数を決めると、次に
俳優の写真と、制作者による人物メモ、
さらには劇団としての方針を渡して、
シノプシスの段階へ。

例えば、甲という役者は二枚目だが、
今回はあえて三枚目を担わせたい。
乙は少ない場数で印象に残る
ワンポイントリリーフ。けれど
次回は少し長いイニングを投げさせたい。
……そんなことを藤井さんの書斎で。
この時の仮題は『チーサオの夢』。

あの頃ちいさかった「たまき」君は
もう成人したのだろうか……。

さて、つまりキャスティングは
本が出来る前からほぼ決まっていた。
スタッフも『浄瑠璃~』をベースに
大好きな信頼できる面々を召集。

題字は、大学の恩師・上田先生に依頼。
かなりの枚数を書いていただいた(汗)
改めて深謝



昨日も載せた『空ゆく~』のポスター。
下は、その稽古後の呑みの一場面。
右手前が藤井さんである。
奥中央に俳優の南保大樹さん、
左が演出の磯村純さん。
おお! 4/28付弊ブログ『ジュンナン』の
ナンとジュンではないか!!



思えば、このブログはそもそも
ナン氏が「劇団HPに載せるので書いて」
と言われてシブシブ始めたのです。
2005年4月20日。『浄瑠璃~』千秋楽から
ちょうど9ヶ月後のスタート。
で、ジュン氏が当時ふざけて僕を
「敏腕P」と呼んでいたこと「も」、
ブログの題名に由来する。

そうして始まった二稿目に『新進劇作家』と題し、
藤井さんにも触れていたことを今日まで忘れていた。

『空ゆく~』は架空の国・トトパイ共和国からの
交換職員チーサオと、宮崎県の山間地帯に暮らす
町民たちのおはなし。中でも岡野ひとえと仲が良い。
ひとえは鍛冶屋を営む老夫婦の元に身を寄せている。
そして、この家の庭先には、何故か季節はずれの
こいのぼりが泳いでいた……。

(さらに続くというか……)
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真説・空ゆく風のこいのぼり

2020年05月17日 | 制作公演関連
2008年、劇団東演第130回公演
『空ゆく風のこいのぼり』
(作/藤井貴里彦、演出/磯村純)は、
ちょいちょい僕のブログに登場する。



こんなデザインのポスターでした。
全面にほどこされた藍染は、
作者である藤井さん自らの手によるもの。
彼は劇作家であり、童話作家であり、
藍染職人でもあり、べらぼうに素敵な人。
(デザインは大下詠子氏、
藍染撮影は森田貢造氏)

5月16日付ブログで登場した書籍
『みやざきの演劇』を所有していたのも
藤井さんから頂いたからである。
宮崎の演劇が丁寧にまとめられていて、
その巻末に、県演劇史の
エポックメイキング三篇を採録。
その一篇が藤井貴里彦の処女戯曲
『百円野菜』だった。

第一回みやざき演劇祭・短編戯曲賞の
栄えある最優秀賞作品(2001年)。
まず宮崎で上演された後、
審査委員長を務めた、はせひろいち氏が
主宰する劇団ジャブジャブサーキットで
『サワ氏の仕業Ⅳ』として翌年上演。
(短編三本からなるプログラムで、
大阪、名古屋、東京三都市を巡演。
『百円~』が掉尾を飾った公演)
僕は池袋のシアターグリーンで
一観客として舞台に触れ、衝撃を受けた。
そして劇場にその書き手がいた。

呑みの席。
自己紹介と話の継穂として、
我が所属劇団(当時)の次回公演は、
西南戦争の頃を描いた『風浪』だと言った。
語るまでもないが、明治初期に九州中南部
(現在の大分、熊本、宮崎、鹿児島)で起きた
一連の士族蜂起。西南の役とも。
藤井さんはグラス片手に「あ、それ」と。
聞けば、曽祖父が祖父たちに自慢して曰く、
「さきの戦で西郷軍に従い活躍した」
そして刀をサッと抜いたら・・・指を切った。

そんな話から生まれたのが『浄瑠璃の庭』。
まだ所属劇団ではペーペーで、
座内で企画を通す力はなく、
劇団協議会主催公演を東演が製作という形で、
それは陽の目を見た。
稽古場で公演は、おかげさまで圧倒的な支持を得、
力をもらった僕と藤井さんと演出家は、
打ち上げの席で早くも次回作に向け始動。



四年後。
ついに『空ゆく~』が紀伊國屋ホールに降臨。
その舞台の片隅にいたのが上の蛙。
美術の小池れい氏、渾身の遊び心だ。
舞台にがっつり建てた一軒家の縁側の下、
観た者誰一人気付きはしなかったろう……。

(つづく)
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